アメリカの携帯キャリアは、弱肉強食でサービスに多様性があり面白い

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総務省のお話で2月からガラッと事情が変わった日本の携帯キャリア業界。

なにげにアメリカの携帯キャリアサイトを巡ったのですが、あちらはキャリア独自のサービスを、他社を叩き落とす勢いで打ち出しながら争っていて面白いですね。

日本みたいな仲良し横並びとか優しい世界ではなかったです。あちらは名指しでボロカスです(笑)

たま~にアメリカの携帯事情を確認するのですが、日本はアメリカの携帯事情に数年遅れで追っかけている印象が強いですね。

今回も、なかなか楽しかったので、アメリカでサービス展開している携帯キャリアの現状と、これから日本が追っかける可能性のあるサービスを取り上げてみましたので、宜しければどうぞ。

日本が追う、アメリカの携帯キャリア事情。

今回は、アメリカでサービス展開している、T-Mobile、AT&T、Sprint、verizonの4キャリアの公式WEBサイトを巡ってみました。記事の最後に各社の公式サイトへのリンクを残しておきますね。

日本と大きく違う「端末」の扱い。

日本では、各携帯ショップで独占的な端末をリリースすることで、端末に縛られるスタイル。

最近では、iPhone、Xperia、AQUOSなど、3社で同じ端末を取り扱うことも増えていますが、まだまだ端末縛りは残っています。この端末ならこのキャリアしか使えない。みたいな。

XperiaZ5シリーズがいい例ですね。PremiumやCompactはドコモじゃないとダメ。

一方、アメリカでは、ほぼ取扱っている端末は同じです。その中でも、iPhoneとGALAXYのツートップ。それ以外の端末も沢山リリースしていますが、どのキャリアも取扱っている端末は、ほぼ同じなので、ユーザーは端末に捕らわれること無くキャリアを選べます。

端末の多様性が無くて面白くない。と感じるかもしれませんが、日本で置き換えると、iPhoneとXperiaを筆頭に、AQUOS、arrows、その他メーカー端末全てが、どのキャリアでも購入できる状態と思っていただければ、多様性が無いのではなく、端末縛りが無いと感じるはずです。

日本じゃまだまだキャリア縛りの端末(ドコモのarrowsシリーズやauのQuaPhoneなどなど)が根強く残っているので、ユーザーからすると利便性には欠けてしまいます。

ということで、どこでも同じ端末が購入できるからこそ、必然的にアメリカでは、壮絶なキャリア独自サービス争いが巻き起こっています。

アメリカの携帯キャリア競争は、もう、弱肉強食の世界。

日本でも、各社が1GBの新プランを打ち出しましたね。総務省が出した「5,000円以下のライトユーザー向け」というお題に対し、ドコモ、au、ソフトバンクは、それぞれ新サービスを打ち出しました。

各社で若干の差はあるものの、どのキャリアも似たり寄ったりですよね。本来、通信サービス会社は、独自のサービスで差別化を図るのが健全だと思うのですが、日本の仲良し携帯キャリアは横並びが好きなので、似たり寄ったりで面白くない。

一方、アメリカでは、独自サービスで勝負するしか無いので、形振りかまっていません。

日本で例えると「5,000円以下のプランを出しなさい」というお題に対して、どこかが2,000円で独自プランを出して他社は追随出来ず、莫大なユーザーをかっさらう。これは例えばの話ですけど、そんな感じで他社を打ち負かす様な世界なのです。

各社が、様々な方面で莫大なコストをかけて、独自のサービスを打ち出すので、特色が各社で色濃く出るんですね。「家族持ちならここ」「一人契約ならここ」という感じでキャリアを選ぶ感覚です。

それでは一例を挙げてみましょう。例えば家族向けプランでのキャンペーン。アメリカのキャリアでも家族向けプランを各社提供していますが、家族向けプランの中でも、想像を絶する独自キャンペーンで争っています。

▼T-Mobileのキャンペーンだと、1台50ドルのプランを3台契約すると1台タダ。つまり、4台合わせて150ドルで利用できるキャンペーンを打ち出しています。↓

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▼同様のキャンペーンはT-Mobileの他にも提供していますが、弱肉強食の世界なのでこんなことになっています。↓

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名指しでボロカスですね。もう、4台契約ならT-Mobile一択といった感じ。他社よりも100ドルも安いのですから。AT&Tやverizonは現時点で追随もしていません。

今回は、T-Mobileのキャンペーンを例に挙げましたが、各社でもこの様に、独自のサービスやキャンペーンを打ち出してユーザーを確保しているのです。

各社が他社に勝る部分で、他社をボロカスに打ち負かす。そう、これが弱肉強食の世界なのです。

現在、アメリカの携帯キャリアが夢中になっていること。

現在アメリカでは、次世代通信規格である「5G」に向けての整備を進めています。

4Gから次世代の5Gに切り替わると、通信速度などが飛躍的にアップするので、高品質な動画コンテンツをモバイル通信で楽しむことが可能となります。

各社は近い将来を考え、「音楽・動画コンテンツの通信費無料化」に乗り出しています。

あるキャリアでは、480pまでの動画コンテンツ視聴や、音楽定額サービスで発生する通信費用を無料化。また、あるキャリアでは、衛生放送有料コンテンツに加入すると、画質制限無しで動画コンテンツの通信費用を無料化といった、熱い戦いを繰り広げています。

おそらく、地上波映像コンテンツも含めた、全ての映像コンテンツを、通信キャリアでかっさらうつもりでしょう。

日本でも、フルセグを携帯端末に搭載して提供していますが、あれは固定テレビ向けで移動時には向きませんし、ワンセグは高解像度になった最近のスマートフォン端末やタブレット端末には向いていません。

また、地上波コンテンツを視聴するためだけに搭載されている機能ですので、スマートではないと個人的には思っています。

今後、地上波コンテンツを含む動画コンテンツを、モバイル通信を利用して配信しても不思議ではありませんし、その覇権を握る為に、各社は準備段階として、音楽・動画コンテンツの通信費の無料化に乗り出しているのです。

もう、各社夢中です。お金をジャブジャブ使って、他社を打ち負かそうと夢中です。なんて素敵な世界なのでしょう。

今の日本じゃ考えられないですね。

日本の通信サービス会社も追いかけて欲しい。

通信品質は申し分ないので、各キャリアが独自サービスを、バンバン打ち出すような状況に移り変われば素敵ですね。

格安simなども認知されてきましたし、通信費用を安くしたいユーザーはMVNOに任せて、大手キャリアでしか実現できない部分で、魅力&特色あるサービスを展開して頂きたいものです。他社の追随を許さないくらいに。

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