ドコモが通信速度の「実測値」を公開

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総務省のメス入れにより、ドコモがスマートフォン実機(AndroidとiOS端末)での「通信速度実測値」を公式サイトで公開しました。2015年4月に「ベストエフォートの廃止」が議題にあがり、ようやく形となりましたね。

さようなら。ベストエフォート値。

以前は通信速度の目安として「ベストエフォート」が用いられていました。よく広告等で『最大150Mbps!※ベストエフォート値』などと表現されていましたが、実際に使うと実測値はベストエフォート値の1/100ということもザラにあり、非常に多くの苦情が寄せられていました。

ベストエフォートは理論値なので絶対に出ないスピード。

理論値とは「通信に最適な状況」での数値。極端な話、自分以外にネットワークを使う者が誰一人いない状態での計測で出る数値と考えれば「実際には不可能な数値」であることがよく分かります。

世の中には沢山の方がネットワークを利用しており、人口密度の高い場所ではネットワークも混雑するので実測値では著しく速度が低下するってわけなんです。

ようこそ実測値。

実際に通信契約を行い使ってみると速度が物凄く遅かった。

こういう経験をした方は非常に多いと思います。私もフレッツ光の隼という光回線を契約しましたが、ベストエフォート値1,000Mbpsに対して約30Mbpsしかでません。どうやら私の契約した隼はまだ雛のようです。

苦情を通信事業者に訴えても無駄です。「速度はベストエフォートですので」と言われて門前払い。おかしな話ですよね。ベストエフォート値なんて利用者側からすれば意味のないものと私は考えています。

ドコモやau、ソフトバンクのモバイル通信以外の固定回線もベストエフォート廃止になればいいのに。

総務省のメス入れで「実測値表記」へ。グッジョブ総務省。

非常に多くの苦情が集まった事から、総務省が動き「ガイドライン」を2015年の4月に定め「速度の計測は全国10都市で実施、有識者らの協議会がチェックする。」という内容でお話がまとまりました。

4月時点では2015年冬モデルから実測値公開ということで、私はずっと待ってました。いつだろう、いつだろうと。

そして、ついに他社に先駆けドコモが全国10都市での実測値を公開。10都市の市町村での計測ですので、非常に多くの場所での実測値が確認できます。

ドコモで公開された実測値の所感は「思っていたよりも速かった」

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統計データは「箱ひげ図」で表しており、AndroidとiOSでOS別に計測しています。

iOSでの通信速度がAndroidより低いですが、iPhone本体がバンド21に対応していないグローバルモデルであるため、複数の電波をまとめて高速通信を行うキャリアアグリゲーション通信ではAndroid端末より速度が出ないのでしょう。

しかし、思ってたよりも実測値は出ています。私はドコモのネットワークを利用する格安SIMを利用していますが、格安SIMでも案外本家と通信速度が変わらないんだなとも感じました。

もちろん本家には敵わないですけど、その差は僅かです。そこは利用料金が安いので文句は全く無いです。

今後は他社の実測値も露わに。

「ベストエフォートの廃止」を他社に先駆けドコモが公開しましたが、au、ソフトバンクも近いうちに公開するでしょう。これで各社の包み隠さない実測値が露骨になります。

また、大手キャリアが実測値を公開することにより、各社の「電波事情」もよく分かります。キャリア乗りかえの際は1つの指標となりますね。

実測値の公開は利用者側からするとありがたい事には間違いないですが、今後は全国各地での実測値を提示出来るように実測値調査を拡大していただきたいですね。

利用者は全国にいるのですから。

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