組込み式のe-SIMとは?

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Appleの薄型化に対する熱意は計り知れない。

更なる薄型化を実現するために「イヤホンジャック廃止」の可能性がリーク情報として挙がっていますが、薄型化を推し進めるにはSIMスロットも邪魔になるのかもしれません。

組み込み式の「e-SIM」とは?

現在は各キャリアや格安SIMを提供しているMVNOが発行する「SIMカード」をスマホやタブレットに挿入してAPN設定(インターネット接続設定)することにより通信可能となりますが、e-SIMは物理的なカードを挿すのではなく「端末に組み込むタイプのSIM」です。

組み込むといってもソフトウェア的なもので、SIMカードがスマホの基盤に組み込まれているという訳ではないので薄型化に貢献するんですね。

Appleでは「Apple SIM」という通信事業者選択方式のSIMを2015年にリリースしています。通常では先ほどお伝えした通り、各通信事業者が発行するSIMとAPN設定が必要ですが、Apple SIMでは各事業者と契約する際にApple SIMに通信事業者情報を記録します。

つまり、Apple SIMが1枚あれば提携する通信事業者との契約ではSIMの発行や挿し替えが必要ないということ。しかし、Apple SIMを挿すスロットは必要です。現状のSIMカードとe-SIMの中間的なものですね。

e-SIMはApple SIMの発展した次の形です。

薄型化にも大きく貢献して利便性も向上する。

実用例としてはサムスンのスマートウォッチ「Samsung Gear S2 3G」で採用しています。製品名からも分かる通り3G通信が可能ですので、通信するためには契約者情報が必要。

スマホであればお馴染みの「SIMカード」を挿して通信できますが、スマートウォッチのような小さな端末では物理的にSIMスロットを搭載することは厳しいので「e-SIM」を採用したということ。

つまり、物理的なスロット搭載は今後Appleの薄型化を進めるにあたり邪魔となる事は容易に想像がつく。

SIMの差し替えも不要ですので、通信事業者切替が非常に楽になる。

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これは「Apple SIM」で実証済みですが、通信事業者との契約にいちいち携帯ショップに足を運ぶことも無くなる。Apple SIMの利便性については「話題のAppleSimは何が凄いの?活用法と注意点」で詳しく執筆しているのでどうぞ。

e-SIMがiPhone7/7Plusに搭載されれば、各国の通信事業者とiPhoneのみで契約できるので、海外渡航や旅行の多い方もかなり利便性が向上するのではないでしょうか。

次世代Galaxy S7/S7 Edgeは「e-SIM」搭載の動き。

前項目の実用例として上げたサムスンはGALAXYのフラッグシップモデル「Galaxy S7/S7 Edge」では組み込み式のSIMである「e-SIM」を搭載する可能性があるとニュースサイト「ZOL」が報じています。

サムスンではe-SIMの実用ノウハウも培っているのでe-SIMを搭載する可能性は高い。

Appleでは事業者選択式というe-SIMに似た「Apple SIM」でアプローチしていますが、この方法は薄型化には貢献しませんし、e-SIMを搭載したほうがずっとスマートです。

サムスンに一歩及ばずという状況はAppleにとって喜ばしいことではないので、そろそろ何かしら手を打つ時期ですね。

1年ほど前は「e-SIM搭載には一年ほど先になる見通し」と報じられていたので、iPhone7/7Plusの薄型プロジェクトに盛り込まれている可能性も無きにしも非ず。

iPhoneの次期モデルiPhone7/7Plusでも搭載の可能性。

一年ほど前からAppleもサムスンも各国の大手キャリアとe-SIMについて協議をしていましたね。その後の展開でサムスンはe-SIM搭載のスマートウォッチを、Appleはe-SIMとSIMカードの中間的な「Apple SIM」を提供開始しました。

iPhone7/7Plusでは現行モデルよりも1mm近く薄型化されるといわれており、イヤホンジャックを廃止してLightning端子に統合する話も挙がっているので、e-SIM搭載も従来のSIM挿入方式から「形を変える」時期に入ったのかもしれません。

e-SIMは薄型化や利便性の向上に直結する先進的な技術ですので、iPhoneユーザーは動向を注視しましょう。e-SIMは実用例もあり、既に手の届く技術であることは間違いありません。

サムスンもAppleも頑張れ!

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