Windows 11の更新プログラムに新機能を含めるのはもうやめた方がいいのではないか

Windows 11の更新プログラムに新機能を含めるのはもうやめた方がいいのではないか

2022年9月にリリースされたWindows 11 2022 Update (Version 22H2)以降、Windows 11に毎月配信されている月例アップデートには、脆弱性やOSの不具合の修正だけでなく新機能も含まれるようになりました。

その結果、個人・企業・教育機関のいずれの環境でも、「本来入れるべきアップデートを適用したら逆に致命的な不具合が発生する」事象が毎月のように起きています。

「大型更新プログラム」をイネーブルメントパッケージの適用だけで更新できるのはメリットだが……

▼まもなく一般ユーザー向けにリリースされる予定のWindows 11 2026 Update (Version 26H2)もイネーブルメントパッケージの適用だけで更新が完了します。↓

Windows 11 2026 Update (Version 26H2)

Windows 11 2022 Updateがリリースされた頃は、年に4回ほど「Moment Update」として、次の大型更新プログラム(=Windows 11 2023 Update Version 23H2)のリリースを待つことなく新機能を提供していました。

まず毎月下旬のオプション更新プログラムで、エクスプローラーのタブ化や強化されたタスクマネージャーといった新機能を任意で適用できる形で配信し、翌月の月例アップデートで脆弱性や不具合の修正と一緒にすべてのユーザーへ展開する流れでした。

ユーザー側からすると、毎年後半期に配信される大型アップデートを待たなくてもOSの新機能を利用できるようになりました。

さらに、その大型アップデートも、Windows 10やWindows 8.1以前のように失敗するリスクがあり、ファイルサイズも5GB以上と大きい「上書きアップグレード」ではなくなりました。

あらかじめ適用済みで無効化されている新機能を有効化してバージョンを切り替えるだけの「イネーブルメントパッケージ」で済むようになったのも、メリットではあったのですが……

2024年10月にリリースされたWindows 11 2024 Update (Version 24H2)以降は、本来であれば大型アップデートで十分に検証したうえでリリースされるべき新機能が、毎月の更新プログラムにも含まれるようになりました。

その結果、不具合や脆弱性を修正するために適用したのに、逆に「OSが起動しない」「音が鳴らなくなる」といった別の不具合がいまだに定期的に発生する状況になってしまっています。

ユーザーからのフィードバックが十分反映されていない「Windows Insider Program」

また、今年になって配信チャンネルが「Release Preview」「Beta」「Experimental」に整理されたWindows Insider Programですが、以前も別の記事で触れたとおり、一般に公開されている開発ビルドはMicrosoftが社内で使っているものとは別物です。

そのため、社内の最新開発ビルドではすでに目に見える効果が出ているとされる「起動速度やWindows Hello(生体認証)の処理速度の高速化」といった改善は、現時点でWindows Insider Programのビルドには実装されていません。

結果として、「Microsoftが先に考えていること」がいまだに把握しづらいという問題点が残ったままになっています。

一方、建前上は「どのリリースとも紐付いていない」とアナウンスされているものの、Experimental (Future Platforms)はおそらく来年リリースされる予定のWindows 11 2027 Update(仮称 Version 27H2)の先行開発ビルドと思われます。

ところが、“将来のプラットフォーム”という名称にもかかわらず、現行の安定バージョンであるWindows 11 2024 Update (Version 24H2)や2025 Update (Version 25H2)にすでに展開されている機能がいまだに実装されていません。

たとえば9月の月例更新プログラムで展開が始まった「タスクバーの移動」や、展開が始まった回復環境(Windows RE)の「ポイントインタイム リストア」などです。

▼9月の更新プログラムで一般ユーザーへの展開が開始されたタスクバーの移動も、Windows Insider Programで配信されているExperimental (Future Platforms)の最新ビルドではいまだ利用できず……↓

タスクバー設定

まもなくリリースされる予定の更新プログラムを先行テストできる「Release Preview」でも、おそらくユーザーから報告されたであろう不具合が修正されないまま一般ユーザーに配信されることがあります。

「パワーユーザーにも不具合を報告してほしい」というWindows Insider Programの“本来の”目的をいまだに見失ったままなのではないかと、検証用のサブPCに実際に導入している筆者(かのあゆ)は感じています。

「RAM 8GB搭載PCへの最適化」以上に本来もっとやるべきことはあるのでは……?

なんだかんだでお世話になる機会が多いWindows 11

このほか、実際にはAMD64(Intel互換CPU)版も存在するものの、“建前上は”今年初めに発売されたQualcomm Snapdragon X2シリーズを搭載するCopilot+ PC専用としてリリースされたWindows 11 Version 26H1もあります。

既存のWindows 11 2024 Update~2026 Updateと大差ないのにビルドナンバーが無駄に進んでいるため、「別バージョン」扱いとされています。

こうした点も含め、プライベートだけでなく本業でもWindows 11に関わる機会が増えてきた身からすると、近年は開発の方針がかなりブレブレになってきているような気がします。

現在、Microsoftは「Copilot」機能の標準アプリでの押しつけを見直し、システム全体を軽量化する方針を打ち出しています。ですが個人的には、システムが不安定になっている原因である月例アップデートでの新機能の提供を、まず見直すべきではないかな……と感じていたりします。

また、「Windowsの将来」が読めない上にユーザーのフィードバックもあまり反映されていないWindows Insider Programの運営や、個人・法人ユーザーへの自社製クラウド製品の“押しつけ”も見直してほしいところです。

とはいえ、筆者(かのあゆ)はWindowsとはかれこれ30年くらい付き合っていますし、OSとして消滅することはまずないと思いますが、もっとユーザー目線で使いやすいOSに進化してくれることを願っています。

何より、Windowsを追っていて楽しいことは今も変わらないんですけどね!

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