Xiaomi Black Friday 2024 1100x150

SIMロック解除スマホは基本的に販売キャリアの回線しか利用できない

SIMロック解除の条件緩和により、これまで以上に気軽に端末のSIMロック解除が出来るようになります。

大手キャリアで購入したスマートフォンのSIMロック解除品、安価に売買されているSIMロック解除済みの中古スマートフォンなどを利用して格安SIMを活用しようと考えている方は少々注意が必要です。

iPhone以外のAndroidスマホは基本的に販売するキャリアの電波しか対応していない。

例外としてiPhoneはAppleストアで販売しているSIMロックフリーモデルと仕様が基本的に同じなので、ドコモ、au、ソフトバンクなんかの電波にフル対応してます。なので、iPhoneは除外。

問題なのは大手キャリアで販売するAndroidスマートフォンです。

というのも、大手キャリアで販売しているAndroidスマートフォンは、同じ機種が複数キャリアからリリースされていても、中身は各キャリアのチューニングが施されてます。

その中で問題なのが対応する周波数。

ドコモやau、ソフトバンクといった通信回線は、混線を避ける為に利用する周波数帯が異なります。対応する周波数帯により、複数のキャリアで同一のバンド(バンド1とか)に対応していることも有るのですが、通信する周波数は同じバンド帯でも異なります。

で、それぞれのキャリアで販売しているAndroid端末は大多数が「販売しているキャリアのバンドのみに対応している」状況です。

回線とスマホの周波数が合致しないとこうなる

前述通り、対応する周波数は「バンド1」など一定の周波数を区切ったざっくり表記となってます。例えば、ドコモのバンド1もソフトバンクのバンド1もワイモバイルのバンド1も周波数帯は同じ2100Mhz帯。

なので、例えばドコモのSIMロック解除済みスマートフォンにソフトバンクの回線を利用する格安SIMを挿入した場合、(ソフトバンクのバンド1で利用する周波数帯まで対応していれば)ソフトバンク回線でもアンテナマークが立ちデータ通信が可能です。

ここからが落とし穴です。

大手キャリアでは周波数が重複している帯域を利用している場合もあるんですが、周波数は1つだけではありません。

例としてドコモとソフトバンクの必須LTEバンドを確認してみましょう。

  • ドコモ:バンド1/3/19
  • ソフトバンク:バンド1/3/8

この様に重複する周波数(バンド)がある一方で、赤文字は重複しておらず各キャリアで異なるバンドを利用している事が分かります。

今回の例ですが、赤文字はプラチナバンドと呼ばれており、地下や郊外での繋がりやすさを左右する非常に重要な周波数です。

もう、お気づきかも知れませんが、ドコモのSIMロック解除済みスマホは利用できるSIMの回線制限が無くなりますが、スマートフォンが対応する周波数自体はドコモのままです。なので、ソフトバンク回線を利用した場合、重複するバンド1と3で通信できる可能性が高い一方で重要なプラチナバンドでの通信はできません。

案外、知らない方が多かった

先日、某MVNOにお邪魔してきたんです。そのMVNOはドコモとauの回線を利用した格安SIMをリリースしているのですが、資料には「SIMロック解除したドコモ、au、ソフトバンクのスマートフォンで利用できます。」と記載がありました。

通信できるか否かという観点であれば各社で利用する重複する周波数帯がある以上、この様な表現は間違いではありません。が、解説したように大手キャリアが販売した端末と異なる回線で利用する場合は、電波の掴み具合が悪くなったり、エリアが狭くなったりするので、快適に利用できるかという観点でこの記述はNOです。

指摘した際に「ごもっともです」と技術者の方に言われたのですが、それが一般的に認知されていない事が僕は問題点だと感じてます。

僕の周囲にも「SIMロック解除したら色んな回線の格安SIMで端末使い回せるから良いね。」という方が居たのでユーザーさんにも注意喚起として情報を発信した次第です。

簡単なルールを覚えておこう

これからSIMロック解除したスマートフォンを手に入れて格安SIMを活用しようと考えている方は、以下のルールを覚えておきましょう。

  • SIMロック解除済みの端末でも、快適に通信できる回線は販売するキャリアの回線のみ。大手キャリア端末のSIMロック解除済みスマートフォンを利用する場合は販売するキャリア回線の格安SIMを選ぶ。
  • 様々な回線で快適に利用したいなら、大手キャリアの端末に複数対応したiPhoneまたは大手の全キャリアに対応したSIMフリーモデルのAndroid端末を利用する

上記を覚えておけば自身が持っているスマートフォンが”どの回線で活用出来るか”分かります。

あと余談ですが、もうすぐ楽天が第四のキャリアとなります。

楽天もドコモやau、ソフトバンクと異なる周波数帯を利用するので、今後、(ドコモ回線を利用している楽天モバイルの格安SIMではない)楽天独自のキャリア回線を利用する格安SIMが登場した場合は、現時点でリリースされているSIMロックフリーのドコモ・au・ソフトバンク回線対応スマホでも快適な通信ができなくなる可能性があるので覚えておきましょう。

以上、何かの役に立てば幸いです。

ページトップへ