TCL 10 5Gのレビュー。国内向け最安級5Gスマホの実力を試す
5Gに対応したSIMフリースマートフォン「TCL 10 5G」は、日本国内向けに投入されたモデルで手に入りやすく5Gモデルとしては安価であることが魅力の1台。実機を手に入れたのでレビューをお届けする。
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TCL 10 5Gの良かった点と気になった点
TCLのミドルハイスマートフォン。国内向けモデルとしては初の5Gモデル。技適付き、5G対応モデルの国内スマホとしては最安クラスのコスパに優れるモデル。価格は39,800円
良かった点
・コスパが良い
・カメラの出来栄えが良い
・ディスプレイが非常に美しい
気になった点
・ドコモ5Gはn79が非対応
・電波の掴みが不安定
・ソフトウェアの安定性
TCL 10 5Gの詳細スペックや特徴は以下で紹介しています。
TCL 10 5Gの外観
TCL 10 5Gは6.53型のディスプレイを搭載。横幅は76.6mm、重量210gと大型のスマートフォンだ。
▼片手では操作しづらく感じるサイズ感だが、大きなディスプレイはゲームや動画視聴でも迫力があり没入感も高い。↓
カラーはブラックとブルーが選択可能。レビュー機のブルーは上部が黒色で下部になるほどブルーが強くなるグラデーションカラーを採用している。
▼背面パネルの質感はツルリとした肌触り。光沢があるので油脂の付着は目立ちやすい。素材は傷つきやすそうだ。↓
▼カメラは背面上部に横一列に並んだ形状。背面に指紋センサーを備える。↓
▼その他の配置は以下の通り。↓
付属品・同梱物
本体以外に充電器、USB-C to Aケーブル、SIMピン、クイックガイド、ソフトケースが同梱されていた。充電器は18Wの急速タイプが付属しているのが嬉しい。
保護フィルムはPDA工房さんから様々なフィルムタイプがリリース済み。品質も良いので端末購入に合わせて検討頂きたい。
500円以上のご購入時に適用すると100円オフ!
▼YouTubeではテンポ良く見られる凝縮レビューも公開中!質感・カラー・雰囲気は実機動画でチェック↓
TCL 10 5Gの処理性能
TCL 10 5Gが搭載するSoCはハイエンドに次ぐ性能を誇るSnapdragon 765Gを採用。メモリ6GB、容量128GBでミドルハイらしい構成。
このクラスの性能になるとWEBブラウジングやLINE、SNSに動画視聴などライトな使い方では全く動作に不満はなく、実機でも非常に快適に動いている。
また、ゲーム性能も比較的高いのでグラフィックの綺麗なゲームも設定次第で快適に遊べるタイトルが多く、PUBGモバイルはじめ筆者がプレイしているゲームで今のところ大きな不満は感じていない。
ベンチマークスコアをチェック
端末の処理性能を数値化するベンチマークを走らせた。
▼TCL 10 5Gの実機でAnTuTu(Ver8)を測定。総合スコアは320,000点、GPUスコアは94,897点。約4万円であることを考えるとコスパは高い↓
▼以下は現在市場で主流となっている各性能帯の参考スコアです。現時点で本端末の性能がどのランクに相当するか確認が出来ます!↓
AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約150万点以上 GPUスコア:約60万点以上 | ヌルヌル、動作に不満なし |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約35万点〜60万点 | 重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約15万点〜35万点 | 軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜15万点 | 必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
▼その他、Geekbench 5、PCMark、3DMarkでのスコアは以下の通り。↓
▼ストレージ速度は書き込みが203.1MB/s、読み込みが913.6MB/s。値段の割に読み込み速度が速い。↓
TCL 10 5Gの機能・仕様の検証結果
通知ランプ | ☓ |
指紋認証 | ○:画面内蔵。速度・精度は申し分なし |
顔認証 | ○:カメラ認証。暗所でも解除されやすい |
アプリクローン | ○:Facebook、Messenger、Snapchat、Instagram、WeChat、LINE、Skypeのみ可能 |
PCモード | ☓ |
外部映像出力 | △:ワイヤレスのみ対応/ケーブル出力不可 |
戻るボタン入れ替え | ○:デフォルトは右 |
ジェスチャー操作 | ○ |
クイックランチャー | ○:クイックボール |
ゲームモード | ○:パフォーマンスが上がるタイプではない |
冷却システム | ☓ |
MicroSD 内部ストレージ化 |
☓:外部ストレージのみ使える |
Photoshop Camera | ☓ |
PUBGモバイル グラフィック設定 フレームレート設定 |
スムーズ設定時→スムーズ+ウルトラ 最高クオリティ&フレーム設定→HD+高 |
スピーカー | シングル/下部 |
イコライザー | ☓ |
備考 | – |
ソフトウェア・ハードウェアの特徴
アプリを3つまで割り振れるスマートキーが便利
TCL 10 5Gは本体の左側面にスマートキーを搭載しており、1回押し、2回押し、長押しにより最大3つのアプリをクイック起動できる。
筆者は最近QRコード決済のPayPayを利用しているが、これまではスリープ復帰→ロック解除→アプリを設置しているホーム画面にスワイプ→アプリタップで起動という流れだった。
スマートキーを利用すると、1回押し→ロック解除(指紋または顔認証)で素早く起動する。コンビニでレジ待ち時にサッとQR決済アプリが起動でき便利だった。
TCL 10 5GはFeliCa非搭載なので決済系はQRコード決済アプリを利用することも多くなる。とても簡単に指定アプリを起動できるので活用いただきたい。設定へは「設定」→「高度な機能」→「スマートキー」から。
ハードウェア診断が利用できる
TCL 10 5Gは端末の状態を確認できる「ハードウェア診断」機能を搭載。何か端末に問題が発生したときにハードウェアの故障が原因であるか診断してくれる。
大手キャリアでの端末購入はサポートも期待できるが、端末単体で購入できるSIMフリーモデルでは手軽にサポートが受けられないので、自身で簡単に切り分けができるハードウェア診断機能はありがたいと感じた。
ソフトウェアが不安定。解消法は再起動がおすすめ
TCL 10 5Gをしばらく利用していたが、どうもソフトウェア(システム)が不安定である。それほど多くの問題が発生している訳ではないが、筆者の端末で起こったことを書き出しておく。
- 外部映像出力の検証でHDMI→USB-Cケーブルを接続したときに延々と再起動を繰り返した→ケーブルを外して再起動で解消するが、同様のテストで数回再現性があった。現在は発生していない
- 写真撮影時にウォーターマークが縦持ち状態で撮影した際のポジションで固定され、横持ち撮影時に切り替わらなくなった→再起動で解消
このように、検証期間中でもソフトウェアの動作が不安定に感じることがあったので、もし、問題があるようなら再起動で解消されるか試していただきたい。
ディスプレイ:映像が非常に美しい
TCL 10 5GをリリースするTCLは、日本ではそれほど知名度の高くないメーカーだが、海外ではテレビメーカーとして非常に高い人気を誇っており、年間売上ランキングでもトップを独走するメーカーだ。
TCL 10 5Gはスマートフォンだが、搭載されるディスプレイにはTCLディスプレイのノウハウが詰め込まれており、液晶の中ではトップクラスの美しさである。
▼有機ELに引けを取らない発色はさすがの一言。↓
設定にはディスプレイとは別に画質調整専用の「NXTVISION」を搭載。この中で試していただきたい設定が「表示の拡張」である。デフォルトでオンになっているのでオフにして本来の色合いからの変化を見て頂きたい。
「表示の拡張」をオンにすると、画質が全自動で調整され精細でより発色のよい美しい映像にガラッと切り替わる。この機能は動画やゲームだけでなく撮影した写真の閲覧時にも適される。
ただし、夜景写真の閲覧時だけは「表示の拡張」の効果が強すぎてノイズが目立つようになる。この点に関しては写真の項目で後述している。
その他、Netflixなど著作権コンテンツの視聴はWidevineがL1に対応しているのでディスプレイ解像度に近いFHDで楽しめる。
DRMコンテンツ | Widevine:L1 FHDまで対応/HDR 10-HEVC |
高リフレッシュレート | ☓ |
表示モード | ダークモード |
画質調整 | 「NXTVISION」から柔軟に設定可能 |
備考 | – |
通信・SIM周り:ドコモ、ソフトバンク回線以外は不安定
TCL 10 5Gの通信検証では、ドコモ、ソフトバンク(ワイモバイル)回線で通話・データ通信できることを確認した。
TCL 10 5Gはこれら以外にauや楽天モバイル回線も規格上は掴める仕様だが、筆者の環境ではauと楽天モバイルはデータ通信のみ可能で通話は出来なかった。
前述通り、規格上は電波を掴める仕様で筆者のSIMカードと相性が悪く繋がらなかった可能性もあるので、auや楽天モバイル回線を利用して問題なく使えている方はご一報頂けるとありがたい。
その他、SIMスロットはデュアルSIMではなくシングルSIM仕様。2枚のSIMカードを用いて同時待ち受け機能を活用されている方は注意ポイントである。
その他、5Gについてだが、ドコモ回線で利用するn79は非対応。電波仕様は魅力的に見えるが安定性が欠けることやドコモ5Gバンドに一部非対応であることは購入前に留意頂きたい。
ドコモ回線 | データ通信:○ 通話:○ (LINEモバイルで検証) |
ソフバン回線 | データ通信:○ 通話:○ (LINEモバイルで検証) |
ワイモバ回線 | データ通信:○ 通話:○ (ワイモバイルで検証) |
au回線 | データ通信:○ 通話:☓ (mineoで検証) |
楽天モバイル回線 | データ通信:○ 通話:☓ Rakuten Link:☓ (楽天モバイルで検証) |
2回線同時待ち受け | ☓ |
備考 | – |
TCL 10 5Gのカメラをレビュー
構成 | 64MP(メイン)、8MP(超広角)、5MP(マクロ)、2MP(深度) |
AI | 対応 |
撮影モード | 自動(写真)、動画、ポートレイト、スーパーナイト、プロ(マニュアル)、スローモーション、ストップモーション、ライトトレース、パノラマ、スーパーマクロ、高解像度(64M) |
ズーム | デジタル。2倍にワンタップ切り替え可で以降はスライダーで最大10倍まで対応 |
シャッター音の消音 | 不可 |
マニュアルの設定幅 | ISO:100〜3100、WB:2000〜8600、SS:1/8〜1/8000、露出:-4〜+5 |
写真解像度 | 16M(デフォルト)または48MP |
ビデオ解像度 | 4K/30FPS、1080P/30-60FPS、720P/30-60FPS、480P/30FPS |
手ブレ補正 | 全ての解像度で利用可能(電子式) |
画質:華やかで綺麗な写真に仕上がることが多い
TCL 10 5Gのカメラ画質は昼夜問わず美しい写真を撮影できた。失敗率も低く記念撮影でも利用可能なほどクオリティが高い。
▼AIも搭載。認識率は低めだが美しく仕上げてくれるので基本AIはオンで良さそうだ。左がAIオフ、右がAIオン↓
▼光量ある場所ではラフに撮影しても美しい写真に仕上がることが多い。↓
夜間撮影では当初「ノイズが多い」と感じていたが、これはディスプレイ項目で紹介した「NXTVISION」の画質調整によるものであることが分かった。
▼TCL 10 5Gのディスプレイを通して閲覧した夜景撮影ではノイズが目立つが、これはNXTVISIONの画質調整で明るさが上げられた結果のもの。↓
▼ビューアではNXTVISIONをオフにするとノイズが目立たなくなった。↓
もし、夜景撮影で「華やかだけどノイズが多いな」と感じたらNXTVISIONをオフにしての確認をオススメする。また、LINEなどで写真を送った場合、相手が閲覧するのはNXTVISIONをオフにした写真イメージが近い。
画質を評価するなら以下となる。日中問わずスマホで撮影してスマホで閲覧するような使い方であれば大きな不満を感じることは無い。
- 明るい場所での撮影:◎
- 室内での撮影:○
- 暗所での撮影:○
- 動画の画質と手ブレ補正:○
昼間に撮影した屋外写真:美しく撮影できることが多い
カメラ撮影で好条件となる明るい昼間の屋外撮影では画質に不満は無い。細部もシャッキリと描画できており発色も悪くない。記念撮影でも十分活用できるレベルである。
▼左がTCL 10 5G、右がiPhone 12 Pro Max。↓
超広角カメラ:やや白っぽいが許容範囲
通常カメラと立ち位置同じでも広い範囲を撮影できる超広角カメラでの撮影では、画質がやや白っぽくなる傾向だったが、発色や歪み補正も悪くないので筆者は許容範囲で実用的な仕上がりと感じた。
▼やや画角は狭いが筆者は十分実用的であると感じた。左がTCL 10 5G、右がiPhone 12 Pro Max。↓
ポートレート:人物向きで物撮りは難しい
TCL 10 5Gは背景をボカして被写体を際立たせるポートレート(端末ではポートレイトというモード名)を搭載。撮影時にF1〜F16の範囲でボケ味強度を変更できるが、撮影後にボケ味やピント位置の再調整は出来なかった。
ポートレートモードは比較的大きな被写体に対する撮影を想定しているようで、被写体から一定距離を離して撮影する必要がある。人物では美しく撮影できたが、20cmほどのフィギュアによる物撮りポートレートは難しかった。
▼背景がボケているが、F1でもF16でも同じような写真が出てきたので、これはレンズ効果によるものである。↓
▼人物だと綺麗に背景をボカした写真撮影を楽しめる。↓
マクロ:クオリティー高くピント調整しやすい
TCL 10 5Gは被写体にグッと近づけるマクロ(接写)カメラを搭載。被写体に3cmほどまで近づくことができ、ピントも固定ではないので被写体までの距離を調整しながら撮影できるので扱いやすい。
▼マクロカメラでは通常カメラではピンぼけするような距離で撮影できる。迫力ある接写を楽しめるので是非体験していただきたい。↓
ナイトモード・夜景撮影:美しい写真を撮影できる
TCL 10 5Gは夜景撮影に特化した「スーパーナイト」モードを搭載。この機能はメインカメラのみ利用可能で超広角カメラでは利用できない。
撮影時は数秒の撮影時間を要するが、手ブレ補正がよく効くので手持ちでの撮影でもブレにくい点が良かった。
▼手持ちでも非常に華やかで精細な夜景を撮影できた。スマホカメラとしては十分以上のクオリティで記念撮影用途でも不満は無い。↓
いつもの定点ポイントで撮影した写真も見てみよう。
▼光量の多い夜景シーンでは明暗差ある箇所も上手く調整されており品質が良い。左がTCL 10 5G、右がiPhone 12 Pro Max。↓
▼さらに暗い場所でも撮影。見た目の色合いよりも非常に華やかだ。好みにもよるが筆者はTCL 10 5Gの華やかな仕上がりが好みだ。皆さんはいかがだろうか。左がTCL 10 5G、右がiPhone 12 Pro Max。↓
自撮り:やや暗め
▼自撮り撮影での画角は固定で2〜3人程度なら撮影できそうだ。画質は明るさが物足りないので、薄暗い場所では光量調整を行ったほうが良い。↓
動画撮影時の手ブレ補正:優秀な部類
TCL 10 5Gは電子式手ブレ補正を全ての解像度で利用可能だった。さすがにセンサーシフト式の手ブレ補正を備えるiPhone 12 Pro Maxには敵わないが、約4万円のスマートフォンとしては優秀な部類である。
TCL 10 5Gの実機レビューまとめ
TCL 10 5Gは4万円を切る価格ながら5Gに対応するモデルでコスパの高さに魅了され購入したが、auや楽天モバイルで通話出来なかったことが気がかりだった。
もちろん、使用上はauや楽天モバイルで重要なバンドに合致しており、筆者の持っているSIMの相性が悪くて利用できなかったというパターンもありえる。
上記のことからauや楽天モバイルが使えないと確定的に言えないが、筆者の環境ではこのような状態であったことは確かなので、TCL 10 5Gを検討されている方は他の方のレビューもチェックして通信関連で自身の回線が利用できる確証を得てから手を出して欲しい。
現時点で検証を終えてオススメできそうな方は以下の通り
- ドコモ、ソフトバンク、ワイモバイル回線を利用している
- 大画面で動画やゲームを楽しみたい
- 5Gの利用も検討している
上記に該当する方なら満足度は高くなるはず。是非、レビューも参考に検討してみて下さい。
■SIMフリー(端末単体)■
過去最安値→39,800円
TCL 10 5Gの口コミ・評判
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端末名:TCL 10 5G
#ガルマックスユーザレビュー
TCL 10 5GにおすすめのSIMカード
TCL 10 5Gを格安SIMで使いたいならおすすめのMVNOはこちら。全てではありませんがドコモ系、ソフバン系、au系、楽天モバイルの回線でそれぞれ検証しています。
▼ドコモ回線の格安SIMなら↓
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