Snapdragon 4 Gen 2のCPU/GPUのスペックとゲーム性能、実機動作まとめ

2023年6月に発表されたエントリー帯のSoC「Snapdragon 4 Gen 2」を搭載するスマートフォンが出始めたので、実機で処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。

なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。

本記事では、エントリー帯として標準的なFHD+解像度、メモリ4GBのモデルで検証しています。

Snapdragon 4 Gen 2のCPUとGPUのスペック

SoC Snapdragon 4 Gen 2
CPU Kryo
CPU周波数 ARM Cortex-A78 2.21GHz ×2
ARM Cortex-A55 1.96GHz × 1
GPU Adreno 613
GPU周波数 不明

Snapdragon 4 Gen 2の処理性能

Snapdragonは大きく4つの性能帯に分かれています。Snapdragon 4 Gen 2は4番台なので性能帯としては一番下っ端のエントリー帯です。

  • Snapdragon 8番台(ハイエンド)
  • Snapdragon 7番台(ミドルハイ)
  • Snapdragon 6番台(ミドル)
  • Snapdragon 4番台(エントリー)

本記事で使用する製品は以下。

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▼端末の性能を数値化するAnTuTuのスコアを確認してみましょう。総合スコアは413,497点、GPUスコアは49,652点、UXは110,055点となっていました。↓

操作の快適性を表すUXスコアは、エントリー帯では10万点以下という範囲でしたが、Snapdragon 4 Gen 2は110,055点と10万点の大台を突破。UXだけで言えばワンランク性能の高いSnapdragon 695 5Gと同等スコアに向上しています。

Snapdragon 4 Gen 2はCPUスコアが45万点を突破すると聞いていましたが、ガルマックスでの検証では41万点台という結果に。それでもエントリー帯で40万点突破は中々のインパクトがあり、その性能はミドル機に迫る勢いとなっています。

一方でゲーム性能は、エントリー帯の中でも低い水準です。例えば同じ4番台のSnapdragon 480+は世代の古いSoCですが、GPU性能は8万点を超えます。また、ワンランク性能の高いSnapdragon 695 5Gでは約10万点なので大きくスコア差があります。

Snapdragon 4 Gen 2はCPU性能は高いけれど、ゲーム性能を左右するGPU性能はエントリー帯の中でも低いという立ち位置のSoCです。

▼以下は2023年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓
AnTuTuスコア動作・操作感
総合スコア:約150万点以上
GPUスコア:約60万点以上
ヌルヌル、動作に不満なし
総合スコア:約100万点〜150万点
GPUスコア:約35万点〜60万点
重いゲームもなんとか
総合スコア:約50万点〜100万点
GPUスコア:約15万点〜35万点
軽いゲームくらいなら
総合スコア:約25万点〜50万点
GPUスコア:約5万点〜15万点
必要最低限
総合スコア:約25万点以下
GPUスコア:約5万点以下
サブ端末向き
▼ガルマックスでは色々なスマホのAnTuTuベンチマークがデータベース化されています。ユーザさんからもスクリーンショットを募集しているのでよろしければどうぞ。↓
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ

Snapdragon 4 Gen 2のゲーム以外の動き

▼Snapdragon 4 Gen 2を搭載するスマートフォンでWEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)、SNS(Twitter)を使ってみました。↓

WEB閲覧ではタップした瞬間に表示されサクサクとした使用感でした。WEB閲覧とは少し異なりますが、スマートニュースやAmazonなどアプリで操作するコンテンツも同様にサクサクとした使い心地です。

Twitterは起動後の画像読み込みが遅い場合もありましたが、これは回線の問題が大きかもしれません。一旦読み込みが始まってしまえばリロードしても即座に画像などは表示されます。スクロール時の引っ掛かりもなくスルスルと動きました。

動画視聴では画面の切り替えもスムーズでコマ落ちもなく快適に視聴できています。

体感としてはSnapdragon 695 5Gに近い操作感で、ライトな使い方であればストレス無く利用できる性能です。

Snapdragon 4 Gen 2のゲーム性能

ライトな使い方は先程検証しましたが、次はヘビーな使い方を試してみます。ヘビーな使い方の代表といえばゲーム。ここでは「重量級3Dゲーム」「軽めの3Dゲーム」の2つで試してみます。

  • 原神:重量級3Dゲーム
  • PUBGモバイル:軽めの3Dゲーム

▼まず重量級となる原神から。グラフィックのデフォルト設定は「」となっています。↓

デフォルトではフレームレートの上限30FPSの制限があるので、設定にてフレームレートのみ60に変更した後、マップの3箇所をワープで移動して4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定します。

▼下限フレームレートは12FPSとなりました。↓

ガルマックスでは下限30FPSで「楽しめるレベルで動作する」としていますが、Snapdragon 4 Gen 2では頻繁に30FPS以下になります。実際のプレイでも動作の鈍さを常に感じ、お世辞にも快適とは言えません。原神レベルの重量級ゲームを遊んでいる方には合わないSoCです。

続いてはPUBGモバイル。2017年にリリースされたゲームで当時は重量級でしたが、SoCの高性能化も進んだので現在は軽めの3Dゲームとして検証に使っています。PUBGモバイルでは画質設定を下げた時に選べるフレーム設定の設定幅で上限フレームレートが決まってきます。

▼PUBGモバイルはフレーム設定「ウルトラ」まで開放されていました。上限40FPSでプレイ可能です。↓

PUBGモバイルの検証は、スモークを4つ撒いて高負荷状態を作り、スモークが切れるまで突入を繰り返して下限フレームレートをチェックします。

▼PUBGモバイルの下限フレームレートは18FPSでした。↓

マップを移動している時は上限の40FPSにほぼ張り付いていますが、負荷の高い状態では40FPSを長時間維持できません。

多くのシーンで30FPSは超えますが、ここぞというシーンでフレームレートがガクッと落ちる恐れがあります。またFPSはフレームレートが高いほど視認性も高くなり有利になることから、ガルマックスではシューティングゲームを本格的にプレイするなら60FPS以上で遊べる端末を推奨していますが、Snapdragon 4 Gen 2は性能的に不向きなSoCです。

Snapdragon 4 Gen 2は先述通りCPU性能は高くゲーム性能が低いSoCです。検証結果からもゲーム用途で選ぶSoCではありません。

Snapdragon 4 Gen 2の動作目安まとめ

Snapdragon 4 Gen 2は操作の快適性がグッと向上したSoCです。

WEBページの閲覧、動画視聴、SNS・・・などなど、ゲーム以外であれば快適な動作を望める性能を持ち合わせています。

一方で、ゲーム性能は従来のSnapdragon 4シリーズよりも劣る場合があり、新世代SoCと言えどゲーム性能は低いです。このことから、普段からゲームを沢山プレイしている方は注意が必要です。

Snapdragon 4 Gen 2はこのような動作だったので、WEBページの閲覧や動画視聴、SNSなどの使い方が中心、ゲームはしない又はゲームは動くもので十分という人に向いているSoCでした。

Snapdragon 4 Gen 2 搭載スマホの一覧

Snapdragon 4 Gen 2を搭載するスマホは以下です。

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