2025年4月に登場したSoC「Snapdragon 8s Gen 4」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。
なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。
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Snapdragon 8s Gen 4のCPUとGPUのスペック
SoC | Snapdragon 8s Gen 4 |
CPU | Arm Cortex X4:3.2GHz ×1 Arm Cortex A720:3.0GHz ×3 Arm Cortex A720:2.8GHz ×2 Arm Cortex A720:20GHz ×2 |
GPU | Adreno 825 |
Snapdragon 8s Gen 4の処理性能
▼ガルマックスではSoCを6つの性能帯に分けています。Snapdragon 8s Gen 4は記事執筆時点で最上位クラスのハイエンド水準に当たるSoCです。↓
今回、処理性能の検証に使用した機種はPOCO F7/メモリ12GBです
Snapdragon 8s Gen 4の実機AnTuTuスコア
端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみましょう。
▼Snapdragon 8s Gen 4の実機AnTuTuのスコアは総合スコアが2,077,165点、GPUスコアは876,015点、UXは32,578点となっていました。↓
Snapdragon 8s Gen 4はオールビックコア設計により、Snapdragon 8s Gen 3比でCPUパフォーマンスが31%も向上。ゲーム性能はSnapdragon 8 Eliteと同じアーキテクチャとなり49%もの性能アップを果たしています。
記事公開時点のフラッグシップSoCであるSnapdragon 8 Eliteには敵いませんが、ガルマックスの水準では執筆時点だとAnTuTuスコア200万点以上でハイエンド水準に属するパフォーマンスを有しています。
▼以下は2025年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約200万点以上 GPUスコア:約70万点以上 | (ハイエンド)ヌルヌル。動作に不満なし |
総合スコア:約150万点〜200万点 GPUスコア:約50万点〜70万点 | (準ハイエンド)サクサク、重いゲームもOK |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約30万点〜50万点 | (ミドルハイ)重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約10万点〜30万点 | (ミドルレンジ)軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜10万点 | (エントリー)必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | (ローエンド)サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
Snapdragon 8s Gen 4のゲーム以外の動き
Snapdragon 8s Gen 4を搭載するスマートフォンでゲーム以外の動きをチェックしてみます。
▼ホーム画面操作、WEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)の動作はこんな感じでした。動作は許容範囲でしょうか。↓
ハイエンド水準のパフォーマンスを持つSoCなので上記のような一般的な使い方では全く不満のないヌルヌル・サクサクとした動作です。また、基本性能が非常に高いのでSnapdragon 8s Gen 4を搭載する機器は長期的な利用でも軽快な動作が見込めます。
Snapdragon 8s Gen 4のゲーム性能
ライトな使い方は先程検証しましたが、次はゲームを試してみます。検証では重量級ゲームの代表格である原神を使います。
▼グラフィックのデフォルト設定は「高」となっていました。↓
検証では画質を「最高」、フレームレートを60に設定してマップの3箇所をワープ後に4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定します。
なお検証結果により他ゲームでの大体の動作目安も分かります。
- 下限30FPS未満は画質やフレームレートを妥協する必要があったり、それらを妥協しても遊べないゲームが出てくる。(画質中の場合)
- 下限30FPS以上が出ていれば大多数のゲームは遊べるレベルで動作する。画質を妥協することで大多数のゲームは快適に動作する。(画質中の場合)
- 下限FPSが60FPSに近づくほど画質と高フレームレートを維持しやすくなる。また下限50FPSを超えるとと大多数のゲームは快適レベルで動作する。(画質中の場合)
- ハイエンド水準のみ検証項目:画質最高設定で50FPSを超えればゲームのプレイで心配する必要はまずなし。(Snapdragon 8s Gen 4はこれに該当します。)
▼原神での高負荷時下限フレームレートは52FPSとなりました。↓
原神クラスの重量級ゲームも画質を最高設定にして50FPSを超える快適なプレイが可能なゲームパワーを持っていました。
画質最高設定で60FPSを狙うベンチマーク的な遊び方をするならフラッグシップのSnapdragon 8 Elite搭載機がオススメですが、「ゲームを快適に遊びたい」という人はSnapdragon 8s Gen 4のゲームパフォーマンスで十分かと思います。
Snapdragon 8s Gen 4の動作目安まとめ
Snapdragon 8s Gen 4はハイエンド水準のパフォーマンスを持つ非常に性能の高いSoCです。
高いパフォーマンスを持つSoCを搭載したスマホは高価になりがちで、Snapdragon 8 Eliteを搭載するモデルは10万円以上がザラですが、Snapdragon 8s Gen 4は日本だとPOCO F7というモデルが搭載しており最小構成では5万円を切ります。
「価格対性能」を求めるなら2025年7月時点では最強クラスのコスパを誇るSoCなので、安くて高性能なモデルが欲しい場合はSnapdragon 8s Gen 4搭載端末をぜひ検討してみて下さい。
Snapdragon 8s Gen 4搭載製品の一覧
Snapdragon 8s Gen 4を搭載する製品は以下です。