Unisoc T606のCPU/GPUのスペックとゲーム性能、実機動作まとめ

2021年10月に発表されたミドルのSoC「Unisoc T606」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。

なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。

Unisoc T606のCPUとGPUのスペック

SoC Unisoc T606
CPU Cortex-A75 × 2
Cortex‐A55 × 6
CPU周波数 1.6GHz
GPU ARM Mali-G57 MP1
GPU周波数 650MHz

Unisoc T606の処理性能

▼Snapdragonは大きく4つの性能帯に分かれています。Unisoc T606標準的なミドルのSoCです。

本記事で使用する製品は以下。

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▼端末の性能を数値化するAnTuTuのスコアを確認してみましょう。総合スコアは237,070点、GPUスコアは23,192点、UXは60,767点となっていました。↓

操作の快適性を表すUXスコアは快適とされる10万点を下回っているので、一般用途でも動作の鈍さを感じる場合があります。ゲーム性能もミドルのなかでは非常に低いです。

Unisoc T606はゲーム以外の一般用途で必要最低限の性能を持つSoCです。

▼以下は2023年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓
AnTuTuスコア動作・操作感
総合スコア:約150万点以上
GPUスコア:約60万点以上
ヌルヌル、動作に不満なし
総合スコア:約100万点〜150万点
GPUスコア:約35万点〜60万点
重いゲームもなんとか
総合スコア:約50万点〜100万点
GPUスコア:約15万点〜35万点
軽いゲームくらいなら
総合スコア:約25万点〜50万点
GPUスコア:約5万点〜15万点
必要最低限
総合スコア:約25万点以下
GPUスコア:約5万点以下
サブ端末向き
▼ガルマックスでは色々なスマホのAnTuTuベンチマークがデータベース化されています。ユーザさんからもスクリーンショットを募集しているのでよろしければどうぞ。↓
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ

Unisoc T606のゲーム以外の動き

Unisoc T606を搭載するタブレットでゲーム以外の動きをチェックして許容範囲か確認してみて下さい。

▼Unisoc T606を搭載するスマートフォンでWEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)、SNS(Twitter)を使ってみました。↓

WEBサイト閲覧では表示されるまでワンテンポ遅れる場合がありました。SNSは一旦画像が読み込まれても表示に僅かな時間がかかります。動画視聴では特に問題なく再生可能でした。

Unisoc T606ではWEBサイト閲覧、SNS、動画視聴など一般用途であれば比較的スムーズに動作しますが、表示がワンテンポ遅れる場合があるのでサクサクといった動きは感じづらいです。

Unisoc T606のゲーム性能

ライトな使い方は先程検証しましたが、次はヘビーな使い方を試してみます。ヘビーな使い方の代表といえばゲーム。ここでは「重量級3Dゲーム」「軽めの3Dゲーム」の2つで試してみます。

  • 原神:重量級3Dゲーム
  • PUBGモバイル:軽めの3Dゲーム

▼まず重量級となる原神から。グラフィックのデフォルト設定は「最低」となっています。↓

デフォルトではフレームレートの上限30FPSの制限があるので、設定にてフレームレートのみ60に変更した後、マップの3箇所をワープで移動して4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定します。

▼下限フレームレートは18FPSとなりました。↓

ガルマックスでは高負荷時に下限30FPSを維持できる場合に「ゲームは楽しめるレベルで動作する」としていますが、Unisoc T606では快適なプレイは望めません。画質を下げることでフレームレートは向上しますが、デフォルト設定で最低画質となっているため、フレームレートの向上も図れません。

続いてはPUBGモバイル。2017年にリリースされたゲームで当時は重量級でしたが、SoCの高性能化も進んだので現在は軽めの3Dゲームとして検証に使っています。PUBGモバイルでは画質設定を下げた時に選べるフレーム設定の設定幅で上限フレームレートが決まってきます。

▼PUBGモバイルはフレーム設定「ウルトラ」まで開放されていました。上限40FPSでプレイ可能です。↓

PUBGモバイルの検証は、スモークを4つ撒いて高負荷状態を作り、スモークが切れるまで突入を繰り返して下限フレームレートをチェックします。

▼PUBGモバイルの下限フレームレートは16FPSでした。↓

軽めの3Dゲームとして検証しているPUBGモバイルでも、Unisoc T606ではパワー不足です。こちらもフレームレートを最大に開放するために画質設定を最低のスムーズにしているので、これ以上のフレームレート向上は図れません。

Unisoc T606はミドルSoCの中でもGPU性能が極端に低いです。この性能で動くゲームも多数ありますが、タイトルによっては画質を大きく妥協する必要や、画質を下げても快適に動作しないタイトルもあるので、ゲーム用途で選ぶべきSoCではありません。

Unisoc T606の動作目安まとめ

Unisoc T606はミドルのSoCですが、本記事を公開した2023年時点ではエントリーレベルの性能です。また、GPU性能も極端に低いのでゲーム用途には向きません。

ゲーム以外の一般用途では多少の鈍さはありますが、極端に遅いわけではないので、用途を絞ったサブ用途向きの性能です。

Unisoc T606搭載製品の一覧

Unisoc T606を搭載する製品は以下です。

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