Unisoc T7300のCPU/GPUのスペックとゲーム性能、実機動作まとめ

2025年に登場したSoC「Unisoc T7300」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。

なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。

Unisoc T7300のCPUとGPUのスペック

SoC Unisoc T7300
CPU Arm Cortex-A78:2.2GHz ×2
Arm Cortex-A55:2.0GHz ×6
GPU Arm Mali G57 MC2 @950MHz

Unisoc T7300の処理性能

▼ガルマックスではSoCを6つの性能帯に分けています。Unisoc T7300は記事執筆時点で必要最低限のエントリー帯にあたるSoCです。

今回、処理性能の検証に使用した機種はALLDOCUBE iPlay 70E/メモリ8GBです。

ALLDOCUBE iPlay 70Eの本音レビュー!SIM対応で2.3万、車載タブレットとして最高コスパ

Unisoc T7300の実機AnTuTuスコア

端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみましょう。

▼Unisoc T7300の実機AnTuTuのスコア(V11)は総合スコアが637,199点、GPUスコアは43,256点、UXは215,565点となっていました。↓

▼V11はV10とスコアが異なるのでV10も置いておきます。総合スコアは446,757点、GPUスコアが64,734点です。↓

AnTuTu V11ではスコアが高くなる傾向なのでパフォーマンスが高そうに見えますが、実はそこまで性能は高くありません。Helio G99あたりと似た性能となっています。

UXスコア的には必要最低限の動作は問題なさそうですが、このSoCはエントリー帯で搭載されるので、メモリが4GBと少ない場合も想定されます。その場合は同じSoCでも動作の鈍さ、プチフリーズなどが頻発する恐れがあります。

▼以下は2025年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓
AnTuTuスコア動作・操作感
総合スコア:約200万点以上
GPUスコア:約70万点以上
(ハイエンド)ヌルヌル。動作に不満なし
総合スコア:約150万点〜200万点
GPUスコア:約50万点〜70万点
(準ハイエンド)サクサク、重いゲームもOK
総合スコア:約100万点〜150万点
GPUスコア:約30万点〜50万点
(ミドルハイ)重いゲームもなんとか
総合スコア:約50万点〜100万点
GPUスコア:約10万点〜30万点
(ミドルレンジ)軽いゲームくらいなら
総合スコア:約25万点〜50万点
GPUスコア:約5万点〜10万点
(エントリー)必要最低限
総合スコア:約25万点以下
GPUスコア:約5万点以下
(ローエンド)サブ端末向き
▼ガルマックスでは色々なスマホのAnTuTuベンチマークがデータベース化されています。ユーザさんからもスクリーンショットを募集しているのでよろしければどうぞ。↓
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ

Unisoc T7300のゲーム以外の動き

Unisoc T7300を搭載するタブレットでゲーム以外の動きをチェックしてみます。

▼ホーム画面操作、WEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)の動作はこんな感じでした。動作は許容範囲でしょうか。↓

検証機はメモリが8GB搭載されていることもあり、上のような使い方では軽快に動いています。アプリを立ち上げてホーム画面に戻り別のアプリを立ち上げて操作するような切り替えもそこそこスムーズです。

WEBサイト閲覧、動画視聴、SNS、メールなどライトユースでは必要十分な性能を持っています。

Unisoc T7300のゲーム性能

ライトな使い方は先程検証しましたが、次はゲームを試してみます。検証では重量級ゲームの代表格である原神を使います。

▼グラフィックのデフォルト設定は「最低」となっていました。↓

検証では画質を「中」、フレームレートを60に設定して元素爆発などを使った戦闘を行いながら15分プレイした際のフレームレートを測定します。

なお検証結果により他ゲームでの大体の動作目安も分かります。

  • 下限30FPS未満は画質やフレームレートを妥協する必要があったり、それらを妥協しても遊べないゲームが出てくる。(Unisoc T7300はこれに該当します)
  • 下限30FPS以上が出ていれば大多数のゲームは遊べるレベルで動作する。画質を妥協することで大多数のゲームは快適に動作する。
  • 下限FPSが60FPSに近づくほど画質と高フレームレートを維持しやすくなる。また下限50FPSを超えるとと大多数のゲームは快適レベルで動作する。

▼結果は最高40FPS、下限19FPS、平均30.2FPSとなりました。↓

下限FPSは19FPSと30FPSを大きく下回るので原神クラスは画質「中」でも快適なプレイは厳しいです。また、平均FPSは30.2FPSですがグラフを見ていただくと分かる通り多くのシーンで30FPSを下回るので、体感としては頻繁に動作の重さを感じました。

原神クラスのゲームをプレイするのであればUnisoc T7300はパワー不足なので、ワンランク性能の高いミドルレンジ、快適性を求めるのであればツーランク高いミドルハイモデル以上の製品が良いです。

一方で2Dゲームや軽量級3Dゲームではプレイできるタイトルも多いです。ゲームは暇つぶし程度なので動くゲームを探して遊ぶよというような方は特に問題ないかと思います。

ゲームの画質設定について
ゲーム性能の検証でよく見かける原神での画質最高+60FPS設定はSoCの底力を見るためのベンチ的な設定です。このような設定は発熱も高くなり電池持ちも悪くなります。「ゲームを快適に遊びたい」という本来の目的であれば、ゲームのグラフィック設定は妥協できるまで下げて負荷を軽くする方向性の煮詰め方をガルマックスはオススメしています。

Unisoc T7300の動作目安まとめ

Unisoc T7300は2025年時点でエントリー帯ですが、2024年頃まではミドル帯に属する性能なので、ライトユースであれば比較的快適に動いてくれます。

特にこのSoCはタブレットで多く採用されることが予測されますが、WEBサイト閲覧(ネットショッピング)、動画視聴、電子書籍などであれば十分使える水準です。

一方でゲーム性能は軽いゲームなら楽しめるゲームも多々ありますが絶対的な性能は高くないので、原神のような重量級ゲームを遊んでみたい人には向いていません。

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