Windows 11に実装予定の最新リカバリー機能「クラウドリビルド」をチェック
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今年に入ってMicrosoftはWindows 11に含まれている「回復環境」の機能強化を行っており、先日紹介した「クイックマシンリカバリー」と「ポイントインタイムリストア」については、既に一般ユーザーへの展開も開始されています。
そんな中、7月7日にWindows Insider ProgramのExperimentalチャンネル登録ユーザー向けに配信されたWindows 11 Version 26H2の先行開発版(OS Build 26300.8782)では、さらに最新のOSイメージとドライバーをWindows Update経由でダウンロードしたうえでOSのリカバリーを実施する「クラウドリビルド」も実装されたので紹介したいと思います。
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注意点等
現在「クラウドリビルド」機能が実装されているのは前述の通り、Windows Insider Programの「Experimental」チャンネルで配信されているWindows 11 Version 26H2ベースの開発ビルド「26300.8772」以降のみとなります。

「Experimental」チャンネルで配信されているビルドはこのほか、一部のQualcomm Snapdragon X2シリーズ搭載PCにプリインストールされる形でのみ提供されている「Version 26H1」ベースのものと、次期大型アップデート(Version 27H2)の先行開発版となる「Experimental (Future Platform)」も存在していますが、この記事を執筆している時点ではこれらのビルドにまだ「クラウドリビルド」は実装されていません。
また、おそらく既に正式版Windows 11 2024 Update (Version 24H2)/2025 Update (Version 25H2)でも利用可能となった「クイックマシンリカバリー」「ポイントインタイムリストア」も、当初は同じような扱いでした。そのため、Windows 11 Version 26H2の正式リリースと同じタイミングで一般ユーザーへの提供が開始される可能性はかなり高そうです。
ただし、「Experimental」チャンネルで配信されているビルドで実装された新機能については、必ずしも正式版に組み込まれる形でリリースされるというわけではなく、実装されないまま次の配信ビルドから機能が削除される可能性もあります。
最後に、「クラウドリビルド」はユーザーデータが完全消去されてしまうため、実際の挙動を確認したい場合は仮想環境にWindows 11 Insider Preview Experimentalチャンネル配信ビルドをクリーンインストールした上で試すか、あらかじめ必要なデータのバックアップを作成した状態で試すことをお勧めいたします。
既存の「PCのリセット」との違いについて
Windows 10以降のバージョンではOS標準のリカバリー機能として「PCのリセット」が用意されています。こちらもあらかじめインストールされたドライバーもそのまま保持された状態で“ほぼ”クリーンインストール直後の状態にリセットしてくれるほか、ユーザーデータを保持したままインストールしたアプリやOS設定のみリセットすることも可能となっているため、一見すると全く同じ機能のように思われるかもしれません。
既存の「PCのリセット」の場合、Windowsがインストールされているシステムフォルダ内にあるシステムファイルのキャッシュ(C:\Windows\System32\SXS)と、既にインストールされているデバイスドライバーを元にシステムのリカバリーを実施します。それに対し、今回Windows Insider ProgramのExperimentalチャンネルで配信されているWindows 11 Version 26H2の開発ビルドで新たに実装された「クラウドリビルド」の場合、既存の環境を再利用するのではなく、Microsoftの更新サーバーから最新のOSイメージと、リカバリーする環境に対応する最新のデバイスドライバーをすべてダウンロードした上で、真っ新な状態で1からOSのクリーンインストールを実行します。
「PCのリセット」ではシステムファイルが何らかの理由で破損してしまった場合、正常にリカバリーできない事象が発生するケースが多々見られました。ですが、「クラウドリビルド」であればOSのイメージと最適なデバイスドライバーにあらかじめ置き換えた上で1からクリーンインストールし直す形でリカバリーが実行されるので、特にPCを譲渡・売却する際に重宝すると思います。
なお、Microsoftが公開しているサポートページの表記だと、一見PCメーカーがカスタマイズしている独自のリカバリーイメージをクラウド経由でダウンロードしてくれるようにも受け取れる文面になっていますが、実際には「Microsoftが配布している素のWindows 11 OSイメージ + Windows Updateで配布されている最新の機種固有ドライバー」をダウンロードしてリカバリーを実行するため、メーカー独自のユーティリティやプリインストールアプリ、独自の壁紙などのカスタマイズ設定は残念ながら復元されません。
実際の手順について

前述の通り、この記事を執筆している8月4日時点ではまだExperimentalチャンネル(Version 26H2ベース)配信ビルドのみ「クラウドリビルド」が実装されており、同じ「Experimental」チャンネル配信ビルドでも26H1ベースのものやFuture Platform(Version 27H2先行開発ビルド)ではまだ同機能を利用することはできません。ただし、既にMicrosoft公式技術系サイト「Microsoft Learn」にて機能の概要や実際の操作手順を案内するページが公開されています。
手順としては有線、または無線LAN経由でインターネットに接続可能な状態で、回復環境から既存の「PCのリセット」を行うときと同じように「トラブルシューティング」メニューから「クラウドリビルド」を選択する流れとなります。

リカバリーに必要なWindows 11のOSイメージ、機種固有ドライバーをMicrosoftのサーバーからダウンロードした後、復元するOSのSKU(エディション)、ビルド、言語設定を確認する画面が表示されるので、問題ないようであれば「続行」ボタンを押下します。
自動的にOSがインストールされている内蔵ストレージ(HDD/SSD)の再フォーマット・必要なパーティションの作成と、Windows 11のインストール、ドライバーの組み込み作業が実行された後、購入時に実行されるOOBE(ようこそ)画面が表示されます。
まとめ
「クイックマシンリカバリー」「ポイントインタイムリストア」と同じく、現時点では「回復」アプリから作成できる回復ドライブでは利用できず、回復パーティションに格納されているWindows REイメージからのみ利用可能となっています。そのため、そもそもPCのストレージが完全に故障してしまった場合復元できない点は気になるものの、OS標準で機種固有ドライバーも含め「最新の」状態でリカバリーを実行できるので、特にPCを譲渡・売却する際にいろいろと活躍してくれそうな機能です。
あくまで「実験台」環境のExperimentalチャンネルに配信されているビルドに先行実装されている機能となるため、正式にリリースされることなくそのまま機能自体が削除されてしまう可能性もありますが、正式に実装されるのであれば早ければ次期大型アップデート、Windows 11 Version 26H2のリリースと同じタイミングで一般ユーザーへ展開されるかもしれません。