結構使える。ASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001DM2A)実機レビュー
ASUSが2024年2月14日に発表したASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001)。発売前に借りれたのでいじってたんだけど、あれ、去年12月にauから出ていなかったっけ?
話を聞くと、どうやら型番がちょっと違う別モデルらしい。
auから出たモデルはLTEに対応していたけれど本機ははLTE非対応。代わりにメモリは4GB→8GBに、ストレージは64GB→128GBに倍増しているのだ。価格は69,800円で嬉しいキーボード付き。
本機を触った所感まとめ!
- コンパクトで持ち運びしやすい
- スタイラスペン内蔵で紛失しずらそう
- めっちゃサクサク動く
- PC向けChromeはやっぱり便利
- Androidアプリが結構動く
- でも重量級Androidアプリは重い
- スマホみたいな使い方ができる
- 電池持ちがめっちゃ良い
▼本機の付属品はこんな感じ!↓
- 充電器(45W)
- クイックガイドなど
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スペック・ベンチマーク、検証結果の一覧
サブ機にもちょうど良いサイズ感
本機は10.5インチのディスプレイを備えるモデルで、サイズは259.5 × 169.2 × 8.95mm。重量はキーボード込みで988gと1kgを切っちゃっているのだ。ちなみに軍用でも通用するMIL-STD 810準拠のタフボディー。
▼カバンにもスポッと入るサイズなので外出時も持ち出しやすいし、自宅の色んな部屋に持っていってパパっと使えるのも良い。↓
▼キーボードを閉じて持つとこんな感じでズレてしまうのはちょっと気になった。もう少しカッチリしてほしい。↓
▼形状としてはSurfaceみたいな感じ。170°まで開くキックスタンドが備わっているので角度調整は柔軟にできる。ちなキックスタンドは本体ではなく背面カバーに備わっていて、勢いよくバッと開くと背面から外れるので丁寧に扱おう。↓
ノートパソコンとしては小ぶりなので複雑な作業をするにはちょい窮屈だけれど、持ち運びしやすいし、パパッと調べ物をしたりSNS確認したりメールするにはちょうど良いサイズだ。
キーボードもトラックパッドも良い感じ
このくらいのサイズなら取材時でも扱いやすそうだな、と思って本記事の執筆も含めてバババっと試しに1万文字くらい打ってみた。
キーピッチはザッと測ったところ18mmくらい。薄型だけれどキーストロークも十分でちゃんと打った感があって良い。サイズ的に慣れは必要だけど長文も全然いけちゃう。ファンクションキーは欲しいけれど。
▼キー配列はこんな感じ。配列はやや特殊だがちゃんと日本語配列なのが嬉しい。↓
トラックパッドも精度は十分。WindowsとMACでマウスカーソルの挙動がちょっと違うように、ChromeOSのクセみたいなのはあるけれど、少なくともカーソルがぶっ飛ぶことはなかった。これならマウス要らないかも。
あと、モノによっては2本指でのスクロールの方向を入れ替えもできる。偉い。
そうそう、キーボードをクルッと背面に回すと磁石でペタっと引っ付くんだけれど、この状態だとキーボードとトラックパッドの入力は無効化されていた。ちゃんとしてる。
スタイラスペンが取り出しやすい
▼スタイラスペンは本体に収納できるタイプ。頭をポチッと押すとピコッと出るタイプで取り出しやすい。↓
▼ペンは4,096段階の筆圧に対応。本体に収納すると勝手に充電してくれる。電池が切れても15秒の充電で45分も使える。神ジューデン。↓
筆者は絵心が全くないのでお絵描きはしないけれど、ペンを引っこ抜けば簡単にスクショ撮影からの書き込みができるので、これはめちゃ便利で活用している。資料に直接書いたほうが相手に伝わりやすくて生産性もあがるし。たぶん。
スマホっぽく使えるバッテリー持ち
Chromebookが搭載するプロセッサは、IntelやAMDなどのx86系またはSnapdragonやMediaTekなどのARM系のどちらかを搭載しているのだけど、パワー系はx86で省電力重視系はARM系だったりする。
で、本機は後者のARM系なだけあって電池持ちが相当良い。
10インチくらいのサイズだと搭載できるバッテリー容量も限られてくるが、それでもバッテリー駆動で公表値12時間を実現しているのが凄い。
試用期間中は輝度を上げたり、ベンチマークをぶん回したりと色々ガチャガチャやってたので公表値通りではなかったけれど、それでも10.5時間ほどはバッテリーで駆動していた。普通に凄い。
ちなみにスタンバイ時の省電力性能も高いので、使わないときにシャットダウンする必要もないのだ。スマホみたいに使えるのは楽ちんでとっても良い。
WEBブラウザーで完結する使い方なら満足度は高い
本機はChromeOSを搭載したモデル。
ChromeOSってなんぞやって人も多いと思うけれど、筆者は「オンラインツールとAndroidアプリでなんとかするOS」と思ってる。ここに書いていることは本機だからという訳ではなく、ChromeOSだからというのが強いけれど、切っても切り離せないところなのでちょっと書いておく。
ChromeOSはWindowsやMacOSのように専用のソフトウェアがあまり無い。でも、実際に使ってみるとWEBブラウザーからアクセスできる無数のオンラインツールを使えば”似たようなこと”は出来てしまうのだ。
例えば写真の切り抜きはPhotoshopじゃないと駄目、と言われればアレだけど、写真を切り抜きたいのであればオンラインツールのCLIPPING MAGICで代用できたりする。
また、ChromeOS向けのソフトウェアが無くてもWEB版が使える場合もあるし、なんならChromeOSはAndroidアプリが動くのでそっちで代用することもできる。
まあこんな感じで拘りが無ければ似たようなことは出来る。
でも凝ったことはやりずらいし、WEB版は機能が制限されている場合もあるので、この点が許容できるか否かで評価が変わってくると思う。
PC向けChromeが使える
Androidスマホやタブレットに標準搭載されているChromeは、いわばモバイル向け。なので、出来ることが結構限られているのだ。
例えばモバイル向けだと拡張機能が使えないし、Chromeを複数ウィンドウで開けない。また、オンラインツールもモバイル向けでは正常に動作しない場合も多々ある。一方でPC向けChromeだとこれらが何不自由無く使える。
こんな感じでChromebookはPC向けのChromeが利用できる点がAndroidスマホやタブレットとは大きく違うところだ。
まあChromeOSと同じ立ち位置のWindowsやMacOSもPC向けChrome使えるから別に特筆するほどでもないんだけれどね。
Androidアプリも結構動く
ChromeOSはAndroidアプリがそのまま動いてしまうのも良いところ。
▼インストールもAndroidユーザーなら馴染みあるPlayストアから。↓
本機で試したところ正常に動くアプリがかなり多い印象で、少なくとも筆者が愛用しているアプリの9割くらいは普通に動いてしまった。SmartNewsのようなアプリベースでしか使えないサービスを利用できるのも良い。
ここまでは良いのだけれどWEBブラウザーで使うオンラインツールとは違い、AndroidアプリはSoCパワーで処理をすることになる。
▼ここでAnTuTuスコアをもう一度ペタリ。↓
スマホに詳しい人なら分かると思うが、本機が搭載しているMediaTek Kompanio 520は2024年2月現在だとエントリーレベルの性能だ。
なので重量級のアプリはパワー的に向いていない。例えば原神のようなゲームも入れてプレイはできるけれど、画質は最低設定でフレームレートも30FPSを大きく割ってしまう。Androidタブレットとしての実力はエントリーレベルと考えておいたほうが吉。
ASUS Chromebook CM30 Detachable(CM3001)まとめ
ASUS Chromebook CM30 Detachable(CM3001)の仕上がり自体はめちゃくちゃ良かった。扱いやすいサイズ感と慣れればガッツリ打ち込めるキーボードに操作性の良いトラックパッド、電池持ちも良いしスタイラスペンも使いやすい。
あとはアレ。ChromeOSだ。
これはちょっと人それぞれパソコンの使い方が異なるので手放しにオススメは出来ないのだけれど、レビューで書いてきたメリットやデメリットを見て問題なさそうなら便利に使えるはず。
筆者の場合、仕事柄いろいろなソフトウェアを使っているのでメイン機としては厳しいけれど、仕事以外では気がついたらWEBサイトの閲覧や調べ物、メールチェックなどで本機をガンガン使っていた。
いや、それ用のN4100搭載のWindowsノートPCは持ってるけれど、こっちのほうがパッと立ち上がってサックサク動くので”圧倒的に快適”なのだ。決まった使い方をするならすごく優秀なデバイスかと思う。なので、筆者のような使い方を求めてサブ機を探している人にも向いているかも。
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