SoC「Tensor G4」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。
なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。
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Tensor G4のCPUとGPUのスペック
SoC | Tensor G4 |
CPU | Arm Cortex-X4:3.11GHz ×1 Arm Cortex-A720:2.6GHz ×3 Arm Cortex-A520:1.95GHz ×4 |
GPU | Arm Mali‐G715 |
Tensor G4の処理性能
▼ガルマックスではSoCを6つの性能帯に分けています。Tensor G4は記事執筆時点で中間上位のミドルハイに当たるSoCです。↓
今回、処理性能の検証に使用した機種はPixel 9a/メモリ8GBです。
Tensor G4の実機AnTuTuスコア
端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみましょう。
▼Tensor G4の実機AnTuTuのスコアは総合スコアが1,090,796点、GPUスコアは430,537点、UXは202,128点となっていました。↓
Pixel 9aはPixel 9シリーズで最も安価なモデルで上位モデルと同じTensor G4を搭載していることが注目されました。
ガルマックスでは最上位のPixel 9 Pro、中間グレードのPixel 9、そして最も安価な本記事のPixel 9aの実機AnTuTuスコアデータがあるので並べてみます。
‐ | 総合スコア | GPUスコア |
Pixel 9 Pro | 1,401,620 | 461,531 |
Pixel 9 | 1,295,863 | 448,511 |
Pixel 9a | 1,090,796 | 430,537 |
Pixel 9シリーズは全て同じTensor G4を搭載していますが、上の通りグレードにより総合的な処理性能に明確な差がありました。Pixel 9aのスコアを調べていたところ、概ね総合スコアは110万点前後のようです。
以前からTensor G4は搭載するグレードによりパッケージングの違い(上位になるほど放熱性が良いものになるなど)により同じコアでありながら性能差があると言われていました。スコアを見る限り、その様な違いがあっても不思議ではない結果です。
とは言えこの程度の性能であれば日常使いでまず困ることはありません。しかしながら同じTensor G4でも選ぶモデルにより性能差がある点は留意しておきましょう。
▼以下は2025年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約200万点以上 GPUスコア:約70万点以上 | (ハイエンド)ヌルヌル。動作に不満なし |
総合スコア:約150万点〜200万点 GPUスコア:約50万点〜70万点 | (準ハイエンド)サクサク、重いゲームもOK |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約30万点〜50万点 | (ミドルハイ)重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約10万点〜30万点 | (ミドルレンジ)軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜10万点 | (エントリー)必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | (ローエンド)サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
Tensor G4のゲーム以外の動き
Tensor G4(Pixel 9a)を搭載するスマートフォンでゲーム以外の動きをチェックしてみます。
▼ホーム画面操作、WEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)の動作はこんな感じでした。動作は許容範囲でしょうか。↓
基本的な動作は非常にスムーズです。日常使いで不満に感じることはまず無い水準の動作です。またPixel 9aは120Hzの高リフレッシュレートに対応していることもあり、表示も非常に滑らかです。
AnTuTuのスコアはそれほど高くありませんでしたが、普段使い用のスマホとしては十分以上のパフォーマンスを持っているので、長期的な利用でも快適な操作性を維持しつつ使い続けられる水準です。
Tensor G4のゲーム性能
ライトな使い方は先程検証しましたが、次はゲームを試してみます。検証では重量級ゲームの代表格である原神を使います。
▼グラフィックのデフォルト設定は「中」となっていました。↓
検証では画質を「中」、フレームレートを60に設定してマップの3箇所をワープ後に4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定します。
なお検証結果により他ゲームでの大体の動作目安も分かります。
- 下限30FPS未満は画質やフレームレートを妥協する必要があったり、それらを妥協しても遊べないゲームが出てくる。
- 下限30FPS以上が出ていれば大多数のゲームは遊べるレベルで動作する。画質を妥協することで大多数のゲームは快適に動作する。(Tensor G4(Pixel 9a)はこれに該当します)
- 下限FPSが60FPSに近づくほど画質と高フレームレートを維持しやすくなる。また下限50FPSを超えるとと大多数のゲームは快適レベルで動作する。
▼原神での高負荷時下限フレームレートは49FPSとなりました。↓
画質「中」では平均50FPSでプレイできました。原神クラスの重量級ゲームも画質「中」の設定であれば本来の目的である「ゲームを楽しむ」という水準はクリアできています。
なお、画質最高設定でもあまりスコアは変わらず高負荷時に下限44FPSでしたが、非常に高温になるので長時間のプレイには向いていないことから、画質は出来るだけ下げて負荷を軽くする設定がオススメです。
Tensor G4の動作目安まとめ
Tensor G4はPixel 9シリーズで同じSoCを搭載していますが、各モデルでスコア差は明確にありました。各モデル事に何かしら制御に違いがあるのかも知れません。
Pixel 9aのTensor G4でも総合スコアが100万点超え、GPUスコアも40万点を超えているので日常使いで大きな不満を感じることは無い水準です。ゲームもグラフィック設定を落とせば本来の目的であるゲームを楽しむという点はクリアできています。
気をつけたいのはTensor G4はGoogleのフラッグシップSoCですが、スコア的にはミドルハイエンド相当です。「フラッグシップSoCだから超高性能」と思って選ぶとゲーム性能の低さなどで落胆する恐れがあります。
Tensor G4(Pixel 9a)は2025年4月時点でライバルと比較した場合、ミドルハイ帯のスコア水準であることを留意しておきましょう。
Tensor G4搭載製品の一覧
Tensor G4を搭載する製品は以下です。