64bit版OSだからといって「System32」フォルダを削除してはいけない
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残念ながらSNS上では国内外問わず悪意のある情報を投稿しているユーザーが存在しており、X(旧Twitter)の場合昨年のアップデートで海外ユーザーのポストを翻訳して表示してくれる機能が搭載されたこともあり、さらに悪意ある投稿が目に付くようになってきました。
その中でも先日「Windowsがインストールされているシステムフォルダ内のSystem32フォルダは64bit版OSでは全く使っていないので削除しても大丈夫!」という投稿を見かけましたが、Windowsに限らずシステムフォルダの内容はすべてOSが必要としているファイルが格納されているため、絶対に削除してはいけません!
Windowsフォルダの中身について

Windowsは1985年に登場した初代Windows 1.0から現行バージョンとなるWindows 11に至るまで、特にユーザーがインストール先を明示的に変更しない限り「Windows」フォルダにOSを動作させるために必要なシステムファイル一式が格納されています(現在のWindows 11の大本になっているWindows NT系OSのみデフォルトのインストール先が「WinNT」フォルダだった時期もありましたが・・・)
このフォルダにはコマンドプロンプトで使用する外部コマンドや、OSのシェルも兼用しているエクスプローラー(Explorer.exe)、レジストリ設定を行う際に利用するレジストリエディタ(REGEDIT.EXE)などが格納されており、一部ファイル・フォルダに関してはユーザーが誤って削除されないよう、管理者権限が付与されたユーザーでも削除できないシステム権限が設定されています。

前述の「System32」フォルダもこのWindowsフォルダの中に格納されていて、一見すると32bit版Windowsでしか使われていなかったファイルしか存在していないように見えますが、実際には64bit対応の実行ファイル・システムファイルやATOKなどサードパーティ製アプリが利用しているシステムファイルだけでなく、システム全体のレジストリ設定ファイルそのものも格納されているため、実は64bit OSでも必須フォルダとして現在でもしっかり現役で活用されています。
そのため、このフォルダを丸ごと削除してしまうと当然OSが正常起動しなくなってしまいます。16bit時代のWindows 1.0~3.1で使用していた「SYSTEM」フォルダに関しても同様となります。
Windowsの歴史そのものがかなり長いこともあり、互換性の問題など様々な事情で旧来のフォルダ名がそのまま使われているだけなので、前述のXのポストをそのまま実行してしまうと最悪OSの再インストールが必要となります。
そもそもシステムフォルダはユーザーが触れるべきものではないので、「System32」フォルダに限らず基本的にはWindowsフォルダの中身は一切触れるべきではありません。
Program Files、Program Files (x86)なども要注意

また、ほとんどのデスクトップアプリ(Win32アプリ)のインストール先として指定されている「Program Files」「Program Files (x86)」フォルダについてもインストール不要なアプリの場合は特にそのまま削除してしまっても問題ありませんが、アンインストール情報が登録されているアプリの場合直接削除してしまうとレジストリや他のシステムフォルダに登録されているシステムファイル等が中途半端に残ってしまい、トラブルが発生してしまうため、「基本的には」触れない方が安全です。

2025年6月以降に配信されたセキュリティアップデートを適用すると自動的に作成される「inetpub」フォルダについても絶対に削除してはいけません。本来であればWindowsに実はひっそりと標準機能として備わっているWEBサーバー機能「Internet Information Service(IIS)」を有効化した際に作成されるフォルダですが、2025年6月に配信されたセキュリティ更新プログラムからセキュリティ保護強化のため、IISを有効にしていない環境でも自動的に作成されるようになっています。
フォルダの内容は本当に何一つ格納されていない、空の状態になっているため、場合によっては「inetpubフォルダは削除してしまっても大丈夫!」と案内されてしまうかもしれませんが、現状意味があって作成されているフォルダなので絶対に削除してはいけません。
このほか、通常設定では表示されない隠しフォルダについても意味があってユーザーが触れられない状態に設定しているため、ネット上で削除しても問題ないという情報を見かけた場合も基本的にはそのままにしておくことをお勧めいたします。
(上画像の場合だとアプリで使う共有ライブラリ等が格納されている「ProgramData」フォルダ、リカバリー関連の設定ファイル・イメージ等が格納されている「Recovery」フォルダ、OneDrive同期アプリが一時ファイル作成で利用している「OneDriveTemp」フォルダ、隠しファイル属性は設定されていませんが「PerfLogs」フォルダが該当します)。
まとめ
SNSが普及する前から2ちゃんねるなどの掲示板にレジストリを破壊してしまうツールをわざとお勧めしたり、起動に必要なシステムフォルダも含めすべてのファイルを丸ごと削除してしまうコマンドを「OSの動作が軽くなるコマンド」として紹介する悪意のあるユーザーは国内外に多数存在しましたが、ここ数年生成AIの普及もあって、さらにこのような悪意のある情報をそのまま信じてしまった結果、PCが起動不可になってしまったり、最悪大事なデータをすべて失ってしまうなどのトラブルが発生してしまうリスクが増えてきているように感じています。
Windowsに限らず、基本的にOSがインストールしているシステムフォルダはユーザーがファイルの追加や削除などの操作を行うことを想定していませんし、その中身についても削除するとほぼ確実に何かしらのトラブルが発生する危険性があるため、SNSやネット上などで「削除して問題ない」という書き込みを見かけても一切信用しないことをお勧めいたします。
なお、不要ファイルを安全に削除したい場合、設定アプリの「システム→ストレージ→一時ファイル」から旧バージョンのWindowsからアップグレードした際に作成されるバックアップファイルや、Windows Updateで作成されたキャッシュファイル、アプリが作成したキャッシュファイルを安全に削除できるほか、1998年にリリースされたWindows 98ではじめて実装された「ディスク・クリーンアップ」も地味に機能強化されたうえでWindows 11でも健在なので、これらを活用した方が安全に不要なファイルを削除してディスク容量を増やすことが出来るのでお勧めです。

