[M1]MacBook Air / Proのレビューとintel版との比較。圧倒的な性能でRosetta 2動作でも快適
AppleのモンスターSoC「M1」を搭載する新型の「MacBook Air」と「MacBook Pro」。どちらも購入したのでintel版MacBook Proと比較しながらレビューをお届けします。
今回購入したモデルは以下の通り。
- MacBook Air:メモリ16GB/GPU 7コア版
- MacBook Pro:メモリ16GB/GPU 8コア版
intelチップを搭載する比較対象は以下の通り。
- MacBook Pro(2019)/16インチ/9世代のCore i9最上位/メモリ64GBモデル
なお、本記事では以降、「M1版MacBook Air / Pro」、「M1版MacBook Air」、「M1版MacBook Pro」、比較対象を「intel版MacBook Pro」と記載する。
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M1版MacBook Air / Proの良かった点と気になった点
良かった点
・圧倒的なパフォーマンス
・コスパの高さ
・バッテリー持ちが良い
気になった点
・M1で動くiOS/iPad OS向けアプリに関しては対応が進んでおらず執筆時点では実用的でなかった
M1版MacBook Air / Proの外観
M1版MacBook Air / Proはどちらも13.3インチ(2560×1600)のディスプレイを搭載。重量はM1版MacBook Airが1.29kg、M1版MacBook Proが1.4kgである。
注意したい点はポート数だ。これまで使ってきたintel版MacBookProはUSB-Cが左右に2基ずつの計4つ搭載されていたが、M1版MacBook Air / Proは左側面に2基のみ搭載となりポート数が減少している。乗り換え時はポート数も注意したいポイントだ。
▼ポート拡張用に以下を購入した。USB-A×3、MicroSDとSDカードリーダー、PD充電対応。しばらく使っているがM1版MacBook Air / Proで問題なく動作している。↓
M1版MacBook Air / Proのデザインの違いだが、Proは空冷ファンを搭載することで厚みがあり重量が多い。Airはファンレスとなりスタイリッシュな薄型ボティーでより軽量な設計となっている
デザインは好みにもよるが、両者で最も大きく異る部分がファンクションキー部分。Airは物理キーを搭載していることに対し、ProはTouch Barを搭載する。
筆者は長いことTouch Barを利用しているのでProでも問題ないが、物理的なファンクションキーが無いと困るユーザーは現時点でM1搭載モデルだとMacBook Air一択となる。
付属品・同梱物
付属品は本体以外に充電器、充電ケーブル、各種クイックガイド、ステッカーが付属していた。
充電器はM1版MacBook AirとProで出力が異なるだけでなくサイズも違う。Airは最大30Wで小型、Proは最大61Wで大きい。
▼YouTubeではテンポ良く見られる凝縮レビューを公開中。質感・カラー・雰囲気は動画の方が分かりやすい。↓
M1版MacBook Air / Proの処理性能
新型のM1版MacBook Air / Proはintel製チップではなくApple製チップを搭載。これまでのx86ではなくARMとなっている。パフォーマンスについては様々なメディアで取り上げられている通り、非常に高い性能を持っていた。
Geekbench 5でCore i9を上回るスコアを叩き出す
まずはベンチマークから。Geekbench 5での測定結果は以下の通り。
▼M1版MacBook Air↓
▼M1版MacBook Pro↓
▼intel版MacBook Pro↓
最も安価に手に入るM1版MacBook Airでもintel版MacBook Proのスコアを上回る結果となった。
ストレージ速度も恐ろしく速い
続いてはストレージテスト。こちらもintel版MacBook Proと互角または上回る結果となった。
▼M1版MacBook Air↓
▼M1版MacBook Pro↓
▼intel版MacBook Pro↓
軽快に動く「macOS Big Sur」はiPad OSに寄せてきた印象
M1版MacBook Air / Proが搭載する「macOS Big Sur」は、intel製チップのx86とApple製チップのARMのどちらも動作するよう設計されたOSだ。
macOS Big Surは従来のmacOSからデザインが変わりiPad OS寄りとなった。これまでiPad OSのアップデートで「macOSのように使える日も近い」と考えてきたが、それとは逆の方向でmacOSがiPad OSに近づいた印象である。
▼アイコンもiPad OSやiOSと共通となった。↓
▼その他、各種パネルもiPad OSライクで非常に直感的に操作できるようになった。↓
デザインがiPad OSやiOSと共通化することで、iPadやiPhoneユーザーは視覚的にも直感的にソフトウェアを認識できるようになるはずだ。
iOS / iPad OS向けのアプリが動くようになった
別の記事で詳しく紹介する予定だが、M1版MacBook Air / ProはiOS / iPad OS向けのアプリも動作するように設計されている。
いくつか試してみたが、現状では全てのiOS/iPad OS向けのアプリが動作するわけではなく、M1版MacBook Air / Proに導入できないアプリが大多数だった。また、導入できた場合でも正常に動作しないアプリも見受けられた。
今は移行期となるので少しずつ動作するアプリは増えてくるはずだが、現状では筆者が利用したいと考えていたiOS / iPad OS向けのアプリはほぼ動作していないので、じっくり使いながら対応状況を報告できればと思う。
追記:記事を公開しました。
ソフトウェアの互換性問題は今のとろこ感じていない
x86からARMに変わったことで、「これまで使ってきたソフトウェアが動くのか」という部分が最も気になる点だが、macOS Big Surはintel向けチップのx86系ソフトウェアをARM系のM1で動作するようエミュレートする「Rosetta 2」を搭載している。
こちらも詳しいことは別記事で紹介予定だが、執筆時点で筆者が必要とするソフトウェアはM1版MacBook Air / Proで問題なく使えている。
参考程度に導入しているソフトウェアを挙げておく。なお、ソフトウェアの動作は「筆者の利用する範囲で問題ない」という点は留意頂きたい。
※()内はアーキテクチャ
- Adobe Premiere Pro(intel)
- Adobe Photoshop(intel)
- Adobe Illustrator(intel)
- Adobe Lightroom CC(intel)
- Google Chrome(Apple)
- PhotoBulk(intel)
- Google 日本語入力(intel)
- monosnap(intel)
- Clipy(intel)
- ChatWork(intel)
- Skype(intel)
intel向けのPremiere Proでもエンコードが短縮した
執筆時点でAdobe系のソフトウェアはM1向けのバージョンを開発中で、各種ソフトウェアをインストール時はintel向けソフトウェアであることが表示された。
上記はPhotoshopだが、Premiere Pro、Lightroom CC、Illustratorなど筆者が導入した時点では全て上記が表示。つまり、M1でネイティブに動作するのではなく、Rosetta 2下での動作となり、本来、M1が持つパフォーマンスが発揮できない状況である。
今回は実務も兼ねてPremiere Proで再生時間15分の動画(FHDと4K)を「M1版MacBook Air(GPU 7コア)」、「M1版MacBook Pro(GPU 8コア)、「intel版MacBook Pro」で制作しながら比較する。
筆者が制作する動画は非常にシンプルな構成で恐縮だが、以下のような編集を行っている。
- FHDまたは4K/60fpsで撮影した映像を使用
- Premiere Proでの表示はフル画質で縮小表示はしない
- 不要な部分のカット編集
- 字幕などのテキスト入力
- 調整レイヤーはせいぜい2枚被せ程度
- モーショングラフィックスの挿入
- 効果音挿入
- 各種ノイズ低減機能の利用
- 書き出しはHEVC(H.265)で1080pまたは4K
YouTube動画でよくある、映像+字幕+効果音+各種音質調整といった基本的な動画の作り方だが、このようなライトな使い方では編集時の動作も非常に軽快でintel版MacBook Proと遜色ない操作感で快適に作業できている。
M1版MacBook Airは公式で4K解像度の動画編集もできるぞとアピールしており、実際に触るまで信じてはいなかったが、実機で4K解像度のソースをフル画質で編集してみると動作も軽快だったので驚いた。
実際の映像編集以外でもM1版MacBook Air / Proは圧倒的なパフォーマンスを発揮。それがエンコード時間の短縮である。
仕上がった15分動画のエンコード時間は以下の通り。時間の測定は「書き出し」ボタンを押した時点からスタート、書き出し成功のポップが表示された時点までを測定。
- M1版MacBook Air:1080p/4分51秒、4K/9分29秒
- M1版MacBook Pro:1080p/4分56秒、4K/9分23秒
- intel版MacBook Pro:1080p/5分53秒、4K/10分15秒
結果は、intel版MacBook ProよりもM1版MacBook Air / Proのエンコード時間が短くなった。
筆者の環境という前提ではあるが、編集時の操作も快適でエンコード時間も短縮されている状況が「Rosetta 2を通した動作時」であることは驚愕である。
今後、M1でネイティブ動作する調整が整えば、さらにパフォーマンスが向上するはずだ。
バッテリー持ちが良い
各種動作も筆者の環境で問題になるようなことがなかったので日々の業務で利用しているが、M1版MacBook Air / Proはバッテリー持ちが非常に良い。
これまでintel版MacBook Proを利用していた時は、精々、実働3.5時間ほどでバッテリーが切れそうになっていたが、M1版MacBook Proでは同様の作業でも実働6時間以上はバッテリーが持つ。
▼1日目ではバッテリーが切れず翌日も作業できるほどロングライフだった。バッテリー残量6%時点で実駆動時間は6時間オーバー。↓
M1版MacBook Air / Proの実機レビューまとめ
M1版MacBook Air / Proは個人的に非常に満足度の高いモデルだった。現在、M1版MacBook Proを利用しているが、正直、筆者の作業内容であれば最も安価なMacBook Airでも十分以上のパフォーマンスだ。
M1版のMacBook AirとProのどちらが良いかという点は、デザインとキーボードが異なるなど筺体が共通していないので一概に言えないが、どちらも使った感想としては、
- 動画編集で長時間のエンコードを行うことが多いなら空冷ファン搭載のPro
- YouTube向けの15分前後の動画を作成することが多い又は動画編集しないならAir
このような結論である。
筆者の使い方であればM1版MacBook Air / Proでも実務で全く問題ないと判断したのでintel版から乗り換えたが、何をもって「問題ない」と判断するかは利用する者が結論を出すもので、こればかりは実際に環境を整えて試してみるしかない。
MacBookを返品する手順。1週間以内なら無料、起動後は初期化して返送しようで書いている通り、1週間以内なら利用していても返品が可能。
「必須のソフトウェアがM1では正常に動作しない場合」は返品する正当な理由となり、Appleもこのような返品を想定しているはずなので、「実際に使って判断する」ことをオススメしたい。
筆者の評価としては非常に高く、50万円で購入したintel版MacBook Proからあっさりと乗り換えてしまうほどで、いよいよARM PC時代が始まったなと実感している。レビューも参考にしながら是非検討してみて下さい。
■M1版MacBook Air■
↓Apple↓
■M1版MacBook Pro■
M1版MacBook Air / Proの口コミ・評判
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