携帯料金見直しで「実質0円」廃止。公平にするということは喜ぶ者、そうでない者がいるということ
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総務省がドコモ、au、ソフトバンクの「携帯利用料金」の見直しを求める議論で今後の方針が明らかになりました。端末代金の「実質0円」を廃止して月額料金を引き下げる方向のようです。
今までは割賦代金を月割りで相殺して可能となっていた「実質0円」が無くなるということは、単純に端末代金の負担額が大きくなるということ。
過去の議論内容から、すべての方が喜べる内容になるのか疑問。「そうじゃない」とならなければ良いのですが。。
12/17追記:値下げ案の具体的な方向性が明るみとなりました。
関連:携帯利用料金の値下げ案は「限定的」で平等には安くなりません
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「利用料金が高い」に潜む2つの声。
利用料金が高いので見直して欲しいーーという声には大きく分けて2つ。
- これ以上安いプランが無いので高い。
- 現状の利用料金が高い。
過去の議論から、今回の利用料金見直しは前者の1にウェイトをおいたお話となっています。あまり利用しないユーザーがベストなプランを選ぶことが出来ない現状、「肩代わり」「しわ寄せ」と言われても仕方のないプラン構成であるため、ドコモ、au、ソフトバンクは小容量のデータプランを提供する方針。
後者である2の現状の利用料金が高いというユーザーには具体的な話が今まで無かったですが、今回の「実質0円廃止で利用料金引き下げ」に該当するのでしょうか。
トータルコストで安くなるのか、そうでないのか。
今回の「実質0円廃止」は、単純に利用者の端末負担代金が高くなる。実質0円廃止ということは現状の端末代金の分割金額を「月割」で割り引くモデルが崩れるということですね。その代わりに月々のプラン料金が引き下げられる。これって、値下げなのでしょうか。。
月々のプラン料金が下がって錯覚しそうですけど、この方法だとトータルコストは変わらないんじゃないかな。
今までは端末により「月割」の割引率が変動していましたが、プラン料金引き下げだと各プランごとに一定額引き下がるということですので、端末価格により今より高くなる可能性も無きにしも非ず。
例えば、9万円の端末代金ですと、24回の割賦で月々3,750円です。つまり、プラン料金が3,750円引き下がらなければ、今まで9万円の端末を「実質0円」で購入していた方は値上がりです。
もちろん、通信料の割引やキャッシュバックなどに使われていた販売奨励金が無くなるわけではなく、上限が設けられるということですので、端末代金が全額負担になることは無いと思いますが、上手くバランス調整をしなければ今よりもトータルコストが高くなる可能性は十分あり。もしかしたらiPhoneやXperiaなどのフラッグシップ機は今よりもトータルコストが高くなるかも。
各社がどの様に調整するのか非常に気になるところです。
「小容量データプランで利用料金引き下げ」は違うでしょ。
今まで無駄に支払ってた部分が「適正」になっただけです。
もし、小容量データプランがドコモ、au、ソフトバンクの「利用料金引き下げ」ということであれば、その他大多数の方は端末代金が今より高くなるだけ。
全員が必ずしも毎月の支払いが減少するとは考え難い。
今までも様々なカラクリで乗り切ってきた大手キャリア。そのカラクリのお陰で現在のプラン構成や割引方法など非常に難解で不透明。
今回の「携帯料金見直し」の論点はライトユーザーと割引の見直しです。ライトユーザー向けに小容量データプランの提供と、割引の見直しで実質0円廃止、端末代金の負担が増える代わりにプラン料金の見直し。
今までのMNP(乗りかえ)だけ実質0円は流石に行き過ぎたやり方ですし、実質0円を実現していた販売奨励金はユーザーの通信料が原資となっているので、不公平感が高くなるのも当然です。
公平なプラン提供、公平な割引と共に端末負担代金も公平に増えるので、特に価格の高い端末を購入する方や、頻繁に端末を買い換えるユーザーは選ぶ端末により、トータルコストが高くなる予感。
来年春の新料金プラン発表に要注目。