
2024年9月に登場したSoC「Snapdragon 6 Gen 3」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。
なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。
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Snapdragon 6 Gen 3のCPUとGPUのスペック
| SoC | Snapdragon 6 Gen 3 |
| CPU | Arm Cortex-A78:2.4GHz ×4 Arm Cortex-A55:1.8GHz ×4 |
| GPU | Adreno 710 |
Snapdragon 6 Gen 3の処理性能
▼ガルマックスではSoCを6つの性能帯に分けています。Snapdragon 6 Gen 3は記事執筆時点で標準的なミドルレンジ帯にあたるSoCです。↓

今回、処理性能の検証に使用した機種はXperia 10 VII/メモリ8GBです。
Snapdragon 6 Gen 3の実機AnTuTuスコア
端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみましょう。
▼Snapdragon 6 Gen 3の実機AnTuTuのスコア(V11)は総合スコアが831,447点、GPUスコアは128,290点、UXは251,131点となっていました。↓

▼V10でも測定してみました。総合スコアは629,499点、GPUスコアは148,333点、UXは153,003点でした。

この水準であれば一般的な用途で十分な性能なのでメインスマートフォンとしても問題ない水準です。
▼以下は2025年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓| AnTuTuスコア(V11) | 動作・操作感 |
|---|---|
| 総合スコア:約270万点以上 GPUスコア:約80万点以上 | (ハイエンド)ヌルヌル。動作に不満なし |
| 総合スコア:約200万点〜270万点 GPUスコア:約60万点〜80万点 | (準ハイエンド)サクサク、重いゲームもOK |
| 総合スコア:約140万点〜200万点 GPUスコア:約30万点〜60万点 | (ミドルハイ)重いゲームもなんとか |
| 総合スコア:約70万点〜140万点 GPUスコア:約15万点〜30万点 | (ミドルレンジ)軽いゲームくらいなら |
| 総合スコア:約40万点〜70万点 GPUスコア:約5万点〜15万点 | (エントリー)必要最低限 |
| 総合スコア:約40万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | (ローエンド)サブ端末向き |
| AnTuTuスコア(V10) | 動作・操作感 |
|---|---|
| 総合スコア:約200万点以上 GPUスコア:約70万点以上 | (ハイエンド)ヌルヌル。動作に不満なし |
| 総合スコア:約150万点〜200万点 GPUスコア:約50万点〜70万点 | (準ハイエンド)サクサク、重いゲームもOK |
| 総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約30万点〜50万点 | (ミドルハイ)重いゲームもなんとか |
| 総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約10万点〜30万点 | (ミドルレンジ)軽いゲームくらいなら |
| 総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜10万点 | (エントリー)必要最低限 |
| 総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | (ローエンド)サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
Snapdragon 6 Gen 3のゲーム以外の動き
Snapdragon 6 Gen 3を搭載するスマートフォンでゲーム以外の動きをチェックしてみます。
▼ホーム画面操作、WEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)の動作はこんな感じでした。動作は許容範囲でしょうか。↓
まれにスクロール時に引っかかることもありますが、上のようなライトユースであれば全体的に動作も軽快な印象です。上記のような使い方が中心であれば長期的に使ってもストレスは感じづらい水準です。
Snapdragon 6 Gen 3のゲーム性能
ライトな使い方は先程検証しましたが、次はゲームを試してみます。検証では重量級ゲームの代表格である原神を使います。
▼グラフィックのデフォルト設定は「低」となっていました。↓


検証では画質を「中」、フレームレートを60に設定して元素爆発などを使った戦闘を行いながら15分プレイした際のフレームレートを測定します。
なお検証結果により他ゲームでの大体の動作目安も分かります。
- 大部分で30FPS未満は画質やフレームレートを妥協する必要があったり、それらを妥協しても遊べないゲームが出てくる。
- 大部分で30FPS以上が出ていれば大多数のゲームは遊べるレベルで動作する。画質を妥協することで大多数のゲームは快適に動作する。(Snapdragon 6 Gen 3はギリギリこれに該当します)
- 下限FPSが60FPSに近づくほど画質と高フレームレートを維持しやすくなる。また下限50FPSを超えるとと大多数のゲームは快適レベルで動作する。
▼結果は最高55FPS、下限28FPS、平均40FPSとなりました。↓

大部分で30〜35FPSは出ているので重量級の原神クラスも画質「中」なら遊べるレベルで動作します。一方で画質を中以下に下げても60FPSは一度も達することが無かった為、滑らかさを重視するユーザーはより性能の高いモデルがオススメです。
ゲーム性能が非常に高いという訳ではありませんが、一定水準以上のゲーム性能は持っているので、大多数のゲームは遊べるレベルで動作する水準ですが、重量級ゲームをプレイする場合は画質やフレームレートの妥協は必要になる場合があります。
Snapdragon 6 Gen 3の動作目安まとめ
Snapdragon 6 Gen 3は日常使いでも十分なパフォーマンスを持っていました。メインのスマートフォンであればSnapdragon 6 Gen 3あたりの性能はほしいですね。
ゲーム性能が非常に高いというわけではありませんが、一定水準以上のゲーム性能は持っているので重量級ゲームも遊ぼうと思えば遊べる水準です。これ以上の画質やフレームレートを求める場合はミドルハイ以上のSoCを備えるモデルを検討しましょう。
Snapdragon 6 Gen 3搭載製品の一覧
Snapdragon 6 Gen 3を搭載する製品は以下です。