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TCLが折り畳み&巻き取り型ディスプレイのプロトタイプを展示!

中国の家電メーカーであるTCLが中国の技術博覧会であるDTC 2021にて新型ディスプレイのプロトタイプを展示していた映像が投稿されているようです。詳細は以下より。

折り畳めてなおかつ巻き取れるディスプレイ?

TCLは中国で開催されたテクノロジーカンファレンスイベント(技術会議のこと。今回は技術博覧会の意味を持つ)のDTC 2021において、折り畳み可能でなおかつ巻き取り型ディスプレイを搭載したスマートフォンのコンセプトモデルを展示していたとのこと。

▼このコンセプトモデルはDTC 2021で展示されていたものですが、フォルダブルスマートフォンのリーク情報などをメインに扱っているFold Universe氏が実機の様子をTwitterにて投稿しています。↓

▼Fold Universe氏は自身のYouTubeチャンネルにも当該機種の動画を投稿しており、実際に本体を開く場面や、ディスプレイが左方向へと展開される様子が分かるようになっています。↓

動画を見ると、折り畳まれた端末を開き、その後にディスプレイの左半分が左方向へと画面を拡張していく様子が映されています。画面が広がる際の動作自体も滑らかで違和感はあまりありませんでした。

動画最初の折り畳んだ状態から開く際に見えるのですが、どうも背面にも単体でディスプレイが設けられているデュアルディスプレイ方式でもあるようですね。

ただ、背面のディスプレイの表示がおかしかったり、展開前の表示が見切れていたりとソフトウェア面での最適化はあまりできていない模様。この辺も技術面でのコンセプトモデルならではといったところでしょうか。

▼そのあたりの事情に関して、海外メディアのGSMArenaでは中国のメディア関係者からの情報と前置きした上で、近い将来に発売予定のスマートフォンのデモ機ではなく、TCLとその子会社であるCSOT(China Star Optoelectronics Technology)による新しいディスプレイ機能のデモであると記述しています。↓

We did learn from Chinese media representatives that this was a demo of the new display capabilities by TCL and its subsidiary CSOT rather than revealing a smartphone that might be launched in the near future.

【引用】GSMArena

要するにスマートフォンのコンセプトモデルではなく、TCLグループのディスプレイ技術をアピールするためのコンセプトモデルなので、「ソフトウェアは大体できていればいいか」みたいな感じで展示されていたってことですね。それなら未完成のソフトウェアも納得です。

このコンセプトモデルがいつ商品化されるのかは不明とのことですが、その辺もディスプレイ技術をアピールするためのコンセプトモデルという点があるからでしょうね。

心躍るコンセプトだが、耐久性が気になるところ

実は、このコンセプトデザイン自体はTCLが2021年4月に「Fold ‘n Roll」というプロトタイプスマートフォンを発表してから音沙汰が無く、一部ではコンセプトデザイン止まりで製品化はしないのではないかとも見られていたようです。

しかし、DTC 2021に展示されたコンセプトモデルはFold ‘n Rollの折り畳み+巻き取り型のデザインを受け継いでいたので、コンセプトデザインが形になったものと見ていいでしょう。

海外メディアのGizmochinaは、スマートフォンを簡単にタブレットに変身させることができるという点では優れているが、可動部が多いために壊れやすく、急激な摩耗に弱いという耐久性の面では問題があると評しています。

更に、このデバイスが市場で成功を収めるためには、拡張可能なディスプレイのヒンジ部分が堅牢である必要があるとも付け加えています。

筆者自身もこれだけメカメカしいのはロマンに溢れてはいますが、正直なところ「ちょっとしたことで簡単に壊れそうだなぁ」とも思ってしまいました。

そもそも、折り畳み式はディスプレイ技術で最先端をいくサムスンでさえ製品化に苦労した技術である上に、巻き取り式はOPPOなどがその技術を用いたコンセプトモデルを出してはいますが、未だ製品化には至っていないのが現状。

確かにTCLはE-InkとLCDのいいところ取りをしたNXTPAPERなど独自技術もあることから、TCLに技術力自体はあるとは思いますが、耐久性は製品化が可能な水準まで達しているかどうか不透明にも思えます。

恐らくその辺も含めてTCLはあくまで技術のコンセプトで、スマートフォンの製品化は未定としている部分もあるでしょうけどね。

とはいえ、Fold ‘n Rollは見てて心躍るコンセプトモデルであることは事実。TCLには是非とも製品化まで漕ぎ着けて欲しいところです!

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