Apple、韓国で「アプリ外部決済」を容認もユーザー負担は変わらない?
これまでAppleはAppStoreの有料コンテンツなどを決済する際に、Apple以外の決済手段を認めてなかったんですが、遂に韓国で初となる「アプリ外部決済」を容認したようです。
各国でアプリストアの決済など規制が始まっている
Appleはこれまでアプリの購入やアプリ内課金などを行う際はアプリ開発者に「Appleを介する決済手段」のみ認めてたんです。
Appleを介した決済手段では最大30%の手数料が徴収される仕組みで、これがAppleの稼ぎどころでもあります。
この手数料はアプリ開発者の負担ではありますが、巨大アプリ・プラットフォーム「AppStore」でアプリを配信する際の規約となっていたので避けられません。
少し前には人気ゲーム「フォートナイト」を提供するEpicがiOS向けアプリで独自の課金システムを導入したところ、Appleは規約違反としてAppStoreからアプリを削除。訴訟問題に発展しています。
まあ、AppleからするとAppStoreの巨大プラットフォームでアプリを配信できる代わりに、課金の一部を手数料としてもらうよスタンスでしたが、アプリ開発者側は独自の課金システムであればもっと安価にサービスを提供できるというわけで、客観的にみてもなかなか難しい問題だな〜って感じます。
こんな感じなわけですが、世界各国ではアプリストアに関する規制が本格的に始まっているので、Appleも今後はアプリ外部決済を認めざるを得ない状況になりつつあります。
韓国でAppleがアプリ外部決済を認める
日本経済新聞によると2021年に韓国で法案が成立した「インアプリ決済強制禁止法」により、Appleは韓国でのアプリ外部決済を容認しました。
2021年成立の韓国の法律に従い、同国で提供するサービスで外部決済を容認する意向を11日までに同国政府に伝えた。
韓国では2021年8月に「インアプリ決済強制禁止法」が成立したことによりアプリ外部決済を容認する方向になったようですが、ほかにも米国では「アプリマーケット開放法案」、EUでは「デジタル市場法案」などが提案されている状況です。
これらの提案が可決されるとAppleは韓国と同じようにアプリ外部決済を容認するのでしょうか。それとも全体的な手数料を値下げするなど妥協ポイントを詰めてくるんでしょうか。今後の動向には要注目です。
ユーザー負担が変わるか不明
AppleのライバルであるGoogleは、先述した韓国の法案成立後にアプリ外部決済を認めたんですが、代わりに「アプリストアの利用手数料」料の支払いをアプリ開発者に求めているようです。
結局のところ、AppleもGoogleもアプリストアでの手数料は大きな収益となっているので、あの手この手で手数料を取ろうとする方向に転じるのは想像に難しく有りません。
アプリ開発者側の言い分だと、アプリ外部決済でAppleないしGoogleでの手数料がなくなれば、もっと安価にユーザーへサービス提供できると考えていますが、巨大アプリ・プラットフォームを提供するAppleやGoogleも「ボランティアちゃうんやから」という状況なわけで、アプリ外部決済になったとてユーザー負担が変わるのかは分かりません。
これらの手数料は間接的に我らユーザーのお財布から出ていくお金でもあるので、安くなる可能性があるアプリ外部決済自体の方向性は朗報でもあるんですが、それによる減収でAppleやGoogleのサービス品質が下がるのであれば、それはそれで困っちゃうのも我らユーザーです。
アプリ・プラットフォームを提供する側、アプリ開発者側、ユーザー側の気持ちが分かるだけに、なんとか良い塩梅の折り合いをつけてほしいところですね。