電源内蔵でN150搭載のミニPC「Beelink EQ14」のレビュー。完成度は高いが不信感が残る部分も
- レビュー
- ※ 当メディアのリンクにはアフィリエイト広告が含まれています
Kです。私のもとに、数日前の私から少し遅めの御年玉が届きました。Beelinkの「EQ14」というミニPCです。EQシリーズは電源内蔵です。
目次をクリックすると各項目へ移動します
Beelink EQ14の詳細スペック
CPU | Intel Twin Lake N150 |
メモリ | 16GB(DDR4 3200MHz、空きスロットなし) |
容量 | 512GB SSD(SATA PCIe3.0×3) |
ディスプレイ | – |
インターフェース | USB 3.2 ×3 (10Gbps) USB 2.0 ×1 (480Mbps) USB-C ×1 (10Gbps、データ転送のみ) 3.5mmオーディオジャック LAN ×2 (1Gbps) HDMI 2.0 ×2 AC ×1 |
電源 | 6~25W |
バッテリー | – |
サイズ | 126×126×39mm |
重量 | 公称値490g、実測値440g |
OS | Windows 11 Pro |
備考 | 電源内蔵、ストレージ空きスロットあり(M.2 2280 PCle3.0×1)、WiFi 6、Bluetooth 5.2 |
本体外観
▼内容物はPC本体、HDMIケーブル、電源ケーブル、マニュアル、Helloと書かれたカードのみ。カラーはネイビー。↓
▼上面。↓
▼下部にはでかでかとEQのロゴ。某果物のミニPCと違い、ここに電源ボタンはありません。↓
▼前面は左からUSB 3.2 ×2、3.5mmオーディオジャック、USB-C ×1、電源ボタン。USB-CはPDや映像出力非対応なので注意。ミニPCあるあるですが、オーディオジャックが前面にあるのはなぜなんですかね…スピーカー刺す時に不便です。↓
▼背面は左から順に、USB 3.2 ×2、USB 2.0 ×1、LAN ×2、HDMI 2.0 ×2、AC ×1。USB 3.2とUSB 2.0の向きが逆になっているので刺し間違えることもなさそう。↓
左右側面には何もなし。
本体サイズは126×126×39mm。M4 Mac Miniが127×127×50mmなのでほとんど同じサイズ感。
▼電源ケーブルには一応菱形PSEマークが付いているものの、事業者名は書いていないですね…↓
内部構造
▼四隅にあるゴムを取り除くとネジがでてくるので、それを外すだけで簡単に開くことができます。ノートPCとかだとネジカバーのゴムはゴム足と共通化してあったりしてかなり迷惑ですが、本機はしっかり別パーツ。地味に嬉しい。↓
▼内部構造は以下のようになっています。↓
▼DDR4メモリはAZW製。BeelinkはAZWのブランドなので自社製メモリのようです。SSDはLongsys製。LongsysはSDカードなどで見かけるLexarブランドを展開する会社です。↓
▼2スロットともカバーできるサイズのヒートシンクがついているのはかなり嬉しい。↓
小さなボディに電源内蔵
そう、何が素晴らしいって、本機は電源内蔵なんですよ。ACアダプタが不要なのでデスク周りがスッキリします。
機種によりますが、本体サイズの1/3ぐらいのサイズのACアダプタが付属していたりしてせっかくの本体のコンパクトさが台無しです。ACアダプタの置き場所にも困ります。卓上か床か、どちらにせよ邪魔です。
さらに、安いアダプタの場合ノイズが乗ったりもするので最悪です。本機はそんなストレスとはおさらばできます。コンセントに繋ぐだけ!しかも汎用のメガネケーブルなので、好きな長さや質感のものに買い替えることもできます。
▼実際このぐらい作業環境がクリーンになります。↓
▼内蔵電源は右側。結構小さい。↓
事務用途に十分な性能のストレージ
ストレージにはSATA SSDの512GBが搭載されています。
▼CrystalDiskMarkの測定結果。SATA SSDなのでこんなもんでしょう。↓
ちなみにブラウザやOfficeなどのソフトを一通り入れた後のWindows起動速度は平均40秒程度。私はこれで十分ですが、気になる方はNVMeのSSDに換装をおすすめします。
▼少し気になったのはCrystalDiskInfoの結果。初期設定終了後の計測で既に電源投入回数が500回、使用時間100時間、総読み込み量が1.8TB程あるなど、既にある程度使われたかのような形跡があります。新品を買ったはずなんですけど…うーむ。↓
本機には空きスロットがありますので、ストレージを追加したい方は、増設が可能です。ただし、空きスロットはM.2 2280 PCle3.0×1なのであまり速くなく、NVMeのみの対応なので注意が必要です。
思ったよりしっかり動くN150
本機に搭載されているCPUはTwin Lake N150。Alder Lake-N Intel N100のリフレッシュ版として登場しました。N100との違いは最大クロック数が3.4GHz→3.6GHzに、内蔵グラフィックが750MHz→1000MHzになった点。正直微々たる差なので、ほぼ同じと言っていいでしょう。
あらかじめ言っておきますが、3Dゲームには不向きです。というか無理です。
アイドル時
ファン音は無音に等しく、非常に快適です。
▼アイドル時の平均温度は40℃台前半。↓
アイドル時のCPU使用率は30%~100%を目まぐるしく行き交います。少しなにかのプロセスが稼働するとすぐ100%に達します。
Cinebench R23
▼3回の計測結果は以下の通り。マルチコアは2650程度、シングルコアは800台というところでしょうか。↓
▼ベンチマーク中のCPU温度もかなり抑えられています。↓
アイドル時と比べると若干ファン音が聞こえますが、気にならない程度です。
PassMark
▼PassMarkの計測結果は以下の通り。↓
ただ正直ベンチマークの数字を並べられても実際どれぐらい動くかはいまいち掴めないですよね。なので実際の環境に近い状況での
Word
▼下記のような日本語1万文字が入力されたWordファイル(ファイルサイズは14KB)を使用します。↓
用意したWordファイルを10ファイル分開きおわるまでにかかる時間は平均6秒程度でした。この状態でのブラウジング、Youtube再生、ファイル操作、Excelファイルの編集は快適に行えました。
Excel
▼下記のような数字を羅列したデータ個数が30万個のExcelファイル(ファイルサイズは3.3MB)を使用します。なおこの数字はすべて関数を用いて出力しています。↓
用意したExcelファイルを10ファイル分開き終わるまでにかかる時間は平均20秒程度でした。この状態でのブラウジング、Youtube再生、ファイル操作、Excelファイルの編集は快適に行えました。うーん、結構パワーありますね。
ブラウジング
Chromeブラウザにて、ガルマックスのトップページを20タブ分開き、読み込み終わるまでの時間は平均25秒でした。なお、回線速度は光回線のない一般家庭を想定し、下り50Mbps程度に制限しています。この状態でのブラウジング、Youtube再生、ファイル操作、Excelファイルの編集は快適に行えました。
複数処理
▼Excelファイルを10、Wordファイルを10、Chromeを20タブ開いてみました。タスクビュー表示などのアニメーションはかなりもっさりしますが、この状態でブラウジングやWord、Excel操作、他ソフトの実行などは問題なくおこなえました。↓
▼アイドル時の平均温度は45℃程度。↓
騒音も気にならないレベルでした。耳を近づけれれば聞こえる程度。喋り声や音楽が流れていれば全く聞こえません。
もちろんハイエンド端末には到底及ばないものの、旧世代のCeleron Nシリーズと比較すると圧倒的な差です。下手な旧世代Core iシリーズの中古PCを買うより高いパフォーマンスを期待できるでしょう。
リビングで家族共用PCとして利用するだとか、事務用途で使用するだとか、ネットサーフィンを楽しむ程度であれば十分な性能ですね。
そこにないかのような静音性
本機は非常に優れた静音性を備えています。
▼公称値は32dB。簡易的な計測ですが、私の手元の騒音計でもおおよそ30dB台を示したので、公称値通りの静音性です。↓
その他
その他、初期設定、Windowsライセンス、Windows Updateについては以下にまとめておきます。
初期設定
オフラインでセットアップしましたが、Microsoftアカウントのログインは求められませんでした。仮に求められた場合もユーザー名とパスワードにtestなどの適当な文字列を入力するとパスできます。
キーボードも最初から日本語配列を認識。機種によっては英語配列になっていて@などが入力できないケースがあります。
Windowsライセンス
OSはWindows11 Proです。
▼ライセンスはVLライセンス(VOLUME_MAK)でした。VLライセンスは法人向けに個人利用は認められていません。突然ライセンス認証が切れて使用できなくなる可能性があります。↓
ただ、公式サイトにもAmazonの商品ページにもWindows11 Pro搭載とは一言も書いていないので、Beelink側としてはライセンスは自分で買ってね、的な感じかもしれません。
Window Update
これはおそらくWindows11の24H2側の不具合だと思いますが、Windows Updateに4回ほど失敗し、合計で3時間ぐらい要しました。
Beelink EQ14まとめ
Beelink EQ14の発売日は2024年11月で記事執筆時点の価格は以下の通り。
- メモリ16GB+容量500GB:32,800円
- メモリ16GB+容量1TB:37,800円
電源内蔵な点や静音性に優れている点など、他社のミニPCとの差別化はできており十分に良い製品でした。
しかし、1時間に5回ほど電源を投入した形跡のあるSSD、問題のあるWindowsライセンス、その他認証情報などに不信感も残るPCでした。
Beelink EQ14の購入先
▼価格は変動するのでリアルタイム価格はリンク先で必ず確認して下さい!↓
■Beelink EQ14■
初出時価格→32,800円から
▼容量500GB版:公開時点で5,000円OFFクーポンあり!適用で27,800円!↓
▼容量1TB版:公開時点で6,000円OFFクーポンあり!適用で31,800円!↓
■メルカリで中古相場を調べる!■