Exynos 2200がリリース延期。発熱問題が要因の一つ?

Exynos 2200

サムスンの新型SoCであるExynos 2200ですが、発表が延期された理由には開発の難航が要因かもしれません。詳細は以下より。

リリース延期。背景には発熱問題とチップセットの不足?

著名なリーカーであるIce universe氏は、1月11日に発表予定だったExynos 2200のリリースが延期されたとTwitterで投稿しています。

2月8日にGalaxy S22シリーズを発表して、24日に販売を開始するとしている中で、Exynos 2200の発表が延期になったのは何かトラブルが起きていることを示唆しているともIce universe氏は述べています。

また、Ice universe氏はWeibo上にExynos 2200に関連するものと思われる情報も投稿しています。

三星Exynos 4nm RDNA2 频率,设计目标1.9GHz,结果..
1.9 热
1.69 还热
1.49 还热
1.29 目前的频率
目前计划提升到1.49 ,挽回点尊严,但不一定行
目前终端,soc,代工三个部门打成一锅粥了。

i冰宇宙 – weibo.com

それによると、4nm製造のExynosの設計クロックは1.9GHzの予定でしたが、発熱によりクロック周波数を下げてテストしている段階とのこと。以下は各クロック周波数での発熱について記載されている部分をリストにしています。

  • 1.9GHz:熱い(常用できるレベルの発熱ではないと想定される)
  • 1.69GHz:まだ発熱が気になる
  • 1.49GHz:まだ発熱が気になる
  • 1.29GHz:現在のクロック周波数(恐らく熱問題が解決しているであろうレベル)

Ice universe氏は、サムスンは4nm Exynosに関して、最終的には1.29GHzよりも高い1.49GHzにする予定だとしていますが、確定ではないと付け加えています。

また、昨年の11月に登場が噂されていたミドルレンジ向けSoCのExynos 1200も過去にベンチマークに登場したものの、SoCや搭載スマートフォンも未発表となっています。

それも含めた上で、Exynos 2200が延期されたのは発熱問題以外にチップセットの不足もあるのではないかという旨の発言もIce universe氏は行っています。

サムスンにとって逆風が吹き荒れる厳しい状況

以前、サムスン製プロセッサで問題になったのはiPhone 6sなどで使われていたA9プロセッサの製造元問題。ガルマックスでもリアルタイムに記事にしていました。

iPhoneSEでA9チップ製造メーカー違いによる性能差問題が再熱するかも

iPhone SEもサムスン製のA9が流通してるのか調べてみた。

また、Snapdragon 888でも製造はサムスンが担当していたとの話がありますが、Qualcommが想定していた以上の発熱と電力消費になっていたことにより、途中から製造をTSMCに委託していたとの話も出ています。

しかも、Exynos 2200はAMDのRDNA 2対応GPUユニットを搭載すると言われていただけに、元来の発熱しやすさ+GPUの熱源増加で設計で想定していたクロック周波数ではアッチッチで手に負えない状況だったのではないかと筆者は考えています。

デスクトップPC向けプロセッサでは、CPUクーラーなどでまだ発熱に関して許容できるマージンがあるのに対し、スマートフォン向けプロセッサでは大規模な冷却装置が装着できる余裕が無い分、発熱問題はシビアになっています。

せっかくの高性能も発揮できる機会が無いとなっては宝の持ち腐れ。「サムスン製造のプロセッサは熱すぎて使い物にならない」レッテルも定着してきているので、早急に問題解決を図り、汚名返上してもらいたいところ。

もしExynos 2200の問題解決がGalaxy S22の発表時期に間に合いそうになかったら、表面積が大きい=冷却しやすいGalaxy Tab Sに搭載するとかはどうでしょう?ダメか…

また、世界的に見て慢性的な半導体不足もダブルダメージになっている印象は強いですね。そのせいで売れ筋であるはずのミドルレンジSoCの製造や開発も遅れているかもしれないとのことなので、サムスンにとっては厳しい状況のはずです。

と、サムスンには逆風が吹き荒れる状況ではありますが、しっかりと問題に取り組んで解決できた製品を世に送り出して欲しいと願っています!

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