HUAWEIが最新SoC「Kirin 810」を発表、AntutuスコアはSnapdragon 730超え

kirin 810

今回HUAWEIが発表した「nova 5」に搭載されているHiSilicon(HUAWEI傘下の会社です)製の新しいSoC「Kirin 810」についての紹介記事です。そもそもHUAWEI大丈夫なのか?という懸念は抜きで純粋に新しいSoCの登場をお祝いしましょう。

位置付けはミドルハイ最上位向けでライバルはSnapdragon 730

kirin 810

今回出たKirin 810はKirinシリーズで主力となっていたフラッグシップ機に搭載されるKirin 980と主に「lite」とつく機種に搭載されるKirin 710の間となるものです。Snapdragonシリーズが600台と800台の間に700台のシリーズを新設したのと似た感覚です。

ちょっと高級なミッドレンジモデル、言い換えるとお求めしやすいハイエンドモデルといった位置付けの機種に搭載されることになります。執筆者の感覚でもHUAWEIのnovaシリーズはまさにそういうイメージだったので、個人的にすごくしっくり来ています。そしてもちろん標的になったライバルはSnapdragonの700台で最新のSnapdragon 730です。

7nmプロセス採用で性能はKirin 980寄り

SoCの処理性能や省電力性能にダイレクトに影響する製造プロセスは7nmプロセスで、これは同社のフラッグシップSoCであるKirin 980と同じです。Kirin 710は12nmプロセス採用なのでKirin 810の性能はどちらかというとKirin 980に近いものになることが想像できます。Snapdragon 730は8nmプロセスなのでこれは接戦の予感。

また、Kirin 810はGPUクロック数が820MHzとKirin 710の1000MHzより大幅に抑えられており、省電力性能がアップしていることが期待できます。

正直めちゃくちゃ期待できるSoC

kirin 810

Antutuが公表したベンチマークスコアをもとにSnapdragon 730と比べてどっちがより高性能なのかというと、Kirin 810の完勝です。GPUスコア(3D性能)を含め全ての項目でSnapdragon 730を上回る結果となりました!ハイエンド向けSoCと比べても総合スコア(約237000)はSnapdragon 835やKirin 970を上回っています。

▼GPUスコアだけがSnapdragon 835やKirin 970に一歩届かずという感じですが、かなり肉薄のところまで来ています。(型番はnova 5のものですが実際にはnova 5のメモリ8GB+保存容量256GBモデルは販売されません)↓

kirin 810

このスコアにゲーム最適化の機能「Kirin Gaming+」が反映されているのかどうかも気になります。もし反映されてなかった場合、「Kirin Gaming+」の適用状態では更にゲーム体験は向上するでしょうから、実際のゲーム体験はSnapdragon 835より快適になるかもしれません。ただどうしても多くのアプリはマジョリティのSnapdragonでの動作を想定して作られているので真にハイクオリティなゲーム体験を求めている人には向かないかもしれません。

まとめ

Kirin 810は発表されたばかりだしSnapdragon 730も搭載している実機はまだそんなに出回っていないので個体差のことも考えるとやはり似たような位置付けになるのかなと思います。とはいえプロトタイプでのスコアでSnapdragonの同クラス商品を上回ったことは非常に興味深いですね!

初めて搭載するnova 5は2799人民元(日本円で約44000円)ですがこれが2000人民元くらいの機種でも搭載されるようになったらめっちゃ人気でそう。

あと今HUAWEIは禁輸措置のおかげですごく売り上げが落ちているらしいのでSoC輸出に踏み切る可能性もあるんじゃないかと期待(希望)を抱いています(笑)

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