総務省が格安SIMの通信速度開示要請へ
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総務省が格安SIMを提供するMVNOにより大きくばらつく通信速度を問題視。2017年度にも通信速度を開示するように要請したと日本経済新聞が報じています。
不透明な格安SIMの通信速度を総務省も問題視。
格安SIMは大手キャリアから回線を借りて通信サービスを提供しています。
各事業者はそれぞれ回線を大手キャリアから借り入れるので、事業者により通信速度も大きくことなる事が問題視されたってわけです。
事業者間で通信速度が大きくばらつくのは、回線の調整方法や独自のロス処理機能を有するか否かでも変わります。例えばBIGLOBE SIMだと【待っていた!格安SIMで混雑時の通信速度が2倍へ】でも書いた通り独自で通信品質を向上するよう取り組んでいます。
この様な部分も含み総務省が問題視した”事業者により通信速度が大きく異る状態”が生まれます。
格安SIMの利用料金って低価格化路線が頭打ちになって鈍化していますが、似たような利用料金でも契約する事業者で通信速度が大きくばらつくので、利用者側からすると良い気はしません。
しかも、これまでMVNOは通信速度に関してベストエフォート値(理論値での最大通信速度)を提示していたので、利用者側からすると誇張と捉えられます。回線混雑時なんて提示された通信速度の1/100も出ない。なんてこともザラですからね。
今後は各MVNOの通信速度が開示され格安SIMを選ぶ1つの指標となるので、利用者はより透明度が高い状態で格安SIMを選ぶことが可能となります。
僕は”回線混雑時に落ち込んだ通信速度が許容範囲であるか”も重要だと感じる。
総務省は事業者間で大きくばらつく通信速度に関して問題視していますが、僕は”通信速度が落ち込んだ際に許容できるか”も重要だと考えています。
これは格安SIMの仕様的な部分の話しで”時間帯により通信速度が大幅に下落する状態”に関して知る必要があるということです。
ここではサクッとMVNOのカラクリを解説しますね。
格安SIMを提供するMVNOは大手キャリアから回線を借ります。つまり、キャパシティの上限が有るということです。
例えば1000Mbpsのキャパがあったとしましょう。回線が混雑していない時間帯に100人が同時利用した場合、1人当たり10Mbpsの通信速度が確保出来ます。
これが沢山の方が利用するお昼の時間帯などで1000人が同時利用した場合、1人当たり1Mbpsの通信速度しか割り当てられません。
これが”回線混雑時の通信速度の落ち込み”です。
僕が伝えたいのは、時間帯によりこれだけ通信速度が下落する状態(大きなばらつきがある状態)は許容できますか?ということです。
僕としては格安SIM最大のデメリットである回線混雑時の速度低下に関して事業者はしっかり伝えるべきなんじゃないかと感じています。
残念ながら、格安SIMの通信速度に関しては”自身で体感”していただかないと言葉では伝えきれません。
僕が格安SIMを利用して伝えられる事は、通信速度が低下した状態ではスマートフォンの利用方法もガラリと変わり、これまでと同じ使い方が出来なくなる可能性が有るということです。
格安SIMの回線混雑時の落ち込みは何故改善出来ないのか。
先程、格安SIMの回線混雑に通信速度が下落するカラクリをお伝えしましたが、ここでは何故、格安SIMは回線混雑時の落ち込みを改善できないのかちょっぴりお話します。
出来るか出来ないかで分けるなら出来ます。
しかし、回線混雑時のピーク時に快適な通信速度を維持するには、それだけのキャパが捌ける帯域を借りなければいけません。実現したとしても、利用料金が高くなるってわけです。
格安SIMの利用料金水準では現状の格安SIMの通信品質を維持することが精一杯。利用者数が増えればちょっぴり儲かる。でも利用者だけが増えると通信速度は更に落ち込む。だからちょっぴり儲かった分で回線を増強して”格安SIM水準の通信品質”を維持しています。
格安SIMを検討されている方は、事業者により大きくばらつく通信速度を知ることも非常に大切ですが、格安SIMを利用する以上、付き合い続けなければいけない通信速度低下現象に関しても乗りかえ前に知らなくてはいけません。
格安SIMや大手キャリアのサブブランドに関する通信速度に関して、もっと突っ込んだ話を以下の記事でも書いていますので気になる方はどうぞ。以下の記事では0円で格安SIMを試せる事業者も紹介しています。