T-bao MN27のレビュー!OS付きで高コスパな3画面出力も出来るミニPC
T-baoから新型ミニPCのMN27が登場!ガルマックスでも実機が到着したのでレビューをお届けいたします!型落ちですがハイスペックなRyzen 7 2700Uを搭載したミニPCの魅力を確認していきます!
なお、T-bao MN27はメモリとストレージ搭載量で複数モデルが展開されていますが、本記事では上位グレードのメモリ16GB/ストレージ512GB SSD/419.99ドル(執筆時)のモデルです!
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T-bao MN27の良かった点とイマイチだった点
リーズナブルな価格で手に入るパワフルなミニPC。新たにUSB-C端子が追加され更に汎用性が高まった。
良かった点
・ミニPCとしてはパワフルなRyzen 7 2700Uを搭載している
・最初からOSが導入されていてすぐに使い始められる
・豊富な外部端子
イマイチだった点
・Windowsが英語設定のため言語パックのインストールが必要なこと
・意図がよくわからないパーティションの分け方
T-bao MN27の詳細スペック
▼以下にT-bao MN 27の詳細スペックを記載しています。↓
製品情報 | |
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対応バンド・周波数・ネットワーク | |
本体仕様 | |
システム仕様 | |
メモリ/保存容量 | |
カメラ | |
機能仕様 | |
バッテリー | |
スペック表のソース |
T-bao MN27の外観:ミニPCらしくコンパクト!
▼T-Bao MN27のレビュー動画はYouTubeで公開中!質感・カラー・雰囲気・動作・レスポンスは実機動画をチェック!↓
▼T-bao MN25の筐体を手に乗せるとこんな感じ。以前レビューしたCHUWI LarkBoxのように手で包み込めるほど小さいというわけではありませんが、手のひらには乗せられるぐらいの大きさのコンパクトなボディーに仕上がってます。↓
▼筐体の色はつや消しの黒でシックなデザイン。天板付近のエッジはシルバーのダイヤモンドカット加工がされており、デザイン上で重要なアクセントになっています。↓
▼天板はこんな感じ。黒の無地なのでかなりシンプルです。奇をてらっていないのでビジネスシーンでも違和感なく使えそうです!↓
▼底面はこんな感じ。ゴム足の下にネジが隠れているので、メモリやストレージにアクセスする際はチェックしておきましょう!↓
▼正面には電源ボタンと端子類が横並びで配置されています。左から電源ボタン、ヘッドホン端子、マイク端子、そしてUSB-A(3.0)、USB-Cが配置!↓
▼背面はズラッと並ぶ端子類が圧巻の一言。LAN端子(1Gbps対応)が1つ、USB-A(2.0)が2つ、USB-A(3.0)が2つ、HDMIポートが1つ、DisplayPortが1つ備わってます。排気口もきちんとありますね。↓
ミニPCとしてはかなりの充実度合いで、正面に配置されるUSB-C端子からの出力も合わせると、デュアルディスプレイを超えるトリプルディスプレイの構築も可能!すげえわ。コレ。
▼USB-CやDisplayPortに対応したモニターを持っていない人でも、端子をHDMIへと変換してくれる製品がありますのでご安心を。↓
▼左右には通風口が配置。排熱もきちんと考えられていそうです。↓
付属品・同梱物は最低限。SATAケーブルがついているのが特徴的!
▼付属品は本体以外にACアダプターとマニュアル、SATA接続用のケーブルが付属しています。↓
▼ACアダプターは65W(19V×3.42A)出力のもので、大きさはノートPCのACアダプターと同じくらい。通電時は赤いランプが点灯するので一目で分かるようになっています。↓
▼ACアダプターの端子は日本向けではなかったので注意が必要!↓
▼マニュアルは多言語対応。きちんと日本語も書いてありましたよ!↓
▼そして目を引くのがストレージ増設用のSATAケーブル。フレキケーブル剥き出しでいかにもPCパーツって感じの見た目。一瞬「何に使うケーブルなんだろう?」と思ってしまったのはここだけの話です。↓
USB-Cからの電源供給は不可!
T-bao MN27には先ほど紹介したようにUSB-C端子があります。ディスプレイへの出力が出来るなら給電も出来るんじゃないかと思ったんで、MacBook Pro用の60W ACアダプターでテストしてみました。
しかし、給電はされないようで電源ボタンを押しても全く反応無し状態でした。そう現実は甘くないってことか…ということでT-bao MN27を駆動させるにはACアダプターは必須ですので、持ち出す際にはACアダプターも忘れずに持っていきましょう!
分解して内部を覗いてみた!
T-bao MN27を分解してみました。
▼まずは底面の滑り止めゴムを外し、足部分にある穴の底部分で固定されているプラスネジを外すと分解可能です。↓
ただし、メモリやストレージへアクセスするには天板の蓋を外してから底面プレートの足をドライバーか棒で押し出す形になるので、最初はどう分解すればいいのか結構戸惑うかもしれません。
▼天板を外すとファンが鎮座しています。筐体のサイズを考慮すると結構大きめですね。↓
▼天板にはアンテナがくっついているのでちぎらないように注意!分解する際は細心の注意を払いましょう。↓
▼底面のプレートを外すとこんな感じ。メモリやストレージが並んでいるのが分かりますね。↓
▼メモリはAsintのDDR4-2666MHzが装着されていました。増設や交換の際は参考にしてみてください。↓
▼以下のようなノートPCタイプが適応しているので、換装の際は参考にしてみてください!↓
▼ストレージは同じくAsintのAS806が装着されていました。PCIe接続の512GBのSSDですね。2280サイズなので汎用性は高めです。↓
▼2280タイプのNVMe SSDだと以下の製品が鉄板ですので、換装予定の方は参考にしてみてください!↓
余談ですが、以前レビューしたT-bao MN25ではヒートシンクがついていたようですが、今回のT-bao MN27にはヒートシンクが付属してないようです。ロットによるものかそれともMN27自体がこの仕様なのか…
▼熱が気になる場合は、以下のようなヒートシンクをSSDに装着すると温度上昇が緩和されるので参考にしてみてください!↓
▼ちなみにSSDの下にはBluetoothカード(4.2)が刺さっています。これもM.2接続ですので、交換できる可能性は高いと思われます。↓
▼2.5インチストレージを増設するには付属品のSATAケーブルを基盤へと接続してからストレージへ接続する形となります。↓
▼ストレージは底面に配置できるように間仕切りがされているので、底蓋裏にはめ込んでから横のネジ穴をネジで固定しましょう。↓
ただし、固定用のネジは付属していないので自分で用意しないといけないのは注意。固定用のネジくらいならあまりコストもかからないでしょうし、併せて付属してない点は少し不親切だなぁと思いました。
▼以下の商品がHDD用インチネジですので、固定の際は別途購入するようにしましょう!↓
▼複数のネジがセットになったものもありますので、予備でネジが欲しい方はこちらもオススメです。↓
T-bao MN25のWindowsが英語。日本語に変更しよう!
早速電源を入れてみると、初期設定画面ではなく既に初期設定が完了していました。まっさらな状態で使いたい方は起動後に初期化しましょう!
▼あと、最初のWindowsの言語は英語設定なんですよ。ってアレ?これ何処かの記事で見たような…?↓
そう、実はこの現象は以前ガルマックスでもレビューした兄弟機種であるT-bao MN25での現象と同じなんです!ということは、日本語で使うには以下の言語パックを適用させる手順が有効ってこと!
▼Windowsの日本語言語パックのダウンロードや適用方法は以下の記事で書いてるので参考にしてみて下さい!↓
謎のパーティション分割!
T-bao MN27にはパーティションの分け方が変という謎な部分が存在します。
▼今回レビューしているのは512GBモデルなんですが、なぜかパーティションが最初から3つに分割済み!なんで?↓
まだ2つに分割されているなら分かるんですが、なぜか3等分。しかも各ボリュームの容量はバラバラ。せめてキレイにまとめてくれよ!
3分割状態が気になる方は使い始める前にパーティション整理をした方がいいかもしれませんね!
T-bao MN27の性能ってどんな感じ?
T-bao MN27はRyzen 7 2700Uを搭載。執筆段階では第3世代である4000番台がモバイル向けでの最新世代なので、2代前の型落ちの省電力ハイパフォーマンスCPUって感じです。型落ちのハイパフォーマンスプロセッサを軸にしたPCの実力をどのようなものか測っていきます!
▼ちなみにWindows 10のシステム情報はこんな感じ。↓
ベンチマークで性能をチェック!
端末の性能を数値化するベンチマークでT-bao MN27の実機を用いてテストしていきます。T-bao MN27がどのくらいの性能なのかチェックしてみましょう。
▼まずは総合的な性能が図れる定番ベンチマークソフトのPCMark 10で性能を測定しました!スコアは3739でしたので、以前レビューしたALLDOCUBE i7 Bookの2991よりも性能は高いと見ていいかと思います!↓
▼同じく有名なベンチマークソフトであるPassMarkでも計測しました!↓
▼レンダリング性能が測定できるCINEBENCHでも計測。スコアは1351でした。スコアではHUAWEI MateBook D 15の1426より劣るものの、先ほど比較として出したALLDOCUBE i7 Bookよりも断然高性能のようです!↓
登場した世代の関係からか、Ryzen 5 3500Uを搭載したHUAWEI MateBook D 15よりも少し低めにはなっていますが、モバイル向けとしてはかなり優秀。この辺はさすがGPUも開発しているAMDの強みと言ったところでしょうか。
世代こそ少し前とはいえ、モバイル向けのハイエンドモデルであるRyzen 7 2700Uの底力が発揮された形となりました。
内蔵されているSSDをチェック!
▼CrystaDiskInfoにて内蔵のSSDの情報をチェック。先ほど分解したときに確認はしていましたが、ここでもASint AS806と表示されています。やはりNVMeのSSDのようですね!↓
▼今までASintは聞いたことのないメーカーだったんですが、調べてみると中国をメインでSSDなどのストレージやメモリを発売しているメーカーのようです。Aliexpressでも販売しているみたいですね。↓
▼ストレージ速度の測定でよく用いられるCrystalDiskMarkで内蔵ストレージ速度を測定。速度的にNVMe SSDと思われます。ハイエンドNVMe SSDよりは劣るものの、体感上ではかなり快適。実使用でも不満は感じませんでした!↓
▼複数のファイル容量の読み込み、書き込み速度を一括でテストして、SSDの性能の傾向を示してくれるATTO Disk Benchmarkで検証してみました。↓
以上の結果より、T-bao MN27は執筆段階ではミドルレンジ上位程度の性能です。ネット閲覧や文書作成だけでなく、後述するようにゲームでも設定を工夫すれば十分に遊べる性能と言えるでしょう。
ゲームも設定を工夫すれば遊べる!
Ryzen 7 2700Uはモバイル向けのCPUでは処理性能が高く、内蔵グラフィックとしてハイスペックなRadeon RX Vega 10 Graphicsもついてきます。
Radeon RX Vega 10 Graphicsは内蔵グラフィックとしてよく採用されているIntel UHD Graphics 620よりもダンゼン高性能ですので、内蔵グラフィックでもどこまでゲームが動くのかチェックしていきます!
FINAL FANTASY XV ベンチマーク
まずは「FINAL FANTASY XV ベンチマーク」でチェック!
▼まずは「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」!1280×720の軽量設定で「重い」という結果に。ただ、テスト中は常時紙芝居ではなく、あるタイミングでカクッカクッとなる感じでした。正直快適とは言えない動きでしたね。↓
▼ベンチマークスコアの表も併せて記載しておきますので、測定スコアがどの程度の位置付けなのか参考にしてください。↓
FINAL FANTASY XIV ベンチマーク
少し前に登場したオンラインゲームであるFINAL FANTASY XIVのベンチマークもチェックしてみました。
▼ベンチマークスコアの表も併せて記載しておきますので、測定スコアがどの程度の位置付けなのか参考にしてください。↓
▼最初に1920×1080(FHD)の最高設定で測定。テスト中の動作は少しコマ送り気味。とりあえず動いてはいますが快適とは言い難いかも。↓
▼グラフィック品質を最高設定にしたまま、解像度を1280×720(HD)に落とした上で再度測定。スコアも改善し動作もソコソコ遊べそうな感じにまでもっていくことができました。↓
▼解像度を1280×720(HD)そのままでグラフィック品質を高画質(デスクトップPC)へ1段階落としてみました。当然ですがさらに快適になりました。ここまでくるとゲームの動作への不満は感じにくいレベルだと思います。↓
▼解像度を1280×720(HD)でノートPC向けの標準画質へ変更すると更に快適になります。動作もかなり快適っすね。↓
以上より、FINAL FANTASY XIVは1920×1080(FHD)の最高設定だとプレイするには厳しい感じですが、解像度を1280×720(HD)へ変更したり画質を少し落とす事で快適なゲームプレイも可能です。
ここまで動くなら大体のオンラインゲームは設定さえ気をつければ快適に遊べそうですね!
GRID Autosports
2014年にPS3/Xbox 360にて発売されたゲームであるGRID AutosportsのPC版をプレイ。発売時期的にはPS3からPS4への移行期のゲームです。このゲームにもベンチマークテストが用意されていたので測定してみました。
▼まずは手始めに最低画質のウルトラ・ローでテスト。平均FPSは118.53と余裕で60PFS越え。画質こそ少し劣るものの、動きはかなり軽快で不満の無い動きでした!↓
▼続いて画質を真ん中のミディアムにしてテスト。平均FPSは60.07と60FPSはなんとかクリア。画質と動作の快適さを両立させたいならミディアムでいいんじゃないかなぁ。↓
▼最後に画質を最高のウルトラにしてテスト。画質がかなりリアルになった分の負荷で平均FPSは24.63とかなり低下。動作もとりあえず動いているレベルで快適とは言い難かったですね。↓
最低画質のウルトラ・ローの動作はかなり快適でした。反対に最高画質のウルトラでは少しカクツキが感じられ、遊べはしますが快適とは言い難い動作でした。とはいっても紙芝居レベルまで酷くはなく我慢すれば遊べるかなって程度。
中画質のミディアムは前述のように画質と動作の快適さが両立できているのでいい感じ。画質も元のPS3版よりもキレイな上、動作も快適でいい感じでした!
VA11-Hall-A
▼昔のアドベンチャーゲームを意識したデザインが特徴のVA11-Hall-A(ヴァルハラ)をプレイ。VA11-Hall-A(ヴァルハラ)自体が軽量級のゲームだけあり、超快適に遊ぶことができました!↓
ゲームの動作まとめ:3Dゲームは設定次第で遊べるかも
以上より、T-bao MN27に搭載されているRyzen 7 2700Uは新しめの3Dゲームを遊ぶには力不足ですが、少し古めのゲームは設定次第で快適に遊べると言えそうです。
やはりグラフィックボードも開発しているAMDならではの内蔵グラフィックの強さを改めて感じることができました!
T-bao MN27の実機レビューまとめ
T-bao MN27はミニPCらしいコンパクトさはそのままに豊富な端子類やパワフルなプロセッサなど、メインPCとしても使えちゃう要素が盛り沢山の楽しめるPCでした。設定さえ煮詰めればゲームだって遊べちゃうので、ちょっとしたゲーム機としてもいいかもしれません。
また、価格面では今回レビューした16GB/512GBモデルが419.99ドルと4万円代前半なのもポイント高し。
確かに日本語化するには多少の作業が必要だったり初期のパーティションがややこしかったりするのはネックですが、それを考慮に入れても検討する価値はあるモデルだと感じました。
T-bao MN27はコンパクトだけどパワフルなPCが欲しい方やちょっとしたゲームが動くゲーム機が欲しいって方にオススメできるモデルです!ハイスペックミニPCを購入しようかと思っている方は是非本機も検討してみて下さいね!