現状だとワイモバイル回線を用いたMVNOの商品は苦戦する
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どうも、ガルマックスの猶木(ナオキ)です。
最近、MVNOが挙って参戦する「ワイモバイル回線を用いた通信サービス」ですが、普及するには非常に苦戦するのではないかと個人的には感じています。
私は「ワイモバイルと格安SIMどっちがいい?決め手は「モバイル通信の品質」。」でも書いている通り本家のワイモバイルを契約しましたが、記事を公開後に読者さんから「何故、ワイモバイル回線を利用したMVNOのサービスではなく、本家で契約したのですか?理由が知りたいです。」というお便りも頂いたので、私がワイモバイルを選んだ理由も残しておきます。
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ワイモバイルの回線を利用するなら「ワイモバイルの通信品質に準じている」と公言すべき。
ワンキュッパのCMでお馴染みのワイモバイル。ソフトバンクのセカンドブランドとして登場したワイモバイルは、「ワイモバイルの電波、エリア、対応バンドってソフトバンクと一緒?」でも書いた通り、ソフトバンクと全く同じ回線品質を提供しつつも非常にリーズナブルな価格設定が魅力です。
最近は、ワイモバイル(ソフトバンク)の回線を利用した通信プランをMVNOが徐々に打ち出していますが、この場合、突っ込んだ言い方をすると「私たちは独自で回線調整を行っていないのでピュアなワイモバイル回線品質で利用出来ます。」と公言しなければ、どんなに魅力的なMVNO独自のキャンペーンを打ち出そうとも、消費者が動くとは思えません。
消費者は「安心できる情報」が欲しい。
本家ワイモバイルに関する情報は検索すると沢山出てきます。それこそ良い事も悪いことも。
通信品質に関する情報も実際に利用した方の「リアルな声」が沢山蓄積されており、ガルマックスでもワイモバイルを契約したので情報を発信しています。
一方、MVNOがワイモバイル回線を利用してサービス提供を始めたのが2016年6月上旬からで、まだまだ通信品質に関しての情報が不足しており、その結果消費者は不安になります。
「MVNOが取り扱う」ことに潜在的な不安が残る。
格安SIMを提供するMVNO。一般的には大手キャリアから回線を借りて安く提供出来る第三のSIMフリーキャリアとして認知され始めています。
私は「格安SIMを検討中の方に「回線混雑時は通信速度が著しく低下する」と伝えたい」でも書きましたが、格安SIMが何故、格安で提供できるのか。格安で利用できる代償はなにか?を主体として何度か取り上げており、一般的にも格安SIMがどの様なものなのか認知され始めています。
この事から、MVNOがワイモバイルの回線を利用してサービス提供するにあたり、独自の「回線調整」が施されるのではないか?という不安が残ります。
私達が知っている事は「ワイモバイルの回線を利用している」という部分に留まってしまっています。ワイモバイル回線を利用しているという言葉で、ワイモバイルと同じエリアで利用可能なことは伝わりますが、「ピュアなワイモバイルの通信品質」で利用出来るのか分かりません。
個人的には、ワイモバイルの通信品質に準じているのであれば、公式でしっかりと公言するべき事ではないか。と感じています。
私は様々なMVNOのサービスも解説しているブロガーです。しかしながら、安心材料が圧倒的に足りない状況下で独自のキャンペーンのみ注目して勧めるという事は出来ません。
名指しで申し訳ないですが、ワイモバイル回線を利用したプランを提供しているU-mobileに関して「ソフトバンク系の格安SIM「U-mobile SUPER」が微妙だと感じる5つの理由。」という記事で酷評しています。理由は本記事で書いている事も含まれています。
ユーザーを獲得するには、心理的な不安を排除しながら独自の魅力を打ち出すマーケティングが必要。
ワイモバイル回線がMVNOに開放された事で、今まで格安SIMでは難しかった「大手キャリアと同じ使い勝手の商品」が提供出来るようになりました。
もちろん、ワイモバイルと価格も同等ですので、一般的な格安SIMの価格から考えると割高ではありますが、ワイモバイルと同じ「10分以下の通話が月間300回まで無料+データ通信」が1,980円から提供出来るので、各MVNOは挙って参戦するでしょう。
しかし、しっかりとユーザーの不安を払拭しなければ、安心材料が圧倒的に少ない現状では、大多数が情報が豊富な本家ワイモバイルを選択するのでは無いでしょうか。
事実、私自身がその様な考えで最終的にワイモバイルと契約しました。
私がワイモバイル回線を利用するMVNOの商品を見る限り、各MVNOがサービスや価格以外の「独自のキャンペーン」を積極的に打ち出している気がします。
もちろん、本家ワイモバイルにはない独自のキャンペーンがワイモバイル回線を利用するMVNOの魅力であることは間違いありません。
ワイモバイルとサービス内容や価格が同等でその点を調整出来ないのであれば、「通信品質はワイモバイルに準じているので安心」という部分と「ワイモバイルには無い魅力的な独自キャンペーンをウチでは提供していますよ」という2つの柱を立てて市場にアピールしなければ、MVNO発のワイモバイル回線を利用した通信サービスは非常に険しい道程となりそうです。
おしまい。