Xiaomi 14T Series 1100x150

ZenFone ARの実機レポ。高度なVR/ARを体感出来たので魅力を語る

ZenFone AR

日本でも発売予定のASUS ZenFone ARを、5月下旬から6月上旬まで台湾・台北で開催されていたCOMPUTEX TAIPEI 2017で触ることが出来た。

ZenFone ARは高品質なVR/ARを楽しめるハードウェア構成がウリの端末。これまでもスマートフォンで簡易的なVR/ARコンテンツを利用し体験することは可能だったが、ZenFone ARは一歩も二歩も先を進む最新のVR/ARコンテンツが楽しめる端末だった。

今回はVR/ARを中心に実機を触り感じた事をまとめてみたいと思う。

高品質なVRコンテンツを楽しめるDaydreamに対応。

Daydreamとは、高品質なVRコンテンツのプラットフォーム。

スマートフォン向けのVRコンテンツが簡易的なものにとどまっているのは、「高度なVRコンテンツを出してもユーザー側が快適に動く端末を持ち合わせているか分からない」から。

高度なVRコンテンツを楽しむ場合、必須となるセンサー以外に高度なグラフィック処理が可能なパワフルなGPU、処理能力の高いCPU、高精細&低遅延でコンテンツが表示できるディスプレイが必要となる。

Daydreamはこの様な高度なVRコンテンツを楽しめるハードウェア構成を明確化することで、ソフトウェア開発者側も基準となるハードウェア性能を活かし切れるコンテンツを制作できる。後は簡単だ。「この高品質なVRコンテンツを利用するにはDaydream対応の端末が必要です」と言えば良い。

少し話がそれたが、ZenFone ARは高品質なVRコンテンツが楽しめるハードウェア構成の端末でDaydream”印”の付いた端末。というわけで今後登場するであろうDaydream準拠のVRコンテンツを楽しめる。

高品質なVRとは。

高品質なVRとは何か。

僕は「高解像度・高フレームレート・低遅延・高品質3D表示」この4つそれぞれが高い次元で融合したモノが高品質なVRだと思っている。解像度は高ければ高いほど精細な表示が可能だし、フレームレートが高ければ表示は滑らか、低遅延ならリアルタイム性が問われるコンテンツも楽しめるし、高品質な3D表示が可能ならばリアリティーが増す。

Daydreamに対応したZenFone ARは、簡易的なVRコンテンツしか体験できなかったモバイル端末で品質が向上する4つの要素を劇的に底上げした端末だ。

▼ZenFone ARブースで展示されていたGoogleストリートビューの”中”に入れるコンテンツ。高解像度な写真でもグリグリ見渡せ、まるで”その場に居る”感覚に陥る。↓

高度な描写能力でリアル感が倍増する

▼リアルタイム性が高いゲームコンテンツも超低遅延で遊ぶことが可能だった。↓

リアルタイム性が問われるゲームもサクサク表示できた

ARコンテンツの固定表示が端末単体で可能となる”Tango”に対応。

ここからはARに関する事をまとめたい。

ARとは現実世界を拡張する技術で、分かりやすいコンテンツだとポケモンGOのARモード。現実世界にキャラクターを表示させて現実世界を”拡張”している事が分かる。

ARコンテンツは現実世界にコンテンツを拡張して表示出来るが、これまでコンテンツの固定表示が苦手だった。これは仮想空間に設置するコンテンツはカメラから取り入れた現実世界の映像情報から位置把握を行い表示していたからだ。

少し前だと、”ARカード”と呼ばれるカードを置き、そこに仮想コンテンツを表示することで位置把握していた。しかし、これだと端末以外にARカードが必要で、仮想コンテンツを複数設置する場合は沢山のARカードが必要となり一般的に普及しなかった。

この事から”Tango”はハードウェア単体で位置情報を正確に得るために3つのカメラを搭載。端末単体で高度な位置把握が可能となり、その結果、仮想コンテンツの固定化が劇的に改善した。

3つのカメラを搭載するTANGO

仮想コンテンツが固定化されるとどうなるのか。

仮想コンテンツの固定化が可能になると、実際に現実世界に物を置いている状態に極めて近い感覚でARコンテンツを楽しめる。

▼ZenFone ARの高度なAR機能を試せるBMWのARコンテンツ。目の前に実物大の車両が表示され固定化される。端末を持って仮想コンテンツの車両に近づいたり、回り込んだり、車のドアを開けて中を覗き込むという動作は現実世界の車を実際に観ているようだった。

仮想コンテンツが現実世界にしっかり固定化されているからこそ、”そこにモノがある”と錯覚出来る。ZenFone ARのAR表示能力は想像を遥かに超える出来栄えだと感じた。

端末単体でARコンテンツの固定表示能力が高くなると様々な分野で活用される。

AR技術が更に発展し様々な端末で仮想コンテンツの固定表示が可能となれば、「ライフスタイルが大きく変わるな」という印象を受けた。

例えばネットショップで家具を買う場合、実物大の仮想化された家具コンテンツを部屋に設置してから購入検討することが可能となる。実際に自分の部屋に実物大の家具コンテンツを置くことで、サイズ感だけでなく雰囲気までも感じ取る事が出来るだろう。

家具、家電、洋服、ありとあらゆるモノが仮想化コンテンツで実際に目の前に表示出来るのだから、今後、更にAR技術が発展すると”実物”を見るために出かける事も少なくなるかも知れない。

ZenFone ARではその様な先進的AR技術を体験できる端末だ。

ZenFone ARのVR/ARまとめ。

VRは現在の簡易的なVRコンテンツの延長線上であり、よりクオリティーが高くなるという印象。高度なVRコンテンツはモバイル端末以外で盛んなので、目玉が飛び出るほどの衝撃は無かった、

しかし、ZenFone ARの端末名にも採用されている”AR”に関しては体験して衝撃を受けた。

現在はモバイルARの黎明期。”Tango”端末はまだまだ少ないし、それらのハードウェアを活かすコンテンツだって少ない。しかしながら「これからはモバイルARが爆発的に普及する」と強く感じることのできる出来栄えだった。

今でこそ”キワモノ”扱いのZenFone ARだが、一歩先ゆく近未来のライフスタイルを体験できる素晴らしい端末だと思う。

”Daydream”と”Tango”はハイエンド端末のトレンド機能になるかも。

去年のハイエンド端末のトレンド機能は”デュアルカメラ”だったが、今年に入り低価格帯の端末でもデュアルカメラを搭載した端末が増えてきた。

じゃあ次は何をハイエンド端末のトレンド機能とするか。僕はハイエンド端末だからこそ搭載できる”Daydream”と”Tango”が一番近いと思う。

来年の今頃には”Daydream”と”Tango”対応のハイエンド端末が増えることを期待したい。

ページトップへ