RTX 4070Tiの自腹レビュー。RTX 3080Tiとの比較とDLSS 3の実力をチェック!
NVIDIA最新グラフィックカードのRTX 4000シリーズが登場しましたね!自腹でRTX 4070Tiを購入したのでレビューをお届けします!
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RTX 4070Tiを購入した理由
僕はRTX 3070→RTX 3080Tiとグラボを交換してきたんですが、どちらも同世代。
一方でRTX 4000シリーズは世代が変わり、アーキテクチャはNVIDIA AmpereからAda Lovelaceへ、レイトレーシングコアは2世代から3世代に、Tensorコアが3世代から4世代へと刷新。また超解像技術のDLSSに「フレーム生成」が加わったDLSS 3にパワーアップするなど、世代交代による進化が凄いんです。
とまぁ、色々変わったんで世代交代時の進化を体験したくて購入しちゃいました。
主に4Kディスプレイでゲームをプレイしている身としてはDLSS 3の効果が一番気になるポイントなので、このあたりも確認してみようかと思います!
【DLSSについて】
DLSSはアップスケーリング技術です。例えば4Kでゲームの動作が重くてFHDに解像度を下げると映像がボヤけてしまいますが、DLSS対応ゲームなら4K解像度でシャキっと表示してくれます。またDLSSは機械学習するのでアップスケーリング時の映像品質が高いとされています。
DLSSは低い解像度でレンダリングを行うのでフレームレートが向上しつつ、4Kのクッキリ綺麗な映像で遊べるってのが良いところなんですが、DLSS 3は新たに「フレーム生成」が加わったので、従来よりも高いフレームレートで遊べるとされています。
買ったのはMSI RTX 4070 Ti GAMING X TRIO 12G/A VD8369
購入したのはMSIのRTX 4070 Ti GAMING X TRIO 12G/A VD8369です。お値段は執筆時点で156,010円…。円安の影響もあるんでしょうけど、グラボってめちゃ高くなりましたね。ちなみに海外だと799ドル。
なお、MSI製のRTX 4070Tiは3モデルあって、購入したのは中間グレード。リファレンスよりも少しブーストクロックが盛られているようです。
▼グラボの価格ってコロコロ変わるんでリアルタイム価格は以下からチェックしてみて下さい!↓
RTX 4070TiとRTX 3080Tiのスペックをざっくり比較
RTX 4070TiとRTX 3080Tiをザックリ比較するとこんな感じ(リファレンス)
項目 | RTX 4070Ti | RTX 3080Ti |
アーキテクチャ | Ada Lovelace | NVIDIA Ampere |
CUDAコア | 7680基 | 10240基 |
ブーストクロック | 2.61GHz | 1.67GHz |
ベースクロック | 2.31GHz | 1.37GHz |
メモリ | 12 GB GDDR6X | 12 GB GDDR6X |
メモリバス幅 | 192ビット | 384ビット |
DLSS | 3 | 2 |
最大消費電力 | 285W | 350W |
推奨電源 | 700W以上 | 750W以上 |
一般的にCUDAコアの多いほうが高性能って感じなんですが、今回は世代が変わってコア性能が高くなったことに加えブーストクロックも大幅に引き上げられています。一概にCUDAコア数だけでトータル性能を判断するのは難しいっすね。
僕としては4Kモニターでゲームをプレイしているのでメモリバス幅が気になるポイントかな。あと80番台から70番台にグレードが下がったんで仕様だけ見ると、まぁ正直不安です(笑)
良いなと思ったのはブーストクロックが引き上げられているけど最大消費電力が285Wってところ!これは有り難い!最近電気代も高くなっちゃったしね(´・ω・`)
ってことで個人的には消費電力が下がってRTX 3080Tiよりも高パフォーマンスなら万歳!って感じです!ってことで開封していきましょう!
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RTX 4070Tiデカすぎ!ケースサイズに注意せよ
開封してビックリしたのは大きさ。RTX 3080TiはGainward製で割とコンパクトな部類だったのもあって、この大きさには驚きました。これケースが小さいと入らないかも。
▼MSIのRTX 4070 Ti GAMING X TRIO 12G/A VD8369の独自ファンが大きいってのもありますが、3スロット必要で横幅は約340mm。重量も約1.6Kgとヘビー級。RTX 3080Tiより大きさも重量も増してます。↓
▼筐体はこんな感じ。金属パーツを多く使ってるGainwardのRTX 3080Tiのが正直カッコいい。↓
電源は12ピンなんですが8ピン×2→12ピンの変換ケーブルが付属してました。あと、本体を支えるステーが同梱されているんですが、これは必ず取り付けてくださいね。使わないとたぶんもげます。
RTX 4070Ti vs RTX 3080Ti。フレームレート対決!
今回はすべて4Kで測定を行っています!
ちなみにGPUのドライバーはRTX 4070Ti/RTX 3080Ti共に執筆時点の最新にしています!検証するPCの構成は以下の通り!
- CPU:Ryzen 9 5900X(まぁまぁ)
- メモリ:DDR4 2666MHz/8GB×2(ショボい!)
ディスプレイは4K/160Hzに対応しちゃってるInnocn 27M2Vを使用してます。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレでは同一設定(4K)でベンチスタート。
うぉおおおお!RTX 4070Tiがスコア高い!!!もうこの時点で「RTX 3080Tiより性能低いかも?」という不安をちょっと払拭できた!
ちなみにファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレは1mmも遊んだこと無いんですが、ベンチでは最低フレームレートが60FPSを軽く超えていたので快適かと思います!
サイバーパンク2077
サイバーパンク2077は頭おかしいくらいの激重ゲーム。まずは一番重い以下の設定でベンチマークモードを走らせてみます。
- 解像度は4K
- 画質設定は最高設定
- レイトレーシングはオン
- DLSSはオフ
結果は上記の通り!
フレームレートはRTX 4070Tiが高いんですけど、うん、やっぱり4Kの最高設定だとDLSS使わなければ普通にプレイするのも難しいですね。
まあ、RTX 4090ですらこの設定だと23FPS前後ってネットで見かけたんで、映像美をウリとするタイトルでの4Kプレイはアップスケーリングありきって感じですね〜。
では続いてDLSSをオンにして測定してみます。
- 解像度は4K
- 画質設定は最高設定
- レイトレーシングはオン
- DLSSはオン(パフォーマンス)
結果は上記の通り!
DLSSを利用したアップスケーリング状態だと、最高設定でもなんとかプレイできるかな?という感じ。ただ表示しているのは平均FPSなので、シーンによっては30FPSを切ることも。
というわけで、RTX 4070TiはRTX 3080Tiよりも高いフレームレートを叩き出しているものの、4K解像度の最高設定だとDLSSを使っても快適にプレイできるとは言い難い感じです。この状態だと画質を下げるなど妥協が必要ですね。。。
しかーし!実はサイバーパンク2077は「まだDLSS 3」に対応していません。今後、DLSS 3に対応予定なんですが、そうなると「フレーム生成」が開放されます。
つまり、現時点でのRTX 4070Tiは「伸びしろがある状態」ってことなんです。サイバーパンク2077がDLSS 3に対応したら追加検証してお伝えします!
CoD: MW2
CoD: MW2もベンチマークモードで測定してみました。まずは一番重い以下の設定。
- 解像度は4K
- 画質設定は極限設定
- DLSSはオフ
上記はDLSSをオフにした状態なんですが、RTX 4070Tiのパワー凄い!ただ、上記は平均FPS。高負荷時にはRTX 4070Tiも40FPSを割ることがあったので、常時60FPSを割りたくない僕としてはやっぱDLSSは必須かなー。
じゃあ次はDLSSをオンにした状態で測定してみます!設定は以下の通り!
- 解像度は4K
- 画質設定は極限設定
- DLSSはオン(パフォーマンス)
おおおお!フレームレートの伸び幅がエグい!
RTX 3080TiもDLSSでガツンとフレームレートが向上しているんですが、RTX 4070Tiはそれを凌駕する勢いです。これもブーストクロックが高くなったのとDLSS専用チップが新世代になっている点が効いているんですかね?
ちなみに最低フレームレートはRTX 3080Tiが71FPSに対しRTX 4070Tiが90FPSでした。RTX 4070TiだとCoD: MW2は今まで以上に4Kの高リフレッシュレートディスプレイの性能を活かせそうですね!
APEX LEGENDS
APEX LEGENDSはDLSSに対応してないんで純粋な4Kレンダリングでの4K出力。ベンチマークモードが無いので射撃場でマラソン+射撃時とバンガロールでスモーク2発+ウルト時のフレームレートを測定してます!
- 解像度は4K
- 画質設定は最高設定
- 射撃場マラソン+射撃
個人的に一番遊んでいるゲームだからフレームレートの向上に期待していたんですが・・・全然変わりませんでした(笑)
ちなみにスモーク2発+ウルト時はこんな感じ!
- 解像度は4K
- 画質設定は最高設定
- 射撃場でスモーク2発+ウルト
うん、やっぱりほぼ変わりません。なんならRTX 3080Tiのほうが僅かに高いフレームレートだったので(´・ω・`)ショボーンってなりました。
ただ個人的に救いなのが、APEX LEGENDSはマルチプレイゲームなんで基本的に画質は出来るだけ下げてプレイしているってこと。(綺麗過ぎると敵が見づらくなるので!)
画質を色々下げたいつもの設定にすると僕の持っている4K/160Hzのディスプレイ性能を活かしきれる160FPS張り付きでプレイできたので、まあいっか!って感じです(笑)
でも、APEX LEGENDSメインならRTX 3080TiからRTX 4070Tiに乗り換える魅力は全く無いと思います!
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DLSS 3の実力を試す。フレームレート2倍は本当なのか
ここまではRTX 3080Tiでも使えるDLSS利用時や、DLSSをオフにした素のGPUパワーを見てきましたが、ここからはお待ちかねのDLSS 3を試していきます。
ちなみにNVIDIAはDLSS 3から新たに加わった「フレーム生成」によりフレームレートが2倍になると言ってるんで、そこんところも実際に試して確認してみようかと思います!
※この項目ではDLSS 3が利用できないRTX 3080Tiのデータは出してませんが、基本的にDLSSオフ時、DLSSオン時はRTX 4070Tiがより高いフレームレートでした!
Marvel’s Spider-Man: Miles Morales
Marvel’s Spider-Man: Miles MoralesはDLSS 3対応の最新ゲーム。もちろんレイトレーシングにも対応しています。
それでは画質を4Kの最高設定(非常に高い)でレイトレーシングはオンにした状態で「DLSSオフ」と「DLSSオン+フレーム生成オン」にした状態で比較!
▼左はDLSSオフ、右がDLSSオン+フレーム生成↓
ちょっと画像だと見づらいので表にまとめてみます。
設定 | フレームレート |
DLSSオフ フレーム生成オフ |
最小:31FPS 平均:42FPS 最大:61FPS |
DLSSオン (パフォーマンス) フレーム生成オン |
最小:68FPS 平均:84FPS 最大:99FPS |
DLSS+フレーム生成の威力スッゲー!
NVIDIAのフレームレート2倍ってのが測定時の最小時なのか平均時なのか最大時なのか分からないけど、最小では2倍以上、平均では2倍となっていて、個人的にはDLSS+フレーム生成でフレームレート2倍ってのは盛った表現では無いかなって感じた!凄すぎる!
システム全体の消費電力が100Wくらい下がった!
概ねRTX 3080Tiよりも高いパフォーマンスを叩き出してきたRTX 4070Tiなんですが、消費電力はシステム全体でなんと100W程度下がっていました。ワットパフォーマンス高い!
僕の環境だとRTX 3080Tiでは510W前後、RTX 4070Tiでは410W前後って感じです。100Wの差はデカイ。
来月の電気代はちょっと下がってるかもと期待しています(笑)下がってたらその分をエペで課金します。
まとめ
RTX 3080TiからRTX 4070Tiへの乗り換えはランク的にはグレードダウンなんですが、RTX 3080Tiよりも消費電力が下がりながらも概ね高いパフォーマンスだったので大満足な結果でした!メモリバス幅も気にしなくて良いかもってレベルです。
まあ、APEX LEGENDSみたいにほぼ変わらんよってゲームもありますが、サイバーパンク2077やCoD: MW2など従来のDLSS対応ゲームでは高いフレームレートが出ていたたし、RTX 4070TiはRTX 3080Tiよりもパワフルと言って良さそうです。
また、目玉となるDLSS 3対応タイトルでは、NVIDIAがフレームレート2倍と謳っている通り、確かに劇的にフレームレートが向上していて、世代交代による飛躍的な進化を体験することができました!凄すぎる!
これまでの4KゲーミングではDLSSを使って60FPS前後いったら万歳!って感じでしたが、DLSS 3に進化したことで4Kの高リフレッシュレートディスプレイも活かせるシーンが増え、本格的に4Kゲーミングが始まったなと実感しました。
まだまだDLSS 3対応タイトルは少ないですが、これから続々と出るみたいなんで楽しみですね!RTX 4070Tiは4Kディスプレイを活かせるパフォーマンスを持っているので、4Kゲーミングデビューのグラボとしても人気が高くなりそうです!
それではRTX 4070Tiのレビューでした!