XRING O1(玄戒 O1)発表!AnTuTu300万、Xiaomiから独自SoCがキター!だけど…

Xiaomiが独自SoC「XRING O1(玄戒 O1)」を発表しました。4年もの歳月、135億元の費用をかけ登場した、AnTuTuスコアの公称値300万超えの正真正銘ハイエンドSoCです。

実は2種類あるXRING O1

XRING O1のローンチ端末としてXiaomi 15S Pro、Xiaomi Pad 7 Ultraが登場しましたが、それぞれに搭載されているXRING O1の仕様は若干異なります。

本記事ではXiaomi 15S Proに搭載されているXRING O1をスマホ版、Xiaomi Pad 7 Ultraに搭載されているXRING O1をタブレット版と呼びます。

現状最強の10コアCPU

スマホ版の構成は以下の通り。

  • 2×Arm Cortex-X925(3.9GHz、2MB L2 cache)
  • 4×Arm Cortex-A725(3.4GHz、1MB L2 cache)
  • 2×Arm Cortex-A725(1.9GHz、1MB L2 cache)
  • 2×Arm Cortex-A525(1.8GHz、512KB L2 cache)

タブレット版の構成は以下の通り。

  • 2×Arm Cortex-X925(3.7GHz、2MB L2 cache)
  • 4×Arm Cortex-A725(3.04GHz、1MB L2 cache)
  • 2×Arm Cortex-A725(1.89GHz、1MB L2 cache)
  • 2×Arm Cortex-A525(1.8GHz、512KB L2 cache)

CPUは10コア構成!とはいってもArm Cortex-A525は性能が低く、あってないようなものなので実質8コアと言っても差し支えないかな。

競合のMediaTek Dimensity 9400では1コアだった強力なArm Cortex-X925をなんと2コアも搭載。クロック周波数も本SoCのほうが高くなっています。強い。

最新のCortex-A725を6コア搭載しており型落ちのArm Cortex-X4やArm Cortex-A720を搭載しているDimensity 9400より電力効率が良いことは明白です。

脅威の16コアGPU

GPUには16コアのArm Immortalis-G925 MC16を搭載。Dimensity 9400は同GPUの12コア版です。バケモンやんけ。ただし、SLCキャッシュがない分電力効率は下がります。

NPU

NPUは6コア構成で、44TOPSに達するそうです。

メモリ/ストレージ

メモリはLPDDR5T、ストレージ規格はUFS4です。

通信

Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4に対応。対応コーデックはAAC、LDAC、LHDC 5.0。

スマホ版は5G通信に対応しますが、MediaTek T800という外部通信モデムを搭載しています。

これの何が問題かって、外部モデムはモバイルデータ接続時の電池消耗が激しいんですよね。

これはAppleが長年苦しめられていた問題でもあります。AppleはApple C1という独自モデムをiPhone 16eで発表しましたが、これはiPhone16 Proシリーズに搭載されているQualcommの通信モデムであるSnapdragon X71Mより最大25%程度の省電力だったりします。

なので、今後の課題として独自通信モデムの開発があげられますね。XRING O1と同時に4GモデムのXRING T1が発表されているため、将来的にはこの欠点も克服してくれるはずです。

まとめ

Xiaomiは以前から独自SoC開発の必要性を訴えており、過去にも「Surge S1(澎湃S1)」という独自チップを発表していましたが、後発SoCを出せずにいました。「XRING O1(玄戒 O1)」は満を持して登場したXiaomi念願のSoCといえます。

XRING O1は他社のフラグシップSoCに対抗できるレベルに達しています。しかしながらコスト、通信、最適化などの課題も多く、現状、ユーザーがあえてXRING O1搭載端末を選択する理由はほぼないでしょう。嫌な言い方をすれば、8 Elite並みに高価で、ちょっと強いDimensity 9400モドキにすぎませんから。

Xiaomi CEOの零準氏も「玄戒O1 作为后来者,肯定有不完美的地方,只要坚持下去,一定会越来越好!(XRING O1は後発SoCで、まだまだ不完全ですが、粘り強く開発していくことでより良くなっていきます!)」と述べており、後継SoCの開発に積極的です。今後に期待できるSoCですね!

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