ユピテル「marumie Q-01」の実機レビュー!720°全方位録画の全天球ドラレコ

marumie Q-01

ドライブレコーダーを数多くリリースするユピテルさんから最新型のドライブレコーダーmarumie Q-01をお借りしたので実機を用いたレビューをお届けします!

業界初となる全方位記録型の720°撮影をウリとしているユピテル「marumie Q-01」。果たしてどれだけの実力を秘めているのか実機で試してみます。

marumie Q-01の価格

▼執筆時点の価格はAmazonで49,680円。少々値は張りますが、単純に全方向を撮影できる全天球カメラでも3万円~4万円なので妥当な価格設定です。↓

ユピテル「marumie Q-01」の総合評価とオススメしたい方

[良かった]

  • 全方位が丸見えで死角がほぼ無い
  • 操作がシンプル
  • 全方位の映像を記録しているのに状況が把握できる画質を確保している
  • GPSを備えているので経路や速度も記録可能
  • 専用ビューアソフトで簡単に全方位録画映像が視聴出来る
  • 駐車記録機能も拡張機能として用意されている

[イマイチ]

  • marumie Q-01の端末設定や映像の視聴など全て専用ビューアー上での操作となるためPCが必須
  • 平面撮影の端末と比較したとき、画質が下がる場合がある

[総合評価]

衝突事故の7割が後方や側面からの衝突が多いという統計もあるので、前だけでなく左右や後ろも合わせて記録したい方に向いている端末です。

あと、一般向の方以外にオススメしたいのが個人タクシーを運営されている方やバスなど乗客を乗せる仕事をされている方。全方位の記録が可能なのでドラレコとしては勿論、室内監視も出来てしまうので商用利用に是非オススメしたいです。

前後左右に4つのドラレコを取り付けなくてもmarumie Q-01の1台で広範囲の記録が出来るので、コンパクトで省スペース。配線も1本で良いのでゴチャゴチャしません。

但し、後述しますが全方位を記録出来る全天球製品はmarumie Q-01に限らず平面記録するモデルよりも画質が劣ります。(とは言いましても状況が把握出来る画質は確保出来てます)

この点も詳しく書いているので是非読み進めて下さい。

一点、扱いにくさを感じたのは、marumie Q-01の設定、映像視聴の全てで専用ビューアを利用しなければならないこと。

専用ビューア自体は扱いやすく操作性も良いのですが、設定を変更したり撮影した映像を視聴するには「専用ビューアをインストールしたPCが必要」であることは覚えておきましょう。

業界初の全方位が記録できるmarumie Q-01。値は少々張りますが、全ての映像を記録したデータを視聴すると、その凄さに驚き、空間全体を残せるという利点をヒシヒシと感じる事が出来る出来栄えです。

marumie Q-01のスペック

▼公式サイトでの仕様表↓

電源電圧 DC5V(DC12V/24Vマイナスアース車用)
消費電力 7W
カメラ素子 200万画素カラーCMOS
視野角 水平360°×垂直360°(2カメラ映像を合成)
記録解像度 200万画素
画像サイズ 2560×1080
画質 HDR(ハイダイナミックレンジ)
最低被写体照度 1LUX(ルクス)
記録媒体 SDHCカード(16GB付属)
映像ファイル形式 H.264
フレームレート 30,15,10,5,1コマ/秒、2,1コマ/分、12,6コマ/時
記録映像再生方法 専用ビューアソフト
動作温度範囲 -10℃ ~+60℃
外形寸法 78(W)×67(H)×58(D)mm (突起部除く)
※取付ブラケット(テープ貼付)装着時79(H)mm( 窓ガラス25°想定の場合)
重量 約115g(SDカード含む)
製品保証期間 3年(消耗部品は除く)
付属品 5Vコンバーター付電源直結コード(約4m)(1)
ブラケット(本体に装着済)(1)
両面テープ(1)
六角ネジ(M4×25㎜)(本体に装着済)(1)
六角レンチ(M4)(1)
精密サラネジ(M2.6×5㎜)(1)
専用SDカード<16GB>(1)
取扱説明書・保証書(1)

marumie Q-01の同梱品と外観をチェック!

▼購入するとこんなパッケージで届きます。↓

marumie Q-01

▼電源ケーブルはコンバーター付きの直結コードが付属。通常なら直結コードはオプション扱いですがmarumie Q-01は標準で付属。取り付けはカー用品店に任せたほうが良さげです。

marumie Q-01

▼本体の正面にはブザー用スピーカーが備わっており、丸いカメラにレンズが備わっています。↓

marumie Q-01

▼引っくり返すと車載時に自動車へ貼り付ける為のブランケット(装着済み)が備わってました。そしてこちらにも丸いカメラにレンズが備わってます。

marumie Q-01

▼固定用ブランケットは横にスライドすることで本体を取り外す事が可能です。車に設置後も簡単に本体を取り外すことが出来てGood。↓

marumie Q-01

marumie Q-01

▼本体のサイドをパカリと開けるとSDカードスロットが挿入できるスロットが備わっています。このカバーはネジでガッチリ固定することが可能です。↓

marumie Q-01

▼反対側の側面には電源端子と謎の丸い穴。

marumie Q-01

▼実はこの丸い穴、カメラの角度を固定するネジにアクセスするための穴です。付属の六角レンチで固定しましょう。↓

marumie Q-01

▼ちなみに角度はこれくらい可動します。これだけ可動するのでフロントガラスだけでなくダッシュボード上への設置も可能です。↓

ボタンはシンプルに1つだけ。カメラの頭の部分に端末状態を知らせてくれるLED付きのプッシュボタンが備わってます。↓

marumie Q-01

付属品に関してですが、今回はサンプル品の貸出ということで取扱説明書は付属していませんでしたが、通常パッケージなら以下が全て同梱されています。

  • 5Vコンバーター付電源直結コード(約4m)×1
  • ブラケット(本体に装着済)×1
  • 両面テープ×1
  • 六角ネジ(M4×25㎜)(本体に装着済)×1
  • 六角レンチ(M4)×1
  • 精密サラネジ(M2.6×5㎜)×1:SDスロットのカバーを固定するネジ
  • 専用SDカード<16GB>×1
  • 取扱説明書・保証書×1

取扱説明書は公式サイトから閲覧可能なので万一紛失してしまっても安心。

marumie Q-01の機能をチェック!

ドラレコ1台で全方位の動画を記録出来る

▼marumie Q-01の最大のウリはやはりこれ。水平360°、垂直360°の全方位である720°を1台のドラレコで全て記録が可能です。↓

marumie Q-01

GPSを搭載しているので経路や速度も記録可能

marumie Q-01

高級ドラレコといえばGPS。marumie Q-01もバッチリ内蔵されており標準機能として利用可能です。

全方位の映像を記録出来るだけでなく、GPSを利用した経路の記録、走行速度の記録、加速状態の記録など、万が一のトラブル時に役立つGPS情報を常時記録してくれます。

安心のドラレコ基本機能を網羅

ドラレコだからドラレコの基本機能が搭載されていて当たり前!と考えがちですが、最近流行りの海外輸入製品は「日本市場に合致していない」事が多く、日本で利用するにはドラレコとしての役目を果たせない製品も多数流通しています。

marumie Q-01は日本市場向け製品なのでドラレコの基本機能も日本で利用する事を前提にチューニングされている安心なドラレコです。

Gセンサーに対応

marumie Q-01

Gセンサーとは衝突を検知するセンサーでドラレコで必須となるセンサーの1つです。

ドライブレコーダーは常時撮影という特性から、動画は短時間でファイル分けされ、SDカードの容量がいっぱいになると一番古いファイルを削除して上書きを行うことで、一定時間分の録画情報をSDカードに記録しています。

でも、万が一事故が起こった時のファイルが上書きされて消えてしまったら困りますよね。

そこで出番となるのがGセンサーなのです。

Gセンサーが衝突を検知すると、衝撃を受けた瞬間を記録しているファイルとその前後のファイルの計3ファイルが自動的に別フォルダーに移され上書きされないように自動で保護してくれます。

このGセンサーが無いと万が一のトラブル時の映像が残っていないという最悪のケースに発展するので、marumie Q-01だけでなくドライブレコーダーを購入する時はGセンサー搭載端末を購入して下さいね。

マルチトリガー機能も搭載

marumie Q-01

交通事故は1度の衝突だけとは限りません。

marumie Q-01はマルチトリガー機能を搭載しているので、衝撃を検知して一定時間以内に再度衝突を検知した場合は同一のファイルとして連続で記録・保護してくれます。

日本のLED信号機に対応

LED信号機は点灯しているように見えて、実は高速で点滅しています。そして動画撮影はパラパラ漫画の様に複数の画像で動きある動画に仕上がります。

このLEDの点滅と動画(複数の画像の記録)は相性が悪く、例えば動画に使われる画像1と2の間にLED信号が点滅している点灯状態が同期してしまった場合、動画的にはLED信号の消灯時しか記録されず、撮影した動画を視聴した時に常時消灯状態で信号の色が分からなくなる場合があります。

海外の安いドラレコはこのLED信号に非対応の場合が多く、ドラレコとして満足に機能しない場合もあるのですが、marumie Q-01はバッチリLED信号機に対応しています。

地デジノイズ対策済み

ドライブレコーダーは目に見えない周波数を発しており、日本の地デジで利用されている電波に干渉する事があります。

海外では日本で利用している地デジ電波は利用されていないので特段問題ではありませんが、未対策の製品だとドラレコの電源を入れていると地デジが映らないという事態に陥ります。

marumie Q-01はバッチリ地デジ対策済みなので地デジやカーナビに影響を与えにくい仕様となっています。

HDRに対応

marumie Q-01は高級機なのでHDRもバッチリ搭載。

HDRは動画の白飛びや黒つぶれを抑える機能で、凄くいい感じの白い部分と、凄くいい感じの黒い部分の2つの映像を合成して、白も黒もめちゃくちゃ良い感じの動画に仕上げてくれます。

美しい映像が撮影できるので鮮明・明瞭な映像を残すことが出来る高級機御用達の機能です。

12V/24V車にも対応している

marumie Q-01

珍しい24Vにも標準で対応しているので、自家用車だけでなく大型トラックにも搭載可能で幅広い車種に取り付けが可能です。

オプションで駐車時の記録も対応できる

ドライブレコーダーは運転中の映像を記録することを目的とした製品ですが、marumie Q-01はオプション品を利用することで車を離れた際にも映像を記録できる「駐車記録機能」が利用可能となります。

▼駐車記録機能は駐車時でも通常の常時録画や衝突を検知して保護するイベント記録が可能となります。↓

marumie Q-01

ちなみに付属の直結コードはオフタイマーが備わっておらず長時間車を駐車している時に録画が続くとバッテリーが上がってしまう可能性があるので、必ずオプション品を利用しましょう。

marumie Q-01を実際に使ってみた!

それでは早速marumie Q-01の実機を用いて使い勝手などをチェックします!

何をするにしても”専用ビューア”が必要

marumie Q-01

marumie Q-01の最大の欠点といっても過言ではない部分がこれ。

SDカードのフォーマットから本体の記録設定、撮影後の動画視聴、外部ファイル保存まで全て専用ビューアで操作を行います。

この専用ビューア。PCじゃないと動かないので、marumie Q-01を購入するとPC操作も必須となります。

通常のドラレコも撮影した映像を視聴するにはPCで行うことが多いハズですが、marumie Q-01で撮影した映像は専用ビューアでしか再生できません。つまり、出先のPCは専用ビューアをインストールしなければ映像を確認したり、設定変更したり出来ません。

SDカードのフォーマットは専用ビューアで行わないと正常に記録できなくなる

付属のSDカード。実はとっても大切なファイルが格納されてます。

WindowsだとSDカードを読み込んだ時にご丁寧に「フォーマットして下さい」的なポップが出る場合がありますが、それに従ってWindows上からフォーマットすると、大切なファイルが消えてしまって正常に映像を記録できなくなってしまいます。

SDをフォーマットする場合は必ず専用ビューアから操作しましょう。

ユピテルさんもこの件に関しては重要なお知らせとして掲載されていますので、一読して下さい。

SDカードに記録された映像は専用ビューアでないと見れない

一般的なドラレコはSDカードに記録された映像はPCのメディアプレーヤーなどで簡単に再生出来ますが、前述した通り、marumie Q-01で撮影した映像は専用ビューアを利用しないと視聴出来ません。

▼SDカードをPCに差し込んでSD内を確認すると動画ファイルらしきものが見当たりません。↓

marumie Q-01

SDカードをPCに差し込んで専用ビューアを立ち上げ、ビューアからSDカードを指定して展開することで動画ファイルを読み込み視聴が可能となります。

次期モデルではWi-Fi対応と専用のビューアアプリが欲しい

何をするにしても専用ビューアが必要であることは個人的に大きな欠点ではないものの、遠方にドライブに行く場合は少々不安を感じました。

なんせ、遠方でトラブルが発生した時に専用ビューアがなければドラレコで記録した映像が確認できません。

警察に「専用ビューアが無いと映像を確認できないので警察署のPCにインストールさせて下さい」と言ったところで受け入れてくれるか不明。

という訳で、個人的に次期モデルが登場するなら本体にWi-Fi機能を備え、AndroidとiOS様にビューアアプリを配信し、出先でも映像データをWi-Fi経由でビューアアプリに転送して視聴出来るようになれば利便性がグッと向上するのでは無いかと感じました。

あと、簡単に写真出力や動画出力できれば、出先で簡単にSNSアップロードなども出来るので、楽しいかも。

専用ビューアはPCのスケーリングが100%でないと起動しない

▼僕が初めてWindows10で専用ビューアを導入した時、以下の警告が出ました。この警告が出ると僕の場合はOKを押しても専用ビューアは表示されませんでした。

marumie Q-01

Windows 10の操作方法で申し訳ないですが、デスクトップで右クリックして表示されるポップからディスプレイを選択するとディスプレイのウィンドウが立ち上がります。

この中で”拡大縮小とレイアウト”の項目下に”テキスト、アプリ、その他項目のサイズを変更する”の項目があるのですが、このスケーリングの数値が100%でないと僕の場合は専用ビューアが利用できませんでした。

特にノートパソコンは高解像度なパネルを搭載しているモデルも多く、100%表示だと文字が小さすぎて見づらいので、購入時点から125%や150%など推奨の拡大スケーリングに調整されている場合があります。僕の持っているPCだと推奨は125%。

という訳で、専用ビューアを利用する時は100%に変更する必要がありました。

更にWindows 10の仕様ですが、一部アプリはスケーリング変更後にサインアウト→サインインしないと反映されないのですが、専用ビューアはこれに当てはまり、100%のスケーリングに変更した後にサインアウト→サインインの操作が必要で面倒くさいです。

技術的に可能であるか分かりませんが、僕が利用した限りでは凄く面倒くさいので専用ビューアのスケーリング指定は取っ払って欲しいところです。

専用ビューアの使い勝手は良い

専用ビューアについてアレコレ書いてきましたが、専用ビューア自体の操作性はよく、専用ビューアだからこそ設定画面が見やすいというメリットもあります。

▼一般的なドライブレコーダーは本体に備わっている小さな液晶とボタンでチマチマ設定を行いますが、専用ビューアだと設定項目も1画面で表示され操作性も非常に良かったです。

marumie Q-01

全方位動画を簡単に視聴出来る

僕は全方位を記録できる全天球カメラ製品もレビューしたことがありますが、全天球で撮影した映像は特殊な形状で、全方位を見渡せる映像への加工に時間がかかります。

▼専用ビューアへ撮影した映像を読み込ませると全自動で全方位を見渡せる映像をすぐに確認できます。全天球カメラの映像を加工してYouTubeにアップしていた僕からすると「めちゃくちゃ楽」という印象でした。↓

映像は停止状態でも動画再生中でも、映像の上にマウスカーソルを合わせ左クリックを押しながらマウスを動かすことで映像をグリグリ動かせます。またマウスホイールでズームイン・ズームアウトも可能。操作性だって物凄く良かったですよ。

全方位記録出来るので、結構適当に取り付けても映像の傾きは気にならなかった

▼僕は結構適当な人間なので、カメラの角度も目分量(一応、前方カメラが正面に向くように調整)で適当に車に付けました。

marumie Q-01

一部分しか映像を記録しない一般的なドラレコは角度調整するための機能まで備わってますが、marumie Q-01はディスプレイが付属していないのでどの様な角度で撮影出来るか分かりません。

でも、撮影した映像はキレイに撮影出来ていました。

と言いますか、全方位を記録出来るので少々角度が付いてしまっても全ての方向は映像に収まっているので全く気になりません。これはあくまで個人的な感想なので皆さんはしっかり取説通り角度を調整して取り付けましょう。

映像は一般的なドラレコよりも劣る場合がある

全方位を記録出来る夢みたいなmarumie Q-01ですが、製品の仕様上、一般的な一方向の映像を捉えるドラレコよりも画質が劣る場合があります。

理由は全方向の映像を限られた解像度で記録するから。marumie Q-01の撮影解像度は2560×1080で決して低い解像度ではありませんが、この解像度の中に前後左右上下の全方位が詰め込まれているので、鮮明さは一方向を撮影するモデルよりも劣る場合があります。

明るい昼間の撮影は鮮明に記録できる

▼これは昼間に撮影した映像を切り出したものです。昼間の撮影では多くの光を取り込む事が出来るので、比較的鮮明な映像を記録可能で個人的には許容範囲です。

marumie Q-01

夜間での映像記録は少し鮮明さに欠ける印象

▼夜間撮影では全天球という仕様がやや足を引っ張る結果に。以下は夜間走行時の映像を切り出したものです。鮮明さに欠けてしまう印象でした。↓

marumie Q-01

夜間撮影の映像に関しては幾つか切り出しておきます。こればかりは人それぞれ許容範囲が異なるのでご自身の目でご判断下さい。

marumie Q-01まとめ

いかがでしたでしょうか?

業界初の全方位録画が可能なmarumie Q-01。これまで一方向しか映像を捉えることがスタンダードだったドラレコの常識を覆す製品で、個人利用はもちろん、乗客を乗せるような商用車でも便利に利用できるのでは無いかと感じました。

もちろん、全天球カメラの仕様的な解像度の問題もあり、現時点では一方向の映像を捉えるフラッグシップ機に映像美はまだまだ及びませんが、今後の展開が楽しみなシリーズでしす。

業界初の全天球カメラを搭載した全方位記録型の最新ドライブレコーダーmarumie Q-01。ドラレコ好きは是非お試しあれ。

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