MediaTek MT8788のCPU/GPUのスペックとゲーム性能、実機動作まとめ

MediaTek MT8788」を搭載するタブレットの実機で処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。

なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。

MediaTek MT8788はリリースからしばらく経っていますが、まだまだ新製品で採用されることの多いSoCなので、本記事の動作目安を参考にしてみて下さい。

MediaTek MT8788のCPUとGPUのスペック

SoC MediaTek MT8788
CPU ARM Cortex-A73 ×4
ARM Cortex-A53 ×4
CPU周波数 2GHz
GPU Arm Mali-G72 MP3 GPU
GPU周波数 800MHz

MediaTek MT8788の処理性能

性能は大きく4つの性能帯に分かれています。MediaTek MT8788はSnapdragonだと6番台の性能帯です。

  • Snapdragon 8番台(ハイエンド)
  • Snapdragon 7番台(ミドルハイ)
  • Snapdragon 6番台(ミドル)
  • Snapdragon 4番台(エントリー)

本記事で使用する製品は以下。

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▼端末の性能を数値化するAnTuTuのスコアを確認してみましょう。総合スコアは243,920点、GPUスコアは33,473点、UXは49,371点となっていました。↓

MediaTek MT8788は2020年9月には搭載製品が確認できたSoCで当時はミドル帯の性能帯です。操作の快適性を表すUXスコアは49,371点なので高くはありません。操作性の快適性を重視するなら10万点以上は欲しいところです。

CPUは24万点を突破しているので、WEBページの閲覧や動画視聴、SNSなどのライトなコンテンツは問題なく動く性能です。

一方でゲーム性能を示すGPUスコアが約3.3万点とエントリー帯レベルとなっているので、ゲーム用途で選ぶSoCではありません。

MediaTek MT8788は安価なモデルに採用されることが多く、ゲーム以外で必要最低限の動作ができる程度の性能です。

▼以下は2023年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓
AnTuTuスコア動作・操作感
総合スコア:約150万点以上
GPUスコア:約60万点以上
ヌルヌル、動作に不満なし
総合スコア:約100万点〜150万点
GPUスコア:約35万点〜60万点
重いゲームもなんとか
総合スコア:約50万点〜100万点
GPUスコア:約15万点〜35万点
軽いゲームくらいなら
総合スコア:約25万点〜50万点
GPUスコア:約5万点〜15万点
必要最低限
総合スコア:約25万点以下
GPUスコア:約5万点以下
サブ端末向き
▼ガルマックスでは色々なスマホのAnTuTuベンチマークがデータベース化されています。ユーザさんからもスクリーンショットを募集しているのでよろしければどうぞ。↓
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ

MediaTek MT8788のゲーム以外の動き

▼MediaTek MT8788を搭載するスマートフォンでWEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)、SNS(Twitter)を使ってみました。↓

WEBページ閲覧は、画像が表示されるまで若干もたつく事もありますがストレスが溜まるほどの動作では有りませんでした。また、スマートニュースやAmazonショッピングのアプリでも同様の動きでした。

SNSは画像が一度読み込まれるとスルスルと動いていました。使っていて大きな不満は有りません。

動画視聴では特にコマ落ちすること無く視聴出来ています。画面サイズの切り替えも比較的スムーズでした。

MediaTek MT8788はミドル帯ですが、それほど性能が高くないので、最新のミドル機と比較するとやや動作の鈍さを感じますが、上記のようなゲーム以外での使い方であれば比較的スムーズに動いています。

MediaTek MT8788のゲーム性能

ライトな使い方は先程検証しましたが、次はヘビーな使い方を試してみます。ヘビーな使い方の代表といえばゲーム。ここでは「重量級3Dゲーム」「軽めの3Dゲーム」の2つで試してみます。

  • 原神:重量級3Dゲーム
  • PUBGモバイル:軽めの3Dゲーム

▼まず重量級となる原神から。グラフィックのデフォルト設定は「低」となっています。↓

デフォルトではフレームレートの上限30FPSの制限があるので、設定にてフレームレートのみ60に変更した後、マップの3箇所をワープで移動して4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定します。

▼下限フレームレートは19FPSとなりました。↓

原神は動作の鈍さを常に感じ、負荷が高くなると20FPSを切るほどフレームレートが低下します。ガルマックスでは高負荷時に下限30FPSを維持できる場合は楽しめるレベルとしていますが、残念ながらMediaTek MT8788ではパワーが全く足りません。

続いてはPUBGモバイル。2017年にリリースされたゲームで当時は重量級でしたが、SoCの高性能化も進んだので現在は軽めの3Dゲームとして検証に使っています。PUBGモバイルでは画質設定を下げた時に選べるフレーム設定の設定幅で上限フレームレートが決まってきます。

▼PUBGモバイルはフレーム設定「高」まで開放されていました。上限30FPSでプレイ可能です。↓

PUBGモバイルの検証は、スモークを4つ撒いて高負荷状態を作り、スモークが切れるまで突入を繰り返して下限フレームレートをチェックします。

▼PUBGモバイルの下限フレームレートは25FPSでした。↓

PUBGモバイルでは、多くのシーンで30FPSをキープ出来ていました。高負荷時は25FPSほどまで下がりましたが、この程度の下がり幅であれば優秀です。

しかしながら、シューティングゲームはFPSが高いほど視認性が良くなり有利になることから、ガルマックスでは60FPSでのプレイを推奨しています。試す程度であれば良いですが、本格的に遊ぶならMediaTek MT8788はゲームに向いていないSoCです

MediaTek MT8788は先述通り、ゲーム性能がエントリー帯と変わらない水準でゲーム性能が低いSoCです。

ゲームは遊ばない又はゲームは動くタイトルで十分という方なら問題有りませんが、特定のゲームをプレイしたいと考えている方は事前にMediaTek MT8788搭載機で目的のゲームがどのように動作しているかチェックしてから検討しましょう。

MediaTek MT8788の動作目安まとめ

MediaTek MT8788はミドルレンジ帯ですが、ミドルレンジの中では性能の低いSoCで、ゲーム以外の使い方に向いたSoCでした。快適に出来ることは限られています。

また、検証機は解像度がHDクラスです。解像度が高くなると描画負荷も高くなるので、FHDクラスのパネルを搭載している製品では本記事で紹介した情報よりも低水準になる恐れがあるのでご留意下さい。

MediaTek MT8788搭載モデルはタブレットで採用されることの多いSoCなので、サブ端末的にWEBページの閲覧や動画視聴、SNS、電子書籍用の製品を探している方に向いているSoCです。

MediaTek MT8788 搭載スマホの一覧

MediaTek MT8788を搭載するスマホは以下です。

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