Minisforum V3のレビュー!使ってわかった注意点と良いところ!
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ミニPCメーカーという印象の強いMinisforumからWindowsタブレットのMinisforum V3が登場!ガルマックスにも実機が到着したので早速レビューしていきます!
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Minisforum V3の評価
良かった点
- Windowsタブレットとしてはかなり性能が高い
- 高品質なディスプレイ
- UHS-II対応のSDカードスロット付き
注意点
- 思った以上に発熱しやすい
- 本体重量は重め。キーボードや背面カバーも装着するとかなり重くなる
- 現状のVLinkはオマケ程度
スペック・ベンチマーク、検証結果の一覧
質感は高めだが結構ずっしりくる重さ
Minisforum V3の筐体は他の端末でもよく用いられているアルミではなく、マグネシウム合金を採用している点をアピールポイントとして挙げています。
▼ディスプレイ部分はノングレアなので写り込みが抑えられているのは個人的にはGOOD!↓
▼背面はこんな感じ。真っ黒なカラーに排熱口?が目立つ無骨なボディに仕上がっています。マット調なサラサラとした手触り…なんかいいですね…!↓
▼右側面にはUSB4端子が2つにスピーカーが配置されています。↓
▼左側面には音量調節ボタン、SDカードスロット、VLink対応のType-C端子、スピーカーが配置されています。↓
▼上側には排熱口が用意されています。↓
▼下側にはキーボードを接続するPOGOピンが配置されています。↓
▼本体重量は937gと14インチクラスのWindowsタブレットだけありズッシリくる重さです。↓
マグネシウム合金はアルミと並んで軽い部類の金属ですが、900g台半ばの重量なのは…サイズや内部構造の絡みもあるかもしれません…
▼付属品は以下の通り。かなりシンプルになっていますね。↓
- 充電器(120W)
- Type-Cケーブル(映像出力可能)
- クイックガイド
キーボードの押し心地は良好。背面カバーのキックスタンドは固くて開きにくい
今回レビューしたMinisforum V3には純正のキーボードが付属していたので、こちらもサラッとではありますがチェックしてみました。
▼キーボードユニットはこんな感じ。今回レビューした本体には日本語配列のものが届いていましたが、14インチクラスということもあってか配列に窮屈さは感じずのびのびとしているように感じました。↓
ただ、DeleteキーやHomeキーなどがしれっと右側に並んでいるので、筆者がタイピングした際にBackspaceキーを押したはずがDeleteキーを押していた現象が多発することになってしまいました。ただし、キー配列に関しては慣れの問題もあるので評価は保留しておきます。
もう一つ気になるキーボードの押し心地に関しては軽めではあるもののしっかりとした押した感覚があり、例えるならSurfaceのタイプカバーに近いかもしれません。個人的にはかなり好みの押し心地でしたね〜。
Surfaceのタイプカバーと同じように角度をつけられるのもGOOD。ただし、Surfaceよりもガッチリは固定できないので、ちょっと移動させると呆気なくペタンと落ちちゃうのは少し残念…
▼キーボードユニットの重量は441gとしっかりとした重量感があります。↓
▼背面部分に装着できるカバーも付いてきました。↓
▼カバーの重量は246gと背面につけるカバーとしては重め。まぁ、中間部分に可動部が付いているので妥当ともいえますが…↓
▼こんな感じで背面カバーはキックスタンドとしても使用可能。カメラ穴がある部分を反対側へ折り込みましょう。↓
▼折り込み方のイメージはこんな感じ。この向きでスタンドを展開するのが正しい使い方なのでよく見ておくように!(なお筆者は公式ページを漁りまくって把握しました。恥ずかしい!)↓
▼ちなみにSurfaceスタイルの折りたたみ方もできます。ただし、こちらの方法は排熱用の穴を塞ぐことに加え、上記の使い方に比べ背面カバーが外れやすいように感じたので非推奨ではありますけどね!↓
背面カバーのキックスタンドですが、展開するのに思った以上に力が必要なのは注意点の一つです。Surfaceのような感覚で開こうとすると一生開きません。
また、折り込み方によって背面カバーが外れやすいと書きましたが、正直言ってどの方法でも他のマグネット系のケースと比べて外れやすさ、というかズレやすさは感じました。せっかくならもっとガッチリ固定できるとよかったかなぁ。
背面は思った以上に熱くなる
Minisforum V3は省電力な「U」付きではあるものの、ハイスペックなRyzen 7 8840Uをある程度薄型な筐体にぶち込んでいる関係からか背面は結構熱くなっちゃいます。
後述する動画視聴テストの際には最高で48.6度まで温度が上昇していたので、軽めな作業であっても結構熱くなってたんですよね〜。
特に純正の背面スタンドを装着した上でスタンドとして展開していない場合は本体背面の通気口?を完全に塞ぐので、特に熱は篭りがちになってしまってしまうのではないかと思っていますが、それにしても発熱は多めな気がします。
普段使いでは全く困らない性能
Minisforum V3に搭載されているCPUはRyzen 7 8840UとZen 4アーキテクチャを採用したハイスペックなモデルが採用されています。したがって、WEB閲覧や動画視聴といったライトな用途は全く問題ありません。
ゲームは大体遊べるが安定感には疑問符が付くかも?!
Minisforum V3に搭載されているCPUは先述の通りRyzen 7 8840Uと省電力モデルの中でも比較的高性能な部類に入るモデル。しかも、内蔵グラフィックはRadeon 780Mとかなりパワフルなものが詰め込まれています。
となれば気になるのはゲーム性能ということで早速チェックしていきます!
- 快適・サクサク
- 普通・楽しめるレベルで遊べる
- イマイチ・妥協が必要
- モッサリ・カクカク
タイトル | 評価 | FPS |
Rainbowsix Siege(FHD、低) | 普通・楽しめるレベルで遊べる | 110〜140FPS |
APEX LEGENDS(FHD、低) | 普通・楽しめるレベルで遊べる | 60〜120FPS |
Muse Dash(FHD) | 快適・サクサク | 320〜340FPS |
▼Rainbowsix Siegeはターゲットドリルをプレイしてみました。大体の場面でしっかりと動作しましたが、動きが一瞬止まったりと少し不安は感じました。↓
▼APEX LEGENDSは訓練所でテスト。シージと同じようにAPEXもそれなりには動いていましたが、こちらも一瞬だけプチフリが起きたりと少し不安がありました。↓
▼Muse Dashは負荷が軽めのゲームだけあり、カクツキは全く感じられませんでした。ちなみに、フレームレートは300オーバーと120よりも数値上での話ですが大幅に上回っていました。↓
ということで、Minisforum V3に搭載されているRyzen 7 8840Uは設定を下げることが前提ではありますが、FPSゲームでもある程度であれば遊べるくらいのレベルにはなっていることが分かりました。ただ、少し負荷のかかるようなゲームだと一瞬プチフリが起きたのが気になりました。
無論外部GPUを搭載したゲーミングモデルには敵いませんし、発熱やバッテリーの問題もあるので腰を据えて遊ぶには難しいですが、ちょっとした暇つぶしゲームや軽めのネトゲ、古めの3Dゲームぐらいならかなり快適に遊べるかもしれません。
Minisforumアプリで設定が可能
Minisforum V3はMINISFORUM Spaceという独自アプリがプリインストールされています。
▼今回のレビュー機ではデスクトップにショートカットが配置されていなかったので、スタートメニューからアプリを探して起動しましょう!↓
▼起動時はこんな感じでメニューが表示されます。「MINISFORUM Spaceへようこそ」の文章に絵文字使われているのなんか可愛いですね〜(笑)↓
ちなみにこの選択画面は下のチェックボックスをオンにすると表示させないようにもできます。
▼ダッシュボードではCPU使用率やCPU温度等がモニタリングできます。↓
動作モードの切り替えも可能。基本はデフォルトで十分
また、プリインストールされているMinisforum独自のアプリでは動作モードの設定ができちゃいます。
▼最高の性能が引き出せるパフォーマンスモード(Power Premium)は以下の仕様となります。TDPは28WとRyzen 7 8840U本来のデフォルト設定の数値ですね。↓
▼パフォーマンスモード(Power Premium)では以下の結果となりました。↓
▼温度と消費電力はこんな感じ。温度は外部の温度測定器で背面の最熱部分、消費電力は外部のワットチェッカーで確認しています。↓
- Cinebench R23 マルチコア:温度61度、消費電力59.1W
- FFXIV 黄金のレガシー最高設定:温度59.5度、消費電力64.8W
▼最高の性能が引き出せるサイレントモード(Power Save)は以下の仕様となります。TDPは15WとRyzen 7 8840Uの最低電力設定まで下がるようです。↓
▼サイレントモードでは以下の結果となりました。↓
▼温度と消費電力はこんな感じ。温度は外部の温度測定器で背面の最熱部分、消費電力は外部のワットチェッカーで確認しています。↓
- Cinebench R23 マルチコア:温度50.6度、消費電力27.0W
- FFXIV 黄金のレガシー最高設定:温度45.9度、消費電力31.9W
▼最後に参考までに標準設定であるバランスモード(Power Balance)の仕様をペタリ。TDPは22Wとパワーモードとサイレントモードの中間くらいに設定されているようです。↓
ベンチマーク結果に関しては上記を見てもらうとして、バランスモード時の温度と消費電力はこんな感じ。温度は外部の温度測定器で背面の最熱部分、消費電力は外部のワットチェッカーで確認しています。
- Cinebench R23 マルチコア:温度49.9度、消費電力39.0W
- FFXIV 黄金のレガシー最高設定:温度55.5度、消費電力42.2W
TDPの調整がガッツリかかっているからかパフォーマンスモードとサイレントモードでかなり違いが出てきました。特に消費電力がかなり違ってきていて、FFXIVのベンチマークなどでは消費電力が倍くらい変わってきています。
ただし、サイレントモードであっても背面温度は50度オーバーだったりと負荷をかけると高温になることには変わりないので、あまり負荷をかけまくってイジメぬく使い方は適さないんじゃないかなぁ。
パフォーマンス自体も体感ではほとんど変わらないので、基本はバランスモードかサイレントモードでの運用にして、短時間負荷をかける作業をしたい場合はパワーモードに切り替える運用がベストだと思います!
VLinkはオマケ機能と捉えておこう!
Minisforum V3の左側面にあるType-C端子は世界初のVLink(映像入力)対応のWindowsタブレットを謳っていますが、実際はどうなのか。
まず、Minisforum V3でVLinkを利用するにはあらかじめ電源を落としておく必要があることは注意が必要です。実際筆者は「どうやってやるんだろう?」と説明者を読む羽目になりましたから!
▼手持ちのiPadの画面を出力してみました。付属ケーブルで出力可能なのはお手軽でヨシ!輝度調整は音量調整ボタンを押すことで可能でした!写真では伝わりにくいですが表示品質はかなり良好でした。↓
ただし、タッチ操作やキーボード操作が出来なかったりと本当に画面を映すだけの機能に留まっているのは少し拍子抜けかも。上記のような操作は出来ないまでも、色味の変更といった細かい調整は出来ると良かったかもと思ってしまいますね〜。
Android端末ではありますが、以前ガルマックスでレビューしたYOGA Pad Proでは輝度調整だけでなく画面比率やバッテリー残量が表示されていたので、Minisforum V3もせめてそれくらいは設定できたら評価は少し変わっていたかも?
とはいえ、試み自体は面白いのでこれからのアップデートやブラッシュアップに期待したいところですね!
SDカードスロット有り。使い勝手はそれなり
Minisforum V3の本体にはSDカードスロットが搭載されており、別途アダプター無しでSDカードスロットが使用できます。
▼SDカードスロットにはゴムパッキンが付いているので、まず外してから使いましょう!↓
▼完全に装着した場合でも少々飛び出すので、取り扱いには十分注意しましょう!↓
▼ベンチマークを取ってみました。UHS-II対応カードリーダーとのこともあってか以前にレビューしたAtomMan X7 Tiよりもしっかりと読み書き速度が出ていました。UHS-II対応のSDで測定できなかったのは勘弁してください。↓
バッテリー持ちはWinタブとしてはこんなもんって印象
Minisforum V3はWindowsタブレットということで、地味に気になるのは電源周り。ということでその辺もチェックしてみました。
輝度を最大にした状態で1時間ほど動画を視聴したところ、約30%のバッテリー消費となっていました。画面サイズや解像度、輝度を考慮するとまぁこんなもんかなって感じっす。とはいえ、Androidタブレット並みのバッテリー持ちを期待していると肩透かしを食らうかもしれませんね。
また、バッテリー残量が20%の状態から100%まで充電した際は約100分ほどで充電完了できました。やはり60W以上の出力で充電したら早いよなぁ!
余談ですが、97%ほどになるまではACアダプターの出力ギリギリまでの電力を引っ張ってきていました。結構ACアダプターに負担かかってそう。
Minisforum V3のレビューまとめ!
Minisforum V3を一言で表すなら「ロマンたっぷりのWindowsタブレット」でしょう。
Windowsタブレットではかなり上位帯の性能を誇るRyzen 7 8840Uを搭載しつつ、高品質なディスプレイにVLink対応と性能面、機能面ともに盛り盛りな欲張りタブレット…なんですが、発熱を感じやすい筐体にオマケ程度のVLink機能など、細かい部分で粗が見えてしまったことも事実。
価格も定価239,980円と年々価格が上昇しているSurface Proよりも安価とはいえ、気軽に手を出せるものではないんですよね〜。性能を考えると納得はできるんですけど敷居が高くなっちゃうのは事実だと思います。
ということで、Minisforum V3はモノはいいんですがある意味でギーク向けなWindowsタブレットに留まっているんじゃないかなという感想に至りました。Windowsタブレットをこよなく愛する人には結構刺さるかもしれないですね!