ドン・キホーテ ストイックPC MUGA6の自腹レビュー!Intel N100ノートPCの決定版的存在。冗談抜きでオススメ!
- レビュー
- ※ 当メディアのリンクにはアフィリエイト広告が含まれています
ガルマックスでも記事公開後話題沸騰したドンキのノートPC「ストイックPC MUGA6」を入手したのでレビューをしていきます!
なお本製品はネット販売は行っていないのでドン・キホーテの店舗で購入することになりますが、店舗によっては扱っていない場合もあるので欲しい人は店舗へ問い合わせましょう。価格は店舗によってやや異なりますが約4.4万円ほどです。
目次をクリックすると各項目へ移動します
スペック、ベンチマーク、検証結果
デザインは超がつくほどベーシック
ストイックPC MUGA6のデザインはWindowsノートPCとしては普通!それしか言いようがありません(笑)
▼天板は無地。超超超シンプルですが、ステッカーなどでデコレーションしがいがあるとも言えます。自分で言っておいてなんですが物は言いようですね。↓
▼底面はこんな感じ。ゴム足と通気穴が目立ちますね〜。ちなみに下側の左右の穴部分にはスピーカーがあります。↓
▼向かって右側面にはUSB 3.1端子が2つにイヤホンジャック、MicroSDスロットが配置されています。↓
▼左側にはDC端子、Type-C端子、HDMIにUSB 3.1端子と盛りだくさん。↓
▼背面と前面には何もありません。↓
▼ベゼルは比較的細めなので比較的スタイリッシュかも。カメラ部分にもシャッターが備え付けられていますね。↓
▼付属品はACアダプターのみと超シンプル。先は丸型かつ一体型でかさばるため、自宅用にキープしておくのがいいかも。↓
▼出力は最大36W。Intel N100などのPCではありふれた出力になっています。↓
キーボードは『本当の』日本語配列へ進化!
ストイックPC MUGA6の前モデルであるMUGA5は日本語キーボードこそ謳っていたものの、実際のところは一部キーの割り当てだけを日本語キーボード準拠にしただけで、配列自体はUSそのままで「なんちゃって日本語配列」になってしまっていました。
ストイックPC MUGA6も正直言ってそこまで期待はしていませんでしたが、実物を見てビックリ。なんとちゃんとした日本語配列へと生まれ変わっていたのです!
▼実機の写真をパシャリ。ね!本当でしょ?↓
▼日本語配列、US配列で一番差異が目立つエンターキー周りはこんな感じ。エンターキーの形に少し違和感はあるものの、雰囲気はバッチリ日本語配列の形になっていますね!↓
キーボードの形自体は純粋な日本語配列というわけではなく、DELLやLenovoといった所謂外資系メーカーの廉価帯のモデルでよく採用されている「USと共通の金型でキーボードの形を工夫して仕上げたもの」ですが、それでも日本語配列になったことに価値があるはず。
▼参考資料としてLenovo製某機種の変則的な日本語配列キーボードを載せておきます。特にエンターキー周りが変な形になっているのが分かるはず。↓
まぁ、筆者の経験から言わせていただくと、文字入力で困った場面は少なめ(筆者は初めてのキーボードでは入力間違いはあっても慣れで何とかなるタイプです)ですので、MacBookやSurfaceの日本語配列のように完全な日本語配列じゃないと嫌!という方以外ならすんなり受け入れられるのではないでしょうか!
そうそう、肝心の打ち心地ですが、底打ち感がある程度強く叩く力を強くするとたわみ感があったりとガッチリさはそこまで感じられませんでした。
ただ、こういったエントリーモデルだとそういったことは往々にしてあるので、本機が特に劣っている点ではないのは留意した方がいいかもしれません。いわゆる価格なりってやつですね。
分解してみた!
いつもはノートPCの分解などは行いませんが、今回は特別に分解して中身を見てみようと思います!
▼分解は底面のネジを12箇所外しましょう。地味に止まっている箇所は多いですね〜。↓
▼参考までにネジの配置はこんな感じ。長いネジが上側の左右2箇所に使われている以外は全て短めかつ同じサイズのネジが使われていました。↓
▼分解した際の状況はこんな感じ。格安ノートPCらしいレイアウトですが、スカスカ感は少ない印象です。↓
▼SSDは先ほどCrystalDiskInfoでお伝えしたようにSATA接続のSSDが刺さっていました。↓
▼ファンは1基だけかつ周りには何も配置されていません。まぁIntel N100くらいの発熱であればこのくらいでも事足りるでしょう。↓
最低限の作業は一通りこなせる性能
ストイックPC MUGA6の心臓部はIntel N100とエントリー帯のミニPCでよく見受けられるCPUが搭載されています。
「Intel N100はウェブ閲覧や動画視聴といった軽作業では十分」と、ガルマックスでは散々言ってきた気がしますが、本機ではどうなの?ということで確認していきます。
軽作業はとりあえずこなせるレベル
さて、ストイックPC MUGA6での主な使用用途と思われるオフィスワークやネット閲覧などの軽作業ですが、搭載されているIntel N100ではどうなのか。
結論から言わせていただくと「欲張らなければ大丈夫」に尽きるでしょう。
というのも、Intel N100自体はデスクトップ向けCPUの第6世代Coreシリーズや、リース落ちのPCでかなり見かけるモバイル向け第8世代Core i5などと同じくらいの性能を有しているからなんです。
上記のCPUたちってゲームがバリバリできるとか、4Kの映像編集をゴリッゴリにできる!とはいかないまでも、文章を作ったり表計算ソフトを使ったり、Webブラウザから情報収集したりYouTubeやAbema観たりなどの作業であればまだまだ現役でこなせるんですよね。
したがって、そのCPUの面々と同等の性能を持つIntel N100なら軽作業は超快適とはいかないまでもそれなりにできるよってこと!
消費電力・発熱ともに低い!
▼ストイックPC MUGA6実機で検証してみた結果は以下の通り。CPUコアの温度はHWInfoでの結果を基準に記述しています。↓
テスト内容 | 消費電力 | CPUコア温度 |
3DMark Time Spy Extreme |
15W | 50度 |
FF15 ベンチマーク 最高設定 |
26W | 68度 |
Cinebench 2024 マルチコア |
25W | 65度 |
YouTube動画再生 | 13W | 50度 |
アイドリング時 | 9W | 45度 |
Intel N100のデフォルトTDP(標準的な消費電力)は6Wとエントリー帯だけあってか、モバイル向けCPUの範疇でも消費電力はかなり抑えられています。
CPUコアの温度も上位クラスになると80度、排熱が悪いモデルだと100度などに到達したりしますが、本機だと高くても60度台後半とかなり低めになっています。
まぁ、Intel N100の立ち位置が「処理性能を抑えているけど消費電力はかなり控えめ」なモデルですので、こういう傾向なのも納得ではありますけどね。
ただ、冷却性能がほどほどだからか、ベンチマーク駆動時などの高負荷環境ではキーボード部分があったか〜くなっているので、人によっては不快感があるかもとは思いました。触れなくなるくらいではないので個人的にはギリ許容範囲だと感じましたが。
ゲームの動作は厳しい
じゃあゲームはどうなのか?というとコチラは厳しいの一言。
▼FF14ベンチの結果はこちら。最低品質でも「設定変更が必要」判定で、実際の動作中もカクつきがありました。↓
▼FF15ベンチの結果はこちら。FF14でも散々な結果でしたので想像はできていましたが、どの画質設定でも「動作困難」判定が出ていました。全くもって快適動作の水準は満たせていません。↓
▼Rainbowsix Siege Xではターゲットドリルをテストプレイしてみました。FHD/低設定ではフレームレートは10FPS付近、動作もカクつき多めと全く快適ではありませんでした。↓
▼APEX LEGENDSはFHD/低設定で訓練所内でテストを行いました。フレームレートは最大で20FPSほど、平均フレームレートは10FPS台で推移しており、プレイフィーリングももっさり。ハッキリ言ってダメですね。↓
以上の結果より、Intel N100を搭載したストイックPC MUGA6でのゲーム用途はほとんど考えない方がいいでしょう。まぁ検証する前から想定はできていましたが…
ただ、RPGツクール系など超軽量なゲームであればとりあえず遊べるレベルだと思いますが、過信は禁物でしょう。「ストイックPC MUGA6はゲーム用途に向いていない」この認識で間違いないでしょう。
大きくなったディスプレイで視認性は格段にアップ!
MUGA5では14.1インチだったディスプレイサイズですが、ストイックPC MUGA6は15.6インチと1.5インチもサイズアップ。1.5インチはセンチメートル換算で約3.8cmほど。地味ながらもしっかり大きくなっています。
▼ディスプレイ部分は写真のように180度まで開閉が可能。他のノートPCと比べて角度の調整がしやすいので、こういった配慮は嬉しいですね!↓
大手メーカー製のノートPCだとミドル帯でもここまで開かないモデルがまだまだありますので、こういう小回りが効きやすい仕様はありがたく感じました!
色味の傾向は青っぽい
ディスプレイで気になる点となると色味ですが、傾向としては青みがかっていると言えるでしょう。
日本の方は相対的に黄色がかっているよりも青みがかっている方が「白がバッチリ白に見える傾向」があるらしいので、どちらかというと日本人好みのチューニングと言えるかも。(良いように解釈するならですが)
ただ、某大手メーカーのFHDディスプレイのように見る角度による色変化が激しいTNパネルではなさそうなのは救いかもしれません。安物のTNパネルと比べると見やすさは全然違いましたからね!
ディスプレイのタイプはノングレアで反射は抑えめ
ノングレア液晶はグレア液晶と比べて色鮮やかさという面では劣るものの、写り込みが軽減される故にグレアと比べて目が疲れにくかったりする傾向からビジネスノートPCでよく採用されている印象が強い方式だったりします。
この辺りの好みは人それぞれ…みたいなことはありますが、筆者的にはノングレアの方が好きかな…とは思います。どっちも素晴らしいですけどね!
ライセンスはきちんとOEMだった!
WindowsのProエディションを搭載したPCで気になるのはライセンス。
一部製品では企業内のPCのみでの使用が認められているボリュームライセンスが導入されているものもあり、そういったPCは最悪ライセンスが剥奪されてしまう危険性があります。
▼その辺の問題は以下の記事で紹介しているので是非チェックしてみて下さい。↓
▼ストイックPC MUGA6はHomeなのでその辺りは大丈夫だとは思いますが、念のためにライセンスのチェックしてみたところ、結果はOEMライセンスとのこと。↓
先述の通りストイックPC MUGA6のエディションはProではなく、ライセンスに問題が起きにくいHomeなのでライセンス周りは気にしていませんでしたが、実際に検証したところシロとの結果が出たので、ある意味安心かもしれませんね?
それなりに聴けるスピーカー
ストイックPC MUGA6のスピーカーですが、ノートPCとしてはそれなりなサウンドだなという印象。「迫力こそ感じないが、スッカスカな酷いサウンドよりは何倍もマシみたいなレベル」と言うと伝わりやすいでしょうか?
もちろん最近のMacBookなどと比べるとショボいのは事実ですが、ネットラジオや実況動画などを流し聴きする用途であれば十分なレベルかなとは感じました。
そもそも論ですが、音質にこだわる方はイヤホンジャックを利用した有線イヤホンやBluetoothなどの無線オーディオ機器の利用をオススメします!
丸型AC以外にPDも対応!ただ、充電能力自体は低めかも
ストイックPC MUGA6は従来からのノートPCでよく見かけるような丸型のAC以外にも、Type-C端子を利用したPD充電もサポートしています。
ただ、65WのPD対応ACアダプターを使用したものの、実際の充電能力は30W無いくらいなので、高出力なACアダプターを利用しても付属のACアダプターよりも早く充電できる…といったことはなさそうですね。ちょっと残念。
とはいっても本機のACアダプターを別途持ち運ばないで済むのはノートPCを持ち運びメインで使う方にとってはかなりありがたいポイントだと思いますよ!
バッテリーの持続時間は短め。PDは対応しているが充電時間は遅め
ノートPCとなると気になるのがバッテリー持ち。というわけで電源周りを検証してみました!
▼まずは搭載バッテリーをチェック。Windows標準のバッテリーレポートだとこんな感じのようです。↓
さて、スマホ・タブレットのバッテリー持ちテスト(特定の輝度で1時間YouTubeのFHD動画を全画面でストリーミング再生)を電力プラン「バランス(3種類あるうちの真ん中)」で行ったところ、100%→75%とおよそ25%の消費となりました。
単純計算だと4時間ほどのバッテリー持ちということなので、大きめのディスプレイを搭載しているノートPCではあるものの、最近のPCとしてはちょっと物足りないかなと感じました。
一昔前のモデルとかゲーミングノートPCならまだしも、最近のベーシックなノートPCはかなり省電力になってきているので、4時間は短いよなぁ。
▼充電時間に関してですが、バッテリー残量0%から100%まで以下のような流れでした。↓
- 1時間→50%
- 2時間30分→99%
- 3時間→100%
充電時間も満充電まで3時間ほどと特別早いわけではありませんが、特段遅いわけでもない平均的な所要時間です。
何より充電は専用ACではなくPDに対応していればOKではあるので、社外品のコンパクトなACアダプターやモバイルバッテリーからの給電も行えるという汎用性の高さは嬉しいかもしれませんね!
ドンキのPC史上一番オススメできるノートPC。普通にオススメ!

ドンキのPCを代表するベーシックなエントリーモデルがMUGA ストイックPCでした。が、最近は以前ほどの積極性もなく続くのかどうか疑問に思っているところも正直ありました。
今回のストイックPC MUGA6はリリースこそヒッソリとしたものでしたが、以前のモデル(特に前モデルのMUGA5)の欠点をバッチリと潰してきていることからもドンキのやる気を感じましたね〜。
特にキーボードはエセ日本語配列から割としっかりしたキーボードへ進化していたのは筆者的にかなり意外だったのと同時にか〜な〜り魅力的に映った点でした!
気になった点というと、大きなマイナス点としてバッテリー駆動時間の短さが挙げられますが、15インチクラスのノートPCともなると外出先へガンガン持ち運ぶというよりは自宅内で移動して使うのが一般的だと思うので、最悪どうにかなるんじゃないかなぁ。
というか、まさか「ドンキのPC、オススメだよ!」と言える日が来るとは思いもよらないというのが「まさか!」と驚いたことに加えて「ようやくここまで来たか!」と嬉しくもあったりとドンキPCの歴史上で一番感激しているのが本音であります。
メインPCとして使うなら少々力不足感は否めないものの、サブ用途やスマホやタブレットがメインだけど、書類作成でPCを使う場面があるなという方にはしっかりオススメできますよ!