2024年に登場したミドルのSoC「Unisoc T620」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。
なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。
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Unisoc T620のCPUとGPUのスペック
SoC | Unisoc T620 |
CPU | Cortex-A75 × 2 Cortex‐A55 × 6 |
CPU周波数 | 2.2GHz |
GPU | ARM Mali-G57 |
GPU周波数 | 850MHz |
Unisoc T620の処理性能
▼Snapdragonは大きく4つの性能帯に分かれています。Unisoc T620は標準的なミドル帯のSoCです。↓
本記事で使用する製品は以下。
Unisoc T620の実機AnTuTuスコア
端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみましょう。
▼Unisoc T620の実機AnTuTuのスコアは総合スコアが328,523点、GPUスコアは29,980点、UXは80,406点となっていました。↓
操作の快適性を表すUXスコアは10万点を超えると快適とされていますが、Unisoc T620は約8万点でした。立ち位置としてはエントリー寄りのミドルSoCとなっています。
Unisoc T620のCPUとGPU構成はUnisoc T616のクロックアップといった感じです。
Unisoc T620はクロックアップしたことでCPUスコアやGPUスコアが向上、逸れに伴い快適性を示すUXスコアが向上しています。
▼以下は2024年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約150万点以上 GPUスコア:約60万点以上 | ヌルヌル、動作に不満なし |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約35万点〜60万点 | 重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約15万点〜35万点 | 軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜15万点 | 必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
Unisoc T620の動作とゲーム性能
Unisoc T620を搭載する製品で実際の動きとゲーム性能をチェックしてみた結果は以下の通りです。
WEBサイト閲覧 | やや表示に時間がかかる場合がある |
SNS | 特に問題なし |
動画視聴 | 特に問題なし |
ゲーム | ゲーム向きの性能ではない |
▼動画ではWEB閲覧(Yahoo!ニュース)、SNS(Twitter)、動画視聴(YouTube)の動作、その後にゲーム性能をチェックするために原神を動かしています。実際の動作が許容範囲であるか確認してみましょう。↓
UXスコアは10万点を下回っていましたが、ゲーム以外の一般的な使い方であれば特に不満なく使える水準の動作で使えます。
ゲームでの検証では原神を用いて画質を「中」、フレームレートを60に設定。マップの3箇所をワープ後に4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定しています。なお、デフォルトの画質は「最低」となっていました。
ゲームの検証結果により他ゲームでの大体の動作目安も分かります。
- 下限30FPS未満は画質やフレームレートを妥協する必要や、それらを妥協しても遊べないゲームが出てくる。(Unisoc T620はここに当てはまります。)
- 下限30FPS以上が出ていれば大多数のゲームは遊べるレベルで動作する。画質を妥協することで大多数のゲームは快適に動作する。
- 下限FPSが60FPSに近づくほど画質と高フレームレートを維持しやすくなる。また下限50FPSを超えるとと大多数のゲームは快適レベルで動作する。
ゲーム性能はエントリークラスなので原神クラスのゲームは画質を落としても快適に遊べる水準ではありません。また軽めのゲームでも動作の鈍さを感じることがあります。
Unisoc T620はゲーム以外の用途に向いた性能です。一般的な用途であれば必要十分な動作ですが、ゲームには全く向かない性能なのでゲーム用途で選ぶことはオススメしません。
Unisoc T620の動作目安まとめ
Unisoc T620は仕様的にUnisoc T616の実質的な後継SoCです。Unisoc T616比で総合性能やゲーム性能が向上したことにより全体的な快適度は高まっています。
一方で性能的にはUnisoc T616比で僅かに変わる程度なので、体感での違いは感じにくいです。実際に使っていても差は分かりませんでした。
今後はUnisoc T616からUnisoc T620に置き換わると思われるので、2024年7月以降に格安タブレットなどを購入する場合はUnisoc T620搭載モデルを狙っていきたいところですね。
Unisoc T620搭載製品の一覧
Unisoc T620を搭載する製品は以下です。