Apple、空間コンピュータ「Vision Pro」発表。子供の頃に観たSF映画の世界はもう間近かも知れない

Appleが長年開発してきたMRヘッドセット「Vision Pro」を発表しましたね。価格は3,499ドルなので約49万円。ビックリするほど高価なのですが、Appleらしい拘りを感じ取れる製品に感じました。

Vision ProはMR型のデバイス

この類の製品はVR、AR、MRと分かれていて、これらすべてひっくるめてXRと言います。VRやARはテレビなどで聞いたことある人も多いと思いますが、Appleが発表したVision ProはMRデバイスです。

VRは仮想現実に飛び込むタイプ。自分がバーチャル空間に身を置く感じですね。ARは現実世界を拡張するタイプ。スマホのマップアプリでカメラを通した現実世界に重ねるように進行方向が表示されるアレもAR。

▼MRはARと似ていますが、ARの延長線上に位置するもので、現実世界に様々なオブジェクトを表示してそれらを現実世界のように操作したりできます。↓

例えばARで電卓を使う場合、現実世界に電卓アプリのウィンドウ表示して利用するといった感じでしたが、MRであればデスクの決まった場所に電卓の形をしたオブジェクトが表示され、手を伸ばしてキーを叩き計算できるようなイメージですね。

もちろんそれだけでは現実世界とあまり変わりませんが、例えば壁のない空間にカレンダーを固定したり、タイマーでカウントが0になると画面いっぱいに花火が打ち上がり視覚的にも通知ができたり、現実世界では実現できないような表現を加えられるのが大きな魅力ですね。

ちなみにVision ProはMR型のデバイスなのでARはもちろん、簡単にVRゴーグルとしても利用できるようになっています。

コントローラは手、視線、音声

VRデバイスは操作に付属のコントローラを利用するのが一般的、ARデバイスは接続したスマートフォンをコントローラとして使うのが一般的です。

一方、Vision Proはコントローラがありません。

▼現実世界に表示された様々なオブジェクトは視線の移動、自身の手を使った操作、音声で制御します。↓

これらの操作をリアルタイムで制御するには非常に高度な処理が必要になってきますが、ハードからソフトまで一貫して手掛けるAppleだからこそ辿り着けた操作方法かも知れませんね。

MRは現実世界に様々なオブジェクトを表示して操作できる拡張現実タイプなので、自身の身体を使う操作は相性がとても良さそうです。

簡単に没入度を変更できる

MRは現実世界を拡張する技術なので、基本的にパススルーで現実世界が見える状態ですが、簡単にバーチャル空間に切り替えることが出来るのもウリ。

▼没入度合いを高めるには、Vision Proの右上に備わっているダイヤルを回すだけ。簡単にバーチャル空間と現実世界を行き来できるのは良いですね。↓

仕事の休憩中はクランクをスッと回してVR空間の大自然のなかで寛ぐ、映画を見る時は没入感を高めるため現実世界をシャットアウトする、といった使い方が簡単にできるので活用シーンも広がりそうです。VRはゲームとも相性が良いので、ゲームコンテンツの展開も注目したいポイントです。

▼個人的に良いなと思ったのはVR空間に要る時も周囲の人と繋がれること。人が近づくとシームレスに現実世界の人を認識できるようになっているようです。↓

まとめ。SF映画の世界はもう間近

子供の頃にみた宇宙を題材にしたSF映画では、ホログラムで巨大な航路マップを表示したり、宙に浮いた操作パネルを指先でピピっと操作したりするシーンを見て、「未来はこうなるんだ」とワクワクしていましたが、遂に実現しようとしています。

ホログラムは技術的にまだまだ時間がかかりそうですが、Vision ProであればSF映画のようなシーンが日常に溶け込む日もそう遠くは無さそうですね。

価格はビックリするほど高いですが、これは実際に体験してみたいものです。Vision Proは2024年の前半に米国で発売、後半にはさらに多くの国で発売するとのことなので、続報が入り次第TwitterFacebookでお伝えしますね。

日本のApple公式でも詳しい情報が出ているので合わせてチェックしてみて下さいね。

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