ACEMAGIC S3A 8845HSモデルの本音レビュー。動作モードを切り替えられるミニPCを試す
ゲーミング感溢れるボディーのミニPC「ACEMAGIC S3A 8845HSモデル」。パワフルなRyzen 7 8845HSを搭載し動作モードを手元で変更できるのがウリ。実機を試す機会を頂いたので実際に使ってどうなのかレビューでまとめていきます。
■ACEMAGIC S3A 8845HSモデル■
初出時価格→105,880円
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スペック、ベンチマーク、検証結果
筺体・デザインのレビュー
ACEMAGIC S3A 8845HSモデルはミニPCなのでコンパクトなボディーも魅力の1つ。
▼iPhone 17と比べるとサイズ感はこんな感じ。かなり小さいですね。↓
但し、縦置きデザインなので横置きはできません。
普通のミニPCだとモニター台の下に突っ込めますが、本機は縦置きなので突っ込めず。という訳で置き場所は事前に確保しておきましょう。余裕をみて幅7cm、奥行き15cm、高さ17cmくらいあればOK。
▼電源を入れると派手に光り、色は忙しなく切り替わります。ゲーミング感あって良いですね。↓
この虹色LEDは制御できるのかな?と思って探してみたんですけど、どうやら光り方は変えられずオフにも出来ないご様子。もし設定項目を知っている方がいたら教えて頂けると嬉しいです。
▼ちょんまげの先端は電源ボタンが埋め込まれてました。回転ダイヤルが備わっていて、左/中央/右の3段階で操作できます。片手での切り替えも問題なし。↓
電源ボタンの周囲が上のように赤く光っていますが、これは動作モードと連動しています。サイレントモードは青色、バランスモードは緑色、パフォーマンスモードは赤色になるので、今どのモードなのか見るだけで分かるのがGood。
ポート・拡張性のレビュー
ミニPCとしてはやや大きめサイズということもありポートは沢山備わっていました。普段使いだと十分すぎるくらいで使ってないポートが何個かあるくらい。
USB 4.0搭載。マルチディスプレイもOK
▼前面にはUSB Type‐A(3.2)が2つ、USB Type‐C(4.0)が1つ、ヘッドホンジャックが備わっています。↓
▼背面にはUSB Type‐A(3,2)が4つ、HDMI(2.0)が1つ、DisplayPort(2.0)が1つ、有線LAN(2.5Gbps)が1つ備わっています。↓
USB Type‐Aが前後合わせて6つも搭載されているのでマウスとキーボード、プリンター、カードリーダーを接続しても2つはフリーで使えますよ。
▼また、USB 4.0に対応しているので以下のような外部GPUを接続するマウントなんかも使えます。↓
映像出力は前面のUSB Type‐Cを使えば最大3画面出力に対応しますが前面でケーブルが常にザランとしていて見栄えも悪いので、背面のHDMIとDisplayPortを使った2画面出力が実用的。
工具不要で内部にアクセスできる
本機は内部へのアクセスは凄く簡単なタイプでした。必ず電源を切ってから作業してくださいね。
▼右側面のパネルはマグネット式なので、上部側から引っ張るとパコッと外れます。工具も不要。もうこれで中身は丸見えです。↓
▼メモリは16GBが2枚刺さっていました。ストレージは1スロット空いているので面倒な換装ではなく増設できるのが嬉しいですね。↓
M.2 2280なので安価に手に入るのもGood。1TBもあれば僕は十分なのでこのまま使いますが、沢山データを保存したい人は増設用のSSDを買っておきましょう。
性能・パフォーマンスのレビュー
CPUはハイパフォーマンスなRyzen 7 8845HSを搭載。メモリも山盛り32GBでストレージも1TB搭載してます。
Ryzen 7 8845HSはIntel Core i7‐12700Hと同じくらいのパフォーマンスなので、日常使いは快適そのもの。WEBブラウザーで完結するような使い方だと10年くらい余裕で戦えそう。
動作モードの違いをチェック
▼動作モードについては以下のように説明されています。モードによってパワーが変わるのだとか。↓
▼という訳でAnTuTuを走らせてみました。確かにサイレント→バランス→パフォーマンスの順で総合スコアが伸びていますね。↓
▼他にも色々とベンチマークを走らせてみました。最高スコアは赤文字にしてます。↓
‐ | サイレント | バランス | パフォーマンス |
AnTuTu | 2,346,081 | 2,408,846 | 2,424,673 |
3DMark Steel Nomad Lite |
2,679 | 2,701 | 2,685 |
3DMark Time Spy |
3,150 | 3,200 | 3,192 |
PCMark | 6,698 | 6,925 | 6,996 |
Geekbench 6 | シングル:2,594 マルチ:12,331 |
シングル:2,582 マルチ:12,700 |
シングル:2,600 マルチ:12,809 |
Geekbench 6 OpenCL |
28,878 | 30,039 | 29,397 |
Geekbench 6 Vulkan |
33,015 | 35,281 | 35,533 |
CINEBENCH R23 | シングル:1,769 マルチ:14,069 |
シングル:1,766 マルチ:15,319 |
シングル:1,766 マルチ:16,126 |
CINEBENCH R24 | シングル:104 マルチ:826 |
シングル:104 マルチ:894 |
シングル:104 マルチ:928 |
データの傾向を見ると、サイレントとバランスではバランスのスコアがほぼ上回っていますが、バランスとパフォーマンスではバランスのほうが高いスコアを示す場合も多々ありました。
また、サイレントからバランスまたはパフォーマンスに切り替えた場合は性能アップをそこそこ感じられますが、バランスからパフォーマンスに切り替えた場合は体感としての違いは分かりませんでした。
バランスとパフォーマンスで明らかに異なっていたのはファンの回転数ですね。性能差は少ないけれどパフォーマンスモードは高いパフォーマンスを長時間維持できる可能性が高いです。
ただ、想像していたよりも熱制御が優秀で、30分動画のエンコードや2時間のゲームプレイ程度ではバランスでもパフォーマンスでも体感は変わらず、期待していたほどの違いは感じられません。
バランスモードとパフォーマンスモードで性能差を感じられないのであれば、ファンの音が静かなバランスモードで良いかなという気持ちに着地してます。
動画編集の快適性をチェック
僕は動画を撮影してカット編集を行いBGMやテロップを入れるという至って簡単な動画を制作しています。こんな感じの使い方だとうどうなのか実機で試してみます。
使ったソフトはPremier Proですが、元動画が4Kでも編集は快適で問題ないですね。
▼30分の60FPS動画の書き出し時間は以下の通り。↓
FHD→FHD | 5分41秒 |
4K→4K | 20分02秒 |
4K→FHD | 41分26秒 |
FHD→FHDへの書き出しは元動画の尺よりも大幅に短縮して書き出せるので超快適と言って良いレベル。もっと複雑な加工でも十分使っていける水準です。FHDソースの動画編集なら本機で十分。
4K→4Kも元動画の尺より短い時間で書き出せるので十分実用範囲。安いモデルだとこの時点で元動画よりも書き出しに時間がかかる場合も多いので、流石Ryzen 7 8845HSという感じですね。
4K→FHDへ書き出す場合はより複雑な圧縮・変換処理となるので書き出し時間が長くなります。結果としては元動画より書き出し時間が長くなりました。待てるなら良いとして、動画を沢山作るなら追々ネックになるはず。なので4K→FHDで書き出すなら外部GPU搭載モデルのほうが良いですね。
▼こういうやつです。今はRTX4060版しか無いみたいですけど、動画の書き出しに外部GPUが使えるのでアホみたいに速いですよ。↓
ローカルLLMの動作をチェック
ローカルLLMも試してみます。
▼導入は簡単。LM Studioをインストールして言語モデルにGPT‑Oss‑20Bを選ぶだけです。結果としては18.39 tok/secとなりました。↓
高性能と言われるミニPCでも10 tok/secを超えるくらいですが、本機は15 tok/secを超えているのでかなり快適に使えてます。個人で使う分には十分ですね。
ゲーム性能をチェック
本機はオンボードGPUですが、非常にパワフルなRadeon 780Mを搭載しているのでFHD(1,920×1,080)でゲームがどの程度動くのかチェックしてみます。
▼まずはAPEX。低設定/視野角110で100FPSほど出ます。↓
▼プレイは全く問題ないですね。チャンピョン余裕でした。という訳でAPEXは普通にプレイを楽しめます。↓
▼原神のPC版も試してみました。PC版はモバイル版よりも重いんですが、画質「低」設定だと50FPSあたりは出ているので十分プレイは楽しめるレベル。↓
▼最後はモンハンワイルズ。FHDだとフレーム生成を使っても最低設定で設定変更を推奨されました。諦めましょう。↓
パワフルと言っても所詮オンボードGPU。モンハンワイルズのように遊べないタイトルも勿論あります。
解像度を落とすという手もありますが、そこまでゲーム体験を損ねてプレイするくらいなら、クラウドゲーミングのGeForce NOWなどを使ったほうがマシです。
どうしても遊びたいゲームがあったらそのようなサービスも検討してみましょう。
ソフトウェアのレビュー
OSはWindows 11 Proを搭載。独自ソフトはなし。特に困りませんが強いて言えば外装のLEDを制御するソフトはあっても良かったかなという感じです。
ミニPCあるあるですが初回セットアップ後はキーボードがUS配列設定になります。日本語キーボードを使っている人は日本語配列設定へ変更しましょう。
プリインストールOSはOEM版
▼OSのライセンスを調べてみたら個人で使って問題ないOEM版でした。当たり前。↓
稀に個人で使ってはいけないVL版が入っている場合もありますが、ACEMAGIC S3A 8845HSモデルはOEM版なので長期的に安心して使えますよ。
▼OSのライセンスについては以下の記事で書いているので良かったらチェックしてみて下さい。↓
良い点・注意点・まとめ
良い点
- 高性能なRyzen 7 8845HSを搭載
- ゲームもFHDで遊べるタイトルが多い
- FHDクラスの動画編集は超快適
- ローカルLLMも快適に使える
- 工具不要で内部にアクセスできる
- USB 4.0が備わっている
注意点
- 縦置きしかできない
- LEDライトの調整ができない
- バランスとパフォーマンスは体感差を感じない
- 所詮オンボードGPUなので遊べないゲームもある
AmazonでRyzen 7 8845HS搭載モデルを調べると安いものだと6.7万円くらい、ボリュームゾーンは7万円台という感じで8万円以上のモデルもそこそこあります。
本機はBIOSからではなく手元のダイヤルで動作モードを切り替えられる点、内部へ簡単にアクセスできる設計、あまり見かけないゲーミング感溢れるボディーを加味して8万円を切るなら魅力的な選択肢になってきそう。
動作モードはバランスモードとパフォーマンスモードで性能の違いを感じられない点は微妙でしたが、Ryzen 7 8845HSらしい性能は発揮できているモデルなので良しとしてます。
性能はミニPCとしては非常に高性能な部類なので、動画編集、ローカルLLMの構築、FHDクラスのゲームなどそこそこ重量級の使い方もこなしてくれますよ。
場所を取らないコンパクトな筺体で高いパフォーマンスのモデルが欲しい人には刺さりそうなので、ぜひレビューを振り返りながら検討してみて下さい。
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初出時価格→105,880円
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