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Androidスマホは何故”OSアップデート”が難しいの?

Androidのロゴです。

先日、OSのアップデートが一定期間保証されたAndroid ONEに関する記事を書いた時に、SNS上でOSアップデート「保証」に関して”長期的に利用するには保証ではなくアップデートは積極的にやるべきでは無いのか”との声が挙がっていたので、何故、AndroidのOSアップデートが”ウリ文句”になる事態になっているのか解説します。

Android(OS)とスマホ本体(ハード)が別の会社で作られている。

今回引き合いに出すのは、iOSを搭載したiPhone。

iPhoneは古い端末でもOSがアップデートされ、長期的に最新のOSを利用できるので比較的古い端末でも新しい機能の追加やバグ取り、セキュリティーの向上が期待できます。

iPhoneが過去機種まで迅速なOSアップデートが可能な理由は”OSとハードのどちらもAppleが作っているから”です。

iPhoneという機種は”Apple製”しか出回っていません。つまり、”自社の端末のみに適応すること前提にiOSが開発されている”ので、iOSのOSアップデートは対象端末ならば即落ちてきてOS毎のシェアも新OSへ素早く移ります。

Androidは端末メーカーが”独自機能”を満載しているのでアップデートが遅くなる。

AndroidはGoogle製のOSなので、例えばSONYがXperiaを開発する時は”開発時点で利用できるAndroid-OSのバージョン”で作られます。

まず、この時点で端末開発時期により最新OSが使えない場合があり、冬モデルなどでは既にAndroid7.0がリリースされているのにも関わらずAndroid6.0シリーズを搭載してます。

これは端末開発開始後に新たなAndroid-OSがリリースされたので、一旦開発中のOSバージョンで開発してリリース後に新OSのアップデートを行う形となります。

この様な事態に陥るのは端末メーカーがOSをカスタマイズしているからです。

最新OSにアップデートする場合も”最新のOSを利用する為の準備”が必要でアップデートが遅れます。

特に日本市場のAndroidでは、「お財布機能」や「ワンセグ」、各社メーカーが独自でウリにしている「便利機能」など、通常のAndroid-OSには備わっていない機能を独自に付け加えてAndroid上で動作させるためにガッツリカスタマイズされています。

独自機能が備わっている為に、”新OSで正常動作するかの検証”や”OSバージョンに合わせる為の開発”が絡んでくるので、アップデートが遅くなるんです。

更に残念なのがAndroidのアップデートはメーカー任せであること。

AndroidのOSアップデートは端末メーカーの判断で”する・しない”が決まってきます。

基本的にGoogleは”セキュリティーに関する機能も向上するからアップデートしてね”とOSアップデートを推奨していますが、メーカーからすると本来”アップデートなんてしたくない”んです。

なぜなら、一度発売した端末のOSアップデートは単純に”金食い”だからです。メーカーは一度売った端末に莫大な資金を使ってOSをアップデートするくらいなら・・・と、”切り捨て”を選択することも珍しくないです。

ですので、大手キャリアの端末メーカーのOSアップデート情報では”僕の端末はOSアップデートから省かれた”と騒がれる事もしばしばで、アップデート対象となった端末が”勝ち組”だとか訳の分からない優劣を付けているのも現状です。

僕も、持っているAndroid端末がアップデート対象って聞くとラッキー!って思っちゃいますもん。でも、これって本来は健全な感覚では無いことも分かってます。

こりゃマズイとGoogleが打ち出したのがAndroid ONEシリーズ。

Android-OSは自由に端末メーカーがOSをカスタマイズ出来る事が1つの魅力ですが、その代償として深刻なOSの断片化が起こっています。

簡単に何が問題かというと、ユーザー側は最新のOSが利用できないので新たな機能を利用することも出来ず、セキュリティー面でも穴があるOSを使い続ける必要がある。

開発者側で考えると、例えばアプリ開発者だと断片化したOS毎に動作検証が必要になり検証時間、コストが増えるなど、ユーザー側も開発者側も古いOSを残すってことは良いことなんてありません。

本来、アップデートなんて”塗り重ね”なんですから、古いOSを塗り替えながら進化するのが健全な訳で、現在Googleが陥っているAndroidの断片化は一言で”失敗した”状況なんですね。

こりゃまずいということで、Googleは各国の独自機能を取り入れながらも迅速にOSアップデートが可能なAndroid ONE規格を策定し、各国のメーカーに製造を委託して各国オリジナルのAndroid ONEをリリースすることになりました。(元々は新興国向けだったけど最近はこんな感じで捉えている方が大多数です)

Android ONEは可能な限りピュアなOSを搭載し、OSに絡まない部分で多少の独自色を出す方向性で調整されています。

Googleも自社OSのAndroidを搭載した自社端末のNexusシリーズやPixelシリーズを出していますが、これの各国オリジナル版と言っても過言ではありません。(OSのアップデートに関してはという意味)

もちろん、Android ONEはOSアップデートを保証するに辺り、OS自体のカスタマイズは最小限でOSに絡む機能追加は限られており、例えば防水・防塵、耐衝撃、ワンセグ、IGZO液晶等、現在ではハード面でのカスタマイズモデルがほとんどです。

Googleも焦る位、OSアップデートは難しい問題。

iPhoneを利用していた方がAndroidに移行した時に”アップデートされない”という事が露骨に体験出来ると思いますが、AndroidはOSを自社以外に開放し”自由に使ってくださいね”という方向性でシェアを伸ばしてきましたが、後になってメーカー依存のOSアップデートが大規模なOS断片化を起こし、今になってOSアップデートが”遅い・されない”ことがデメリットになってきました。

最近では国内メーカーも頑張って過去モデルのOSアップデートに注力していますが、それでも”アップデート対象は一部機種”というのが現状なのです。

iOSなんて4年以上前に発売されたiPhone5が最新のOSにアップデート出来ますからね。OSアップデートに関してははっきり言ってiPhoneに完敗です。

ちょっと余談。

Android-OSのアップデートが何故難しいのかを解説してきましたが、ちょっと余談でワイモバイルがAndroid ONEを独占しちゃった事に対しての所感も書いときます。

Android ONEの新型「S1」と「S2」のスペックレビューと発売日や価格」でワイモバイルが独占的にAndroid ONEを発売する事に対し、僕は”残念”とまとめています。

折角、GoogleがOSアップデートを長期的に保証する”Android ONE”を策定しくれたんだから、単一キャリアが独占的に取り扱うのではなく、Android ONE規格に沿った端末を各端末メーカーが打ち出し、”誰でも利用できる端末”としてSIMフリーモデルなりでリリースするべきなんじゃないかなと感じちゃうんですね。

利権などの大人の事情はともかく、こういうやり方で”潰す”のは本当に勿体無いと思うんです。今なんてAndroid ONEを使いたい場合、ワイモバイルで契約する必要がありますからね。本当にキャリアの端末囲い込みが残念です。

ただでさえSIMフリースマートフォンは中国・台湾メーカーが圧倒している状況なので、今こそ国内キャリアが盛り上がっているSIMフリー市場にAndroid ONE規格且つ各社の優れた技術を投入して打ち出すべきなんじゃないかなと。

ホント、キャリアの端末囲い込みは個人的に”うーん”と思っちゃいます。

SIMフリー市場に投入する方向性で考えると、Android ONEってとっても扱いやすい規格だと感じるんです。

僕の親世代の方も日本メーカーが好きで”安心して使えるから国内メーカーを使う”という方が多いのですが、Android ONEはOSアップデートが保証されているので、国内メーカーのAndroid ONEは”安心”ってキーワードが簡単に結び付けられそうなんだけどなぁ。

話がそれてしまいましたが、”Android-OSのアップデートは即時適応が難しい側面がある”ということが上手く伝われば幸いです。

まぁ、Android ONEの様なOSアップデートをウリにするような端末を出している時点で異常事態だと思いますが。。。

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