MediaTek「Dimensity 1000C」はAV1 HDRビデオハードウェアデコード対応ハイエンドSoC!
最近勢いがあるSoCメーカーのMediaTeKより5G対応のSoCであるMediaTek Dimensity 1000Cがラインナップ入り!Dimensityの中でも上位に位置するDimensity 1000の最新モデルはどのようなものなのか確認していきます!
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MediaTek Dimensity 1000Cの特徴
それではMediaTek Dimensity 1000Cの特徴について紹介していきます!
5G通信に対応!MediaTek 5G UltraSave機能がバッテリー消費にも貢献!
Dimensity 1000CはMediaTeKの持つ先進技術を詰め込んだプレミアムSoCであるDimensityシリーズだけあり、最先端の通信技術である5Gに対応。
ただ単に「5Gに対応」しているだけでなく、Dimensityではお馴染みとなっているMediaTek 5G UltraSave機能が搭載されているのも特徴の一つになっています。これが結構力の入っている機能なので、以下で解説します!
MediaTeK 5G UltraSave機能って?
MediaTek 5G UltraSave機能は、主に「MediaTek 5G UltraSaveネットワーク環境検出」、「MediaTek 5G UltraSave OTAコンテンツ認識」の2つから成り立つ省電力機能のこと。
MediaTek 5G UltraSaveネットワーク環境検出の代表的な機能の一つとして動的帯域幅パート(BWP)があります。
動的帯域幅パート(BWP)とは、帯域幅の使用をリアルタイムで調整することでデータ通信速度が多い時には通信速度や安定性重視に、データ通信速度が少ない時には自動で低帯域幅モードに切り替わり消費電力が下がる仕組みのこと。
この切り替えを5Gモデムの通信量に応じて自動でやってくれるので、ユーザーが意識しないうちに省電力と高速通信を両立できちゃうってことなんです!スマホで大切な要素であるバッテリー持ちと通信環境の心配を一挙に解決してくれるのはありがたいですね!
5Gキャリアアグリケーション、DSDSにも対応!
Dimensity 1000Cは5Gキャリアアグリケーションに対応。
キャリアアグリケーションとは複数の電波を同時に用いて通信を行うことで、通信速度の向上と通信の安定性を実現する技術のことです。
LTEなんかだとキャリアアグリケーションは浸透しているんですが、5Gのキャリアアグリケーションはまだまだ研究途上。そんな中でいち早く5Gのキャリアアグリケーション実用化したのがDimensityシリーズなんです。
スマホはやっぱり通信の繋がりやすさとかはが重要なんで、キャリアアグリケーションなど通信関係の機能を下のモデルでも平等に対応させているのが嬉しいですよね!
また、Dimensity 1000CはDSDSにも対応しています。その上、5G+5Gの同時待ち受けができるだけでなく、5Gを利用した「VoNR」にも対応!
ですので、現状では5Gの同時待ち受けの利点は少ないんですが、将来5Gが普及したときのことを考えると便利なのは確か。今後はVoLTEに変わりVoNRが普及するはずですので、5Gの同時待ち受けができる仕様で先取りしておくのも悪くないチョイスですよ!
MediaTek HyperEngineゲームテクノロジーで差をつけろ!
MediaTek Dimensity 1000Cは今やお馴染みとなったMediaTek HyperEngineゲームテクノロジーを搭載。
MediaTek HyperEngineゲームテクノロジーはAI機能を利用したもので、ネットワークとリソースの管理をAIが最適化させることにより、ゲームの動作が迅速かつスムーズになるよう調整してくれるものです。
ただでさえミドルレンジとしてはパワフルなMediaTek Dimensity 1000CにMediaTeK HyperEngineゲームテクノロジーが加われば鬼に金棒ってやつですね!
AV1 HDRビデオハードウェアデコード対応!
個人的にかなり注目したいのがコレ。Dimensity 1000CはAV1 HDRビデオハードウェアデコードにSoCレベルで対応したこと!
AV1とは、Google・Apple・Facebook・AmazonのGAFA連合が推進している新しい規格。大きな特徴としてオープンソースで、ロイヤリティーフリーで開発されています。
なお、AV1の参画企業の中にNetflixやhulu、Googleなども含まれているので、主要なストリーミングサービスはまず対応していると見ていいでしょう。
また、AV1は圧縮率が高く、非営利団体であるAlliance for Open MediaによればHEVCよりも最大40%優れているとのこと。つまり同じ画質でもAV1方式の方がかなり容量が削減できるってことなんです。
ストリーミング動画配信サイトでも4Kなどの高品質な動画が配信され始めていますが、気になるのは動画の容量。その容量を40%も削減できるとはストリーミング動画をよく鑑賞する方にはかなり重要な要素じゃないんでしょうか!
処理性能はDimensity 1000シリーズの中では控えめ!
MediaTek Dimensity 1000CはCortex-A77(最大2.0GHz)+Cortex-A55(最大2.0GHz)のオクタコアCPU。さらにGPUはMali-G57 MC5を搭載しています。
高性能コア側はDimensity 1000シリーズの最大2.6GHzよりも600MHzの減少となっており、高負荷時の性能はDimensity 1000よりも抑えられているものと思われます。
Mali-G57は2019年のメインストリーム向けGPUで、前世代のMali-G52からゲーミング性能は30%、機械学習処理性能は60%もの性能向上を果たしています。
Dimensity 1000で採用されていたハイエンド向けGPUのMali-G77 MC9ではなく、メインストリーム向けのMali-G57 MC5ですので、グラフィック性能はミドルレンジクラスだと思われます。
以上より全体的にDimensity 1000シリーズの中では控えめな性能に収まっているものと推測されます。Dimensity 1000Cと同じような立ち位置って感じですかね。
搭載可能メモリは12GB!ストレージはUFS 2.2に対応!
MediaTek Dimensity 1000C対応メモリは1866MHzのLPDDR4xが最大12GBまで搭載可能。ストレージはUFS 2.1が搭載可能になっています。
ハイエンド、ミドルレンジ上位クラスのSoCとしては少し物足りないように思いますが、正直ガッチガチのハイエンドスマホでもない限りメモリは12GBもあれば十分。動作に不満を感じることは少ないでしょう。
FHD+解像度に対応!リフレッシュレートは120Hzまで対応!しかもデュアルディスプレイに標準対応!
MediaTek Dimensity 1000Cの対応ディスプレイ解像度はFHD+(2,520×1,080)とWQHD解像度よりも対応する解像度は低いですが、正直スマホのサイズではFHD解像度でも表示に支障無し。バッテリー消費の面ではむしろ有利に働くことが多いです。
それよりも嬉しいのがリフレッシュレート。なんと120Hzまで対応しているので、120Hzのディスプレイと組み合わせるとかなり滑らかで快適な体験が味わえるはず。うーん、凄そう!
ちなみに縦または横に開くデュアル独立ディスプレイにも標準対応。正直物理デュアルディスプレイ端末はなかなか出ないとは思いますが、門戸が広がるのは良いこと!『メーカーへの負担も少なくなる=変態端末も出やすくなる』の方程式に期待!ってそんなことないか…
最大64MPのクアッドカメラに対応!4K HDRにも対応!
MediaTek Dimensity 1000Cは内蔵されるHDRネイティブの5コアISPにより、最大64MPのレンズを含むクアッドカメラに対応。さらにビデオ撮影では4K HDRにも対応しています。
その他、リアルタイムでポートレートのボケ処理を行う深度エンジンや、AI-HDR、カメラ応答を高速にするためのAI-3A、極端な低照度環境での撮影のためのAI-NRを含むAI-Cameraなど、高品質な写真をサポートするシステムが盛り沢山。
ビデオ撮影では、先ほどの4K HDRにより異なる露出でフレームをキャプチャを行って合成することで明暗の差が激しい環境下でもくっきりキレイな映像が記録可能なんです。
さらにAPU 3.0のサポートでリアルタイムでの背景ボケが可能なので、ビデオ撮影で意識せずともかなりいい感じの作例が撮れるって寸法!
うーん、これ見てるとかなりいい感じの写真が撮影できるカメラフォンも出てくるんじゃないかと結構期待しちゃいますね!カメラも楽しみだ!
MediaTek Dimensity 1000C搭載端末はLG Velvet 5Gの予定!
気になるのは搭載端末。海外キャリアのT-Mobileによると、初搭載機種はアメリカのT-Mobileにて発売予定のLG Velvet 5G(LM-G900TM)の模様です。いつもはXiaomiとかRealmeの機種だったのでこれは意外。
▼価格は588ドルで日本円に換算すると約6.2万円と5G対応モデルとしてはソコソコのお値段。しかし以前に発表されていた同名のモデルよりもお手頃価格に抑えられています。↓
同サイトの情報によると6.8インチの有機ELディスプレイ、メモリ/ストレージは6GB/128GBでIP68の防水・防塵等級でMIL-STD-810Gに合格しているとの事です。
実はLG Velvet 5GはSnapdragon 765搭載モデルが出ていたんですが、今回のLG Velvet 5G(LM-G900TM)は大まかな特徴を引き継ぎながらも性能を左右するSoCやメモリなどを調整した兄弟機種だと思われます。ややこしいよ!
今回発表のMediaTek Dimensity 1000Cは上位SoCらしさを残しつつもお手頃価格で手に入るようにスペック調整をしたモデル。お得な5Gスマホが欲しいけど、できれば性能を落としたくない方への新しい選択肢の一つになるのではないかと思います!
LG Velvet 5G(LM-G900TM)以外の搭載機種は不明ですが、XiaomiとかRealmeあたりがお安い端末を出してくれることを期待しましょう!