デュアルカメラ搭載スマホの仕様の違いと選び方。低価格モデルは要注意

失敗しないデュアルカメラ搭載スマホの選び方

どうも、ガルマックスの猶木(なおき)です。

スマートフォンのトレンド機能としてデュアルカメラを採用する機種が増えてきましたよね。次のスマホはデュアルカメラを搭載した端末にしてみようかな?と考えている方も多いのではないでしょうか。

最近は低価格なスマートフォンにもデュアルカメラを搭載している端末が増えてきましたが、一部のデュアルカメラ搭載端末はサブカメラが完全にメインカメラの補助用となっており、デュアルカメラらしい美しい背景ボケの写真撮影ができないモデルも有るので注意して下さい。

本記事ではデュアルカメラのウリである異なる被写界深度を2つのカメラで捉えて撮影できる端末の見分け方と、端末により異なるデュアルカメラの特性、低価格でデュアルカメラを搭載する端末の落とし穴などを纏めています。

”本物”のデュアルカメラは異なる被写界深度を2つのカメラで捉えて撮影できる端末だと僕は思っている。

デュアルカメラを搭載した端末のウリは「一眼レフで撮影したようなクオリティの高い写真が撮影できる」って部分です。もう少し詳しく説明すると一眼レフの単焦点レンズで撮影したような被写体にピントを合わせて背景はボカす事で被写体を際立たせる様な写真が撮影出来る端末です。

1つしかカメラが搭載されていない端末では、カメラの性能的に背景をボカす事が難しかったのですが、デュアルカメラは2つのカメラがそれぞれ異なる被写界深度(ピント)で撮影出来るので1度シャッターを切るだけで美しい背景ボケのある写真撮影が楽しめます。

また、異なる被写界深度で撮影するので、端末によっては後からピント位置やボケ味を調整する事が可能で、シングルカメラよりも飛躍的にクオリティの高い写真が手軽に撮影出来る事が大きな魅力です。

というわけで、僕の中でデュアルカメラは”異なる被写界深度を2つのカメラで捉えて撮影できる端末”だと思っています。僕はこの点をクリアした端末の中から、機種により異なるデュアルカメラの特性を知って好みの端末を選ぶことが失敗しないデュアルカメラの選び方であると考えています。

実は冒頭でも触れた通りデュアルカメラを搭載している端末でも、異なる被写界深度で撮影することが出来ない端末も存在しています。この点は知っておかないと”期待はずれ”で残念な思いをする可能性があるので注意製て下さい。

異なる被写界深度を2つのカメラで撮影できる端末の見分け方。

残念ながら、様々なメーカーは「2つのカメラを備えていたらデュアルカメラと名乗っても良い」という感じなので、スペックや仕様だけでは異なる被写界深度で撮影できるか否かを判断することが困難です。

そこで、まずひとつ目の判断基準がレビュー記事のチェック。端末名で検索してデュアルカメラの特性を検証しているレビュー記事を見つけて判断する方法です。

もう一つが店舗で実際にデュアルカメラを利用して確かめる方法です。この場合はカメラ撮影時にポートレートモード又はボケ味モードなどを探して撮影してみてください。

何点がサンプルを紹介しますので参考にどうぞ。

▼サンプル機1:ポートレートモードで撮影した写真。被写体(僕)のみにピントが合い、背景のみボケている美しい背景ボケ写真となっています。これは異なる被写界深度を2つのカメラで捉えています。

▼サンプル機2:ボケ味モードで撮影した写真。人形にピントが合い、背景のキーボードは綺麗にボケていますね。これも異なる被写界深度を2つのカメラで捉えています。

UMIDIGI Z PROで撮影したボケ味写真

▼サンプル機3:こちらは低価格なデュアルカメラ端末スマホのボケ味モードで撮影。背景のキーボードにもピントが合い、ある位置を境に不自然にボケていますね。これはボケ味エフェクトです。ボケ味エフェクトの場合はこの様に一定範囲のみボケた様な加工が施されます。↓

EveryPhone MEで撮影したボケ味撮影

また、店頭で実機にて撮影する場合はサブカメラを指で塞いで撮影してみて下さい。本来、2つのカメラで異なる被写界深度を撮影する場合、メインカメラとサブカメラのどちらも利用します。

つまり、サブカメラを物理的に塞ぐと映像を捉える事が出来なくなるので、2つのカメラで異なる被写界深度を撮影する本物のデュアルカメラは警告がでたり、撮影できたとしてもサブカメラで捉えるはずの情報が不足するので写真が大幅に劣化します。

もし、サブカメラを指で塞いだ状態と塞がない状態で撮影して同じボケ味の写真が出てきたら異なる被写界深度で撮影できない機種の可能性大です。

デュアルカメラ搭載スマホは端末により特性が異なる。

現在、デュアルカメラを搭載する端末を大きく分けるなら2タイプ。「機能切り替え型」「補助型」です。

更に機能切り替え型と補助型のそれぞれで更に細かく特性が異なります。

機能切り替え型のデュアルカメラ。

機能切り替え型とは、サブカメラが望遠タイプだったり広角タイプだったり、メインカメラとは異なるカメラレンズの特性を持っている端末です。

望遠カメラを備えたデュアルカメラ。

iPhone 7 Plusなどサブカメラに望遠レンズを備えたデュアルカメラを搭載している端末が望遠タイプのデュアルカメラです。片方に光学ズームレンズを採用することでデジタルズームのような画質劣化が無く、少し離れている被写体をズームで寄せても美しく撮影できるのが特徴です。

▼以下は僕の持っていた望遠タイプのデュアルカメラを備える端末で撮影した写真。倍率を上げる事で遠くの被写体を近くに引き寄せて撮影が可能です。光学ズームなので画質劣化も無いです。↓

広角カメラを備えたデュアルカメラ。

先程の望遠カメラとは特性が反対のカメラでサブカメラに広角レンズを採用したモデル。代表端末は2017年8月17日に発表されたZenfone 4です。Zenfone 4はサブカメラに120°の超広角カメラを採用しているので通常よりも広い範囲を撮影することが可能です。

▼通常撮影よりも映像を捉える範囲が大幅に広がります。このサイズ感をパノラマ撮影ではなく、一度シャッターを切るだけで撮影できます。↓

通常撮影

120°の超広角

補助型のデュアルカメラ

こちらは高価格帯から低価格帯まで幅広く出回っているデュアルカメラ仕様で、片方のカメラは写真の仕上がりを向上させるための補助的役割が大きいタイプです。

サブカメラにモノクロセンサーを搭載してディテールを向上するデュアルカメラ。

サブカメラにモノクロオンリーのセンサーを搭載することでディテールを向上するタイプで、代表機種はHUAWEI P10 Plusです。勿論、2つのカメラを利用して異なる被写界深度で美しいボケ味ある撮影も可能。後からピント調整やボケ味を調整できます。

あえて黒白センサーを補助的に利用することで、これまでよりも明暗の段階的表現力が格段にアップします。また、モノクロ側のみを利用する事で、美しいモノクロ写真を撮影できるのも特徴の一つです。

▼これは僕の持っていた片方にモノクロセンサーを搭載している端末で撮影したモノクロ写真です。モノクロセンサーで撮影する事によりカラーセンサーで撮影したカラー写真をモノクロ加工するよりも明暗差を深く捉える事が可能です。↓

セントレア空港にてUMIDIGI Z PROでモノクロ撮影

台南公園でモノクロ撮影

明るさや画質を向上するためだけのサブカメラを備えたデュアルカメラ。

最近、低価格なデュアルカメラ搭載端末で流行っているのがこのタイプ。写真の明るさや画質を向上するメインカメラを補助するためだけのサブカメラを備えたデュアルカメラです。

特に中華スマホで超低価格なモデルに搭載されているデュアルカメラはほとんどこれ。特にF値絡みでサブカメラを備えているモデルが多い印象です。

例えばF値が低ければ低いほど、より多くの光を取り込めて明るい写真が撮影でき、暗所ではノイズが少なくなりクリアな写真を撮影できます。

低価格なモデルではメインカメラの性能が低い製品が多く、例えばメインカメラにF値2.5のカメラを備えている場合、通常ならF値2.5までしか利用できませんが、サブカメラを備えると光を物理的に多く取り込めるのでスペック上は2つのカメラを利用して実現できたF値2.0を下回るほどのビックリスペックとなります。

ここまでは2つのカメラを駆使して実現していることなので素晴らしい事なのですが、前述した通り、完全にメインカメラの補助カメラなので、単体では撮影できないことが多いです。つまり、デュアルカメラの特徴の一つである異なる被写界深度で撮影することが出来ずに、ボケ味モードはエフェクト対応となる場合がほとんどです。

また、例の様にF値2.0以下を実現したとしても、オート撮影時はF値も自動設定となるので、実際に写真を撮影した時にサブカメラの恩恵を受けているのか分かりにくいです。

このことから、低価格なデュアルカメラ搭載端末は一部で似非デュアルカメラと言われています。僕もこの類のデュアルカメラ搭載端末を持っていますが、デュアルカメラらしい美しいボケ味撮影が楽しめないのであまりオススメできません。

▼この類のデュアルカメラで撮影した写真です。デュアルカメラの醍醐味である美しい背景ボケは期待できず、ボケ味もエフェクト加工なので”期待はずれ”感を強く感じます。↓

これからデュアルカメラ搭載端末を購入検討されている方は特性に注意しましょう。

如何でしたでしょうか?

僕はデュアルカメラに魅力を感じたので様々なデュアルカメラ搭載端末を触ってきましたが、最近はデュアルカメラらしくないデュアルカメラが搭載されている端末も増えてきたので、もし、何も知らずにデュアルカメラという言葉だけで飛びつくと期待はずれに陥る可能性が高くなると思い本記事を書いてみました。

僕も「低価格スマホでデュアルカメラが搭載された!スゴイ!」と飛びついて、結局は似非デュアルカメラでガッカリした経験も有るので、これからデュアルカメラ搭載端末を購入検討されている方は機種により異なるデュアルカメラの特性に注意して端末を選んで下さいね!

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