Intelがモバイル向けAlder Lakeプロセッサを発表!前世代よりコア数が大幅増加!
- ニュース
- ※ 当メディアのリンクにはアフィリエイト広告が含まれています
現地時間1月4日、IntelはCES 2022にてAlder Lake世代の新型プロセッサを発表しました。詳細は以下より。
目次をクリックすると各項目へ移動します
モバイル向けプロセッサは大幅進化
今回モバイル向けのAlder Lake世代CPUで発表されたのは、大きく分けると以下の4通り。
- ゲーミングノートPCで多用されるハイエンドモデルのHシリーズ
- 処理性能と省電力性能を両立したPシリーズ
- 省電力仕様のUシリーズ
- Coreシリーズ以外のPentium、Celeronなどエントリーモデル
なお、Alder Lake世代より高性能コアであるPコア、高効率コアであるEコアを組み合わせた、スマートフォン向けSoCと同じ方式のbig.LITTLE方式を採用しています。
また、スレッド数が以前のモデルでは搭載コア数の倍の数になるのがスタンダードでしたが、近年はそのルールも崩れてきており、今回発表されたAlder Lake世代のプロセッサは全てのモデルで搭載コア/スレッド数が単純な倍数ではない中途半端な数字になっています。
このような構成になっているのは、高性能コアのPコアのみを仮想コアの対象として使うように設計しているからだと思われます。
こんなことになっているのは、高性能コアのPコアのみを仮想コアとして使うように設計しているからだと思われます。
ハイエンドのHシリーズは14コア20スレッドの大台へ
Hシリーズは以下のラインナップで構成されています。
- Core i9-12900HK(14コア20スレッド、Pコア:6、Eコア:8)
- Core i9-12900H(14コア20スレッド、Pコア:6、Eコア:8)
- Core i7-12800H(14コア20スレッド、Pコア:6、Eコア:8)
- Core i7-12700H(14コア20スレッド、Pコア:6、Eコア:8)
- Core i7-12650H(10コア16スレッド、Pコア:6P、Eコア:4)
- Core i5-12600H(12コア16スレッド、Pコア:4、Eコア:8)
- Core i5-12500H(12コア16スレッド、Pコア:4、Eコア:8)
- Core i5-12450H(8コア12スレッド、Pコア:4、Eコア:4)
新しい基準となった電力消費量はBase Powerが45W、Turbo PowerがCore i5モデルが95W、Core i7〜i9が115Wに設計されているようです。
特筆すべきはモバイル向けとはいえ、14コア20スレッドにコア数が増加したこと。そもそも比較対象が違うとはいえ、デスクトップ向けCPUに迫るくらいのコア数に増加したことでしょう。
Intelが公表するには、Core i9-12900HKでは前世代のCore i9-11980HKよりも最大28%高速なゲーミング性能を発揮し、3Dレンダリング性能は前世代と比較して最大43%向上していると謳っています。
その代償に消費電力も高めですが、そもそもHシリーズは処理性能第一で省電力性は二の次のプロセッサですので、その点はネックとなり得にくいでしょう。むしろ気になるのは発熱ですかねぇ。かなりアッチッチになりそうな予感…
パフォーマンスと省電力性を両立したPシリーズ追加
Pシリーズは以下のラインナップで構成されています。
- Core i7-1280P(14コア20スレッド、Pコア:6、Eコア:8)
- Core i7-1270P(12コア16スレッド、Pコア:4、Eコア:8)
- Core i7-1260P(12コア16スレッド、Pコア:4、Eコア:8)
- Core i5-1250P(12コア16スレッド、Pコア:4、Eコア:8)
- Core i5-1240P(12コア16スレッド、Pコア:4、Eコア:8)
- Core i3-1220P(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
新しい基準となった電力消費量は全て同じで、Base Powerが45W、Turbo Powerが64Wに設計されているようです。
近年ではハイパフォーマンスラインのHと省電力ラインのUの2本をメインに展開していましたが、Alder Lake世代からはその中間に位置するPラインを新設。
Uシリーズよりも性能が欲しいけどHシリーズよりも電力消費を抑えたい方にはうってつけと言えるでしょう。
Uシリーズは消費電力の違いで15W版と9W版の2種類に分かれている
Uシリーズ(15W版)は以下のラインナップで構成されています。
- Core i7-1265U(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
- Core i7-1255U(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
- Core i5-1245U(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
- Core i5-1235U(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
- Core i3-1215U(6コア8スレッド、Pコア:2、Eコア:4)
新しい基準となった電力消費量は全て同じで、Base Powerが15W、Turbo Powerが55Wに設計されているようです。
Uシリーズ(9W版)は以下のラインナップで構成されています。
- Core i7-1260U(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
- Core i7-1250U(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
- Core i5-1240U(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
- Core i5-1230U(10コア12スレッド、Pコア:2、Eコア:8)
- Core i3-1210U(6コア8スレッド、Pコア:2、Eコア:4)
新しい基準となった電力消費量は全て同じで、Base Powerが9W、Turbo Powerが29Wに設計されているようです。
省電力性能に優れているが故、ノートPCでは一番採用例の多いUシリーズですが、それでもCore i3以外が10コア12スレッドと格段にコア数が増えています。前世代の11世代までは4コア8スレッドが最大コア数だったので、その差は歴然です。
エントリークラスでも5コア6スレッドに進化!
今回、PentiumやCeleronなどのエントリークラスもモデルチェンジを果たしました。
以下は15W版のラインナップです。
- Pentium 8505(5コア6スレッド、Pコア:1、Eコア:4)
- Celeron 7305(5コア6スレッド、Pコア:1、Eコア:4)
新しい基準となった電力消費量は全て同じで、Base Powerが15W、Turbo Powerが55Wに設計されているようです。
以下は9W版のラインナップ。ちなみに、Intelの表では15W版と同じ名称になっていますが、命名ルールの面などを考慮すると誤記載の可能性が高いので、Coreシリーズの9W版と同じ命名ルールに変えて記載しています。
- Pentium 8500(5コア6スレッド、Pコア:1、Eコア:4)
- Celeron 7300(5コア6スレッド、Pコア:1、Eコア:4)
新しい基準となった電力消費量は全て同じで、Base Powerが9W、Turbo Powerが29Wに設計されているようです。
15W版、9W版のどちらも5コア6スレッドと今までのPentiumやCeleronの2コア4スレッドから大幅なコア数の増加を実現しました。スゴい!
個人的に注目しているのは、このPentium、Celeronの性能向上っぷりだったりします。
全体的にコア数が増加しているぞ!性能の伸びにも期待!
今回の発表でAlder Lake世代のモバイル向けプロセッサが揃った形になりましたが、前世代から大幅にコア数も増加し、かなりの性能向上も果たしているものと想像できます。
最上級モデルのCore i9-12900HKの性能向上はもちろんですが、一番下っ端のエントリークラスであるCeleronも4コアを超え、5コア6スレッドと一気に基準が引き上げられたのも気になるポイントです。
ハイエンドプロセッサもロマンがありますが、Alder Lake世代のCeleronを搭載するWindowsタブレットとか触ってみたい気がしますね!
近年のAMDの攻勢により、Intelは厳しい戦いを強いられていましたが、今回の発表でようやくIntelも盛り返してきた印象を受けます。
PCメーカー各社よりAlder Lake世代プロセッサ搭載のPCも続々リリースされ、それに伴って実際の性能も明らかになってくるでしょう。ポテンシャルを目の当たりにするのが今から楽しみです!