CHUWI LapBook Plusのレビュー。4K HDRディスプレイは魅力的だけど性能バランスがヤバイ
15.6型の4K HDRディスプレイを搭載する超ニッチなCHUWI「LapBook Plus」の評価機がガルマックスに届きました!
CHUWIのLapBookシリーズといえば、「CHUWI LapBook AIRのレビュー!10万円クラスのプレミアムボディーが凄い!」で紹介したモデルのように、アンバランスな仕様が面白いシリーズです。
今回は、更に攻め込んだ仕様となっているわけですが・・・これは賛否両論巻き起こりそうですぞ!ドン・キホーテのストイックPCみたいに「仕様を知ってないと結構ヤバメな域に攻め込んでいる製品」なので、じっくりレビューをチェックして頂きたいです!
※本記事で掲載している製品は評価機です。製品版で仕様が変更となる可能性があるのでご了承下さい。
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LapBook Plusの価格
今回はローンチ前にCHUWIさんから評価機をお借りしたので価格が分からなかったのですが、Geekbuyingで製品ページやクーポンが出てました。
Geekbuyingでの価格は通常573.99ドル、現在は16%オフで481.99ドル、執筆時点で見つけた割引クーポンを適用した場合は469.99ドル。日本円換算だと約51,000円ってとこです。
海外製品の価格は変動が激しいので、大体5万円前後くらいだと思っておきましょう。
LapBook Plusの基本的な仕様
OS | Windows 10 Home(日本語対応してます。) |
ディスプレイ | 15.6インチ 4K HDR(3,840 × 2,160) |
CPU | Atom X7-E3950 |
メモリ | 8GB |
保存容量 | 256GB(SSD) |
MicroSD | スロットあり |
端子 | USB-A 3.0 ×1 USB-A 2.0 ×1 MicroHDMI ×1 3.5mmジャック ×1 DC電源端子×1 |
サイズ | 横幅362mm×高さ242mm×厚さ15.9mm |
重さ | 1.53kg |
パソコンに詳しい方はもうお察しかと思いますが、性能を左右する基本パーツ群の構成が中々香ばしい感じ。特にCPUは4K再生を行えるギリギリを攻め込んだAtom X7-E3950となっております。それでは、実際に使用感などを織り交ぜながらレビューをお届けしたいと思います!
LapBook Plusの外観・デザインは質感もGood。高い所有満足度を得られる
▼今回は評価機ってことで付属品は充電器のみで12V/3A(36W)出力の充電器が入っておりました。↓
▼LapBookシリーズは外観品質の評判が良く、今回のLapBook Plusも外観品質はピカイチ。メタルボディーに落ち着いたグレイカラー、ブラック×白印字のキーボードなど気品漂うデザイン・外観品質となっております。高級機種にも負けないクオリティ。↓
▼ディスプレイは15.6型の4K HDRパネルを搭載。フルサイズのキーボードを備え、タッチパッドも大きく操作性も良好。↓
▼ディスプレイは最大でここまで開きます。膝上に置いての作業でも特に不満は感じません。↓
▼底面にはSSDスロットへアクセスするための蓋が備わっているので、簡単にSSDスロットへアクセス可能。また、本体にしっかり技適マークが刻み込まれています。↓
LapBook Plusは15.6型だけどスタイリッシュで軽量
▼LapBook Plusのデザインはスタイリッシュ。非常に薄型な設計を取り入れているので重量も約1.5kgと15.6型クラスでは軽量級となっています。↓
LapBook Plusのキーボードは広くて打ちやすい
▼さすがに15.6型だけありキーボードサイズにも余裕があります。タイピングも快適。↓
▼大きなサイズを生かしてテンキーも備わっております。↓
▼少し扱いにくかったのがカーソルキー。キー全体が詰まって配置されているので見た目はスッキリしているけれど、カーソルキーの周囲にスペースが無いので手探りでカーソルを探しにくい。↓
打鍵音は位置により異なる
打鍵音は全体的にはスコン・スコンという感じの静音仕様なのですが、一部のキーはシャコン!と高めの打鍵音。安っぽくは無いんだけれど打鍵音が異なるので少々気になったポイントで御座いました。
キーボードは美しく光る
▼LapBook Plusのキーボードはバックライト付き。青白く輝くので非常に美しいです。バックライトは消灯以外に2段階の光量を調整可能となっておりました。バックライトが備わることで利用シーンも広がります。↓
LapBook PlusはCPUのパワー不足が否めない
▼さて、LapBook Plusの外観品質は非常に高かったのですが、ヤバイのが性能。LapBook PlusはCPUにAtom X7-E3950を搭載しております。↓
Atom X7-E3950は2016年ごろのCPUなので少々古いCPUを採用しているみたい。Atomはモバイル向けプロセッサーとなるので最近のInter廉価版CPUであるCeleron N4100よりも性能が低く、価格も大きく変わらないことからAtomを採用するモデルが少なくなってきました。
Atom X7-E3950の性能は思っているよりも高くありません。例えば、Edgeを立ち上げてYouTubeを開き4K動画を検索するようなフローでは、EdgeでWEBページを移動するたびにCPUの使用率が一気に上昇します。
▼Atom X7-E3950は想像以上に非力。ブラウジングや動画視聴を行うと多くのシーンでCPU使用率が100%近くに張り付いてしまいます。常にいっぱいいっぱい。↓
処理性能が圧倒的に低いので、大容量メモリやSSDの特性も十分に発揮出来ていません。
メモリは中々の大容量である8GBを搭載しており、複数のタブを開いての操作はそこそこ出来るんですが、「新しいタブを開く」という動作で処理性能が足りずにもたつくシーンが散見されました。サクッと新しいタブでWEBページが表示されるのではなく、ワンテンポおいて表示される感じです。一旦表示してしまえばタブの切替はそこそこ快適。
▼ストレージはSSDを採用しているのでベンチマーク的にはSSDらしい速度を確認出来ているのですが、読み込みが早くても「読み込み後の処理」で時間がかかり結果的に動作の機敏さが失われています。↓
この様な感じでCPUがボトルネックとなり全体的に「カクつく」「引っかかる」「もっさりしている」という印象がつきまといます。
動画で動作をチェック
▼文字だけでは伝わりきらないので動画にも収めてみました。WEBブラウザーの立ち上げから複数のタブを展開、YouTubeで4K動画の再生を行い全画面表示や縮小切り替えを行っています。許容範囲は人それぞれ異なるので、実際にLapBook Plusの動作を見ていただくのが1番分かりやすいはず。↓
Atom X7-E3950しか選べないLapBook Plusはニッチすぎて購入者も大きく絞られる
こんな感じでLapBook PlusはAtom X7-E3950を搭載することで、リッチな仕様部分を自ら殺してしまうようなアンバランスさ。
冒頭で紹介したLapBook AIRは、ライトユーザーが利用する上で必要十分な性能を持ち合わせていた「Celeron+大容量メモリ+eMMC」構成で流行した安価な部類の製品に”高品質な外観”を組み合わせたことで、これまでデザイン的に野暮ったい製品しか無かった低価格帯域で大きな存在感を放っていました。そして、低価格なんだけれど見た目が凄くカッコいい!って事でとっても人気な製品でした。
一方、LapBook Plusは4K動画再生という部分にのみフォーカスを当てすぎた結果、「普段使いで不満が出てしまう」ほどのCPUを採用してしまったことは致命的。さすがに2019年7月現在で2016年のCPU、しかもモバイル向けのAtomを採用してしまったのは、大きな選択ミスでしょう。
Atom X7-E3950しか選べないLapBook Plusは「4K HDR動画が再生できれば良い」という非常にニッチな市場しか獲得が出来ず、購入者も大きく絞られる結果となるでしょう。
今すぐにでもバリエーションを増やすべき
LapBook Plusは魅力的な部分も沢山詰まっています。スタイリッシュなデザイン、打ちやすいキーボード、そして、大きく美しい4K HDRディスプレイ。
決定的に足りないと感じるのはCPUの処理性能です。流石にブラウザーを開いてネットサーフィンするだけでCPUの使用率が90%付近を常にウロウロしてしまうのは、普段使いで支障が出るレベル。
バリエーションとしてAtom X7-E3950搭載モデルを用意するのは良いと思うんですが、価格が少々高くても良いのでCPUをCeleron〜Core M3あたりまで選べるような柔軟さがほしかったところ。
個人的にLapBook Plusのアンバランスな仕様は面白く感じており嫌いじゃないんですが、現状のAtom X7-E3950モデルのみだと手放しに万人にオススメ出来る性能じゃないのは確か。これを解決するには、複数のCPUグレードから選べるようにバリエーションを増やすしか無いです。
LapBook Plusの4K HDRディスプレイは想像以上に美しい!
性能に関しては超辛口レビューとなりましたが、ディスプレイの美しさはピカイチ。流石に高価格帯テレビのような有機ELではないのですが、4K HDRの高精細で美しい映像はLapBook Plusで十分堪能できます。YouTubeの4K動画や、手持ちの4K HDRコンテンツを試してみましたが、めちゃくちゃ綺麗です。
▼4K動画再生が始まればAtom X7-E3950でもコマ落ちせずに再生できるレベルなので、映画視聴などは15.6型の大画面&4K HDRの高精細ディスプレイで堪能出来ました。↓
Atom X7-E3950は4K60Hzをサポートしているんで4K60FPSの動画も再生可能で高精細でありながら滑らかな映像を楽しめるのは利点でしょう。
YouTubeの4K/60FPSの動画再生時に若干コマ落ちのような症状が見られたのでローカルに保存した4K60FPS動画を再生したところ、どうやらコマ落ちのような症状はストリーミング動画特有のコマ落ち(動画自体のカクつきなど)だったようで、パフォーマンスが足りずにコマ落ちしてるのでは無さそうです。
※4K HDRディスプレイをフルに堪能するには4K HDRコンテンツを視聴しましょう。
外部映像入力があれば大きく評価が変わったかも
僕がLapBook Plusの開発陣だったら「4K60FPS対応のDisplayPort外部入力端子」の搭載を提案していたかなぁ。これだけ美しい4K HDRディスプレイをPCだけに留めるのは勿体無い気がして仕方ないんですよ。
そもそも4K HDRパネルを搭載する低価格なモデルなんてLapBook Plusの登場まで見かけなかったんで、外部ディスプレイとしても利用できる外部映像入力が備わっていれば魅力は格段に上がったかなと。
例えば、外部映像入力ができれば「ゲーム機を接続する」「Blue-rayレコーダーを接続する」「地デジチューナーを接続する」といった事が可能となり、マルチメディア用途で魅力がグンッと向上します。
4K HDRパネルを採用しているって部分は確かにLapBook Plusの大きな特徴なんですが、もう一つくらいキラリと輝く特徴があれば大きく評価も変わったんじゃないかと感じます。
LapBook Plusのスピーカーは改善の必要あり。ビビリ音が非常に気になる
評価機なので対策されているかも知れませんが、手元にあるLapBook Plusは音量を上げると”ビビリ音”がひどいです。
▼スピーカーのグリルは縦長で大きいんですが、ユニット自体は小型。スピーカーグリルも確認すると下部付近のみ穴が空いてます。底面を全て外して確認したのですが、やはりスピーカーサイズは以下の写真部分のみから音が出るユニットを搭載していました。↓
僕だけじゃなくスタッフにもLapBook Plusのサウンドを聞いてもらいましたが、皆、ビビリ音が凄く気になるという評価です。
スピーカーはマルチメディア用途を意識したデュアルハイパワーラウンドスピーカーで、立体音響エフェクトなども盛り込まれていますが、仕上げをもう少し煮詰めてほしかったところ。製品版では改善していることに期待したいです。
LapBook Plusまとめ – 現状では万人にオススメできない
LapBook Plusの評価機をCHUWIさんからお借りして利用していましたが、実に惜しい製品だと感じる仕上がりでした。4K HDR映像出力を活かせるシーンがPCへ取り込んだ映像やストリーミングに限られること、絶対的な処理性能が低く「4K HDR動画再生」以外のシーンで動作の鈍さを常に感じてしまうこと、などなど。
処理性能を選択できるようなバリエーションの豊かさや、4K HDRパネルを徹底的に活用できる外部映像入力端子の搭載など、もう少し煮詰めれば大きく化けるだけに本当に惜しい製品。
Atom X7-E3950しか選択できない現状では、LapBook Plusを手に取るユーザーは少数に留まりそうです。また、ガルマックスでも万人にオススメは出来ません。LapBook Plusが気になっていた方は性能を把握して納得した上で購入する事をオススメします。
LapBook Plusが気になっている方の参考になれば幸い!ガルマックスレビューでした!
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