MediaTek、2021年売上高は過去最高金額を記録と絶好調

DimensityシリーズやHelioシリーズなどで好調なMediaTekですが、2021年の売り上げも好調だった模様です。

2021年の売上高は過去最高金額の176億ドルで成長率は53%もアップ!

海外のリサーチ会社であるCounterpointがMediaTekの売上高に関する情報を公開しています。

その報告によると、MediaTekの2021年の売上高は2020年の115億ドルから61億ドルアップの過去最高金額の176億ドルを記録。成長率は53%アップと著しい伸びを達成しています。営業利益率は4年連続の増加と年々伸び続けているのも特徴ですね。

上昇率の要因として、Counterpointは5G、Wi-Fi 6、低消費電力技術への投資が牽引していると推測しています。

2021年第4四半期の売上は、前四半期比で2%減、前年同期(2020年第4四半期)比で33.5%増となりました。前四半期からの減少の理由は、スマートフォンの収益減少(そちらは前四半期比9%減)によるものとのことです。

また、Counterpointが予測するMediaTekの2022年分の成長見通しは以下の通り。

  • 製品構成の改善と更なる先端技術への移行により、売上成長率は20%を超え、粗利益率目標は48%から50%に増加する。更にファウンドリの供給がより管理しやすくなるため、2022年は好調な年になると思われる

なお、MediaTekはすでにTSMCで必要な在庫分を確保しているとのことですので、よっぽど需要過多にならない限りは供給は大丈夫と考えてもいいのではないでしょうか。

  • スマートフォン向けのハイエンドSoCであるDimensity 9000と5Gの普及率向上により、前四半期(2021年第4四半期)比で2〜10%増の売上47億〜51億ドルを見込んでいる

上記の売上はTSMCのウェハー(半導体チップの原材料)価格引き上げに伴うチップセット価格の上昇を反映したものとのことですが、それを考慮に入れても売上高が増加するかもしれないと予測するくらいには成長が期待されているということでしょうね。

  • MediaTekのハイエンド(3、4、5nm製造のもの)SoCは、2022年に9~10%の市場シェアを獲得すると予想しています。

根拠として、昨年(2021年)に発表されたMediaTek渾身のハイエンドSoCであるDimensity 9000がOPPO、Vivo、Xiaomiなど、中国のメーカーを主体に複数のメーカーが採用している点を挙げています。

また、Counterpointの全体的なスマートフォン用SoCの2022年第1四半期のシェア予測として、MediaTekが39%で1位、Qualcommが29%の2位と予想しています。

最後にCounterpointは以下のように締めています。

  • MediaTekは長期的な収益増加を目指しているが、収益の大部分は依然としてスマートフォン向けSoCが牽引することになる。
  • 自動車を含めるIoT機器向けチップなどラインナップを多角化するQualcommとの競争力を保つには、投資や合併によって新たな成長分野を模索する必要がある。

Dimensity 9000搭載機種リリース後が分岐点になるかも

MediaTekがかなり勢いを増していることはおおよそ分かっているつもりでしたが、調査結果を見て、ここまで破竹の勢いだとは正直思っていませんでした。

昨年11月にMediaTekとしては念願の超ハイエンドSoCであるDimensity 9000を発表してから、2021年以上に勢いがついているように感じています。この様子を見ていると、ほぼCounterpointの予測通りに物事が推移しそうに思いましたね。

Dimensity 9000を搭載した機種は3月に発売される予定とのことですので、そこが大きな分岐点となるはず。イケイケなMediaTekの2022年の売上結果が今から楽しみです!

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