OPPO Reno9 Aのレビュー。長く使えるミドルレンジスマホ
OPPOが2023年6月22日にリリースしたミドルレンジのスマートフォン「OPPO Reno9 A」の本体をお借りしました。しばらく使ってみたのでレビューをお届けします。
OPPO Reno9 AはOPPO Reno7 Aの後継モデルですが、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジモデル。2023年は他メーカーもマイナーチェンジっぽいモデルが多かったので、これからはフルモデルチェンジは2年毎のサイクルが一般的になるかもですね。
良かった点
- 質感の高い筐体
- サクサク動く
- 十分な画質のカメラ
注意点
- ゲームは画質など妥協が必要
- ステレオスピーカーではない
- 動画撮影に弱い
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OPPO Reno9 AとOPPO Reno7 Aの違い
OPPO Reno9 AはOPPO Reno7 Aと比較して・・・
- 外観の素材が変わった
- メモリが2GB増量して8GBになった
OPPO Reno9 Aはサクサク動作を向上させる「DCE」に対応していますが、これはColor OS 13のソフトウェア機能なので従来機の一部にも提供される予定だそうです。なので大きく異なるのは上記2点。
先述通りOPPO Reno9 AはOPPO Reno7 Aのマイナーチェンジモデルなので多くの変化はありませんが、OSやセキュリティアップデートは発売から○年や○回といった感じでの提供となるので、後発のOPPO Reno9 Aが当然長く良い状態を保てます。
スペック・ベンチマーク、検証結果の一覧
より質感が高まったボディー
先代モデルのOPPO Reno7 Aから見た目で大きく変わったのがボディー。筐体の形状自体は変わりませんが、背面パネルのデザインと素材が変わりました。
▼OPPO Reno7 Aはポリカーボネートでしたが、OPPO Reno9 Aはガラス素材となり擦り傷により強くなったとのこと。↓
▼届いたのはムーンホワイト。背面の質感がとても高いですね。安っぽさは微塵も感じません。側面のフレームも美しく手に取った時の第一印象は「随分と高品質だな」という感じでしたが、少々滑りやすいので気をつけて下さい。↓
▼ディスプレイサイズは一般的な6.4インチ。重量が183gで厚みが7.8mmとそこそこ薄型軽量です。↓
OPPO曰く片手でも操作しやすいとしていますが、横幅が74mmあるので片手操作は手が大きくないと厳しいです。ただ、多くのスマホは大体こんなサイズ感なので扱いづらさは感じません。
筐体の感想ですが、この質感とデザインは個人的にGoodです。ライトユーザーさんはスマホを見た目で選ぶという人も多いと聞くので、見た目重視でスマホを選ぶユーザーさんにも気に入ってもらえそうです。
OPPO独自のApp Marketは要らない
▼OPPO Reno9 AはAndroid 13をベースにカスタマイズしたColor OSを搭載。色々な便利機能を搭載しています。↓
細かい機能については検証表を見てもらうとして、個人的に微妙だなと感じたのがApp Marketアプリ。
▼App Marketアプリを起動するとこんな感じ。「話題のアプリ」が並んでいるだけで、アプリストアのような機能は有していません。おそらくOPPOのおすすめアプリが並んでいるだけかも。あとインストール済みのアプリも「取得する」と表示されてるのが紛らわしいですね。↓
Androidスマホを使っている方はGoogleのPlayストアを使っているはず。もちろん、OPPO Reno9 Aにも入っているんですが・・・
▼こんな感じでアプリの更新などを行う際にApp MarketとPlayストアのどっちでダウンロードするか選択肢が出てきます。↓
スマホ初心者さんは選択肢があるとどちらを選んで良いか分からず困りそうです。ちなみに、Chromeの更新時にダウンロード先をApp Marketにしてみましたが、推移先はPlayストアとなっていました。なら選択にApp Marketを表示しなくても良いのでは?
ブラウザーもChrome以外にもう一つホーム画面に並んでいるのもスマホ初心者さんにとっては混乱する原因になりそう。
動作はサクサク。普段使いで十分な性能
OPPO Reno9 Aが搭載するSoC(頭脳のようなパーツ。これのランクで総合的なパフォーマンスが変わります)はSnapdragon 695 5Gで先代モデルのOPPO Reno7 Aから据え置き。
▼メモリは2GB増量して8GBになっていますが、使い始めた時点だと先代モデルとの動作の差は感じません。↓
このあたりは長期的な利用で差が出てくる部分ですね。僕の奥さんはスマホのライトユーザーなんですが、アプリ履歴をクリアしてることを見たことが無いので、そういった部分でもメモリを消費しているはず。メモリの増量はこのような使い方をも想定して増やしたのかな?とも感じました。
全体的な動作はサクサク・軽快といった印象です。
3年前に主力だったSoCといえばSnapdragon 662あたりですが、それと比較すると性能は2倍ほどに向上しているので、毎年スマホを買い替えているようなスマホオタクでもなければ、「こんなに軽快に動くんだ」とその進化に驚くはず。
僕は日常的にWEBブラウジング、Amazonや楽天アプリでの買い物、YouTubeやTikTokでの動画視聴、SNS、通話やメールを使っていますが動作に不満はありません。快適。
ゲームは画質を下げるなど妥協が必要な場合も
普段使いでは十分な性能を持っていますが、「ゲーム」に関しては少々注意が必要です。綺麗で滑らかな映像でゲームを遊びたい場合、ゲーム性能が重要になってきますが、その性能はSoCのランクに依存します。スマホのランクはざっくり分けると・・・
- ハイエンド
- ミドルハイ
- ミドル
- エントリー
といった感じで下にいくほど性能が低くなります。
OPPO Reno9 Aだと上から3番目の「ミドル」に該当するので、ゲーム性能も「ミドル」。このゲーム性能が高くなればなるほど、より綺麗な映像、より滑らかな描画でゲームを表示でき快適度が増します。
OPPO Reno9 Aはお世辞にもゲーム性能は高いと言えないので、ゲームでは「画質」または「滑らかさ」、時には両方を妥協する必要があることに加え、それでもなお快適とは言い難いタイトルも出てきます。それでは実際にゲームを動かして確認してみましょう。
▼PUBGモバイルでは滑らかさが重要になってきますが、一番滑らかに表示できる設定ではスムーズ+ウルトラが上限でした。ハイエンドになると、もっともっと滑らかに表示できる項目が開放されますが、OPPO Reno9 Aではこれが限界。↓
PUBGモバイルでのスムーズ+ウルトラは上限40FPSです。プレイ中はほぼ40FPSをキープしていることから楽しめるレベルで遊べますが、シューティングゲームは滑らかになるほど有利なので本気プレイするには物足りなく感じます。
続いては重量級のゲームを動かしてみます。代表的なものだと「原神」ですね。このゲームは最近ようやく最新最上級のハイエンドSoCで「画質」と「滑らかさ」を両立できるようになりました。
▼それではOPPO Reno9 Aでの動作を確認してみましょう。原神での設定はデフォルトで「低」。フレームレートを60にした状態で高負荷をかけて検証してみます。↓
▼OPPO Reno9 Aでは先述通りゲーム性能がミドル帯なので踏ん張りが効きません。高負荷時にFPSが24FPSまで下がってしまいました。プレイ中も30FPSを割ることが多々あるので快適とは言えません。↓
個人的にプレイ中に下限30FPSで留まってくれるとゲームは楽しめるレベルで遊べますが、原神の場合はそれを下回るFPSなので動作の鈍さを随所で感じます。
すべてのゲームで妥協が必要になる訳ではありませんが、ミドルスマホはゲームはタイトルによって妥協する必要も出てくるので覚えておきましょう。
映像は美しいが動画視聴時に音質が物足りない
OPPO Reno9 Aは美しく滑らかなディスプレイを搭載していることに加え、NetflixやAmazonプライムビデオなど「著作権コンテンツ」も高画質で再生できる仕様となっています。
と、ここまでは動画再生機として魅力的な仕様ですが、残念ながらスピーカーがシングルタイプなのでステレオ再生ができません。
2022年に登場した先代のOPPO Reno7 Aもシングルスピーカーは残念なポイントとして挙げていましたが、OPPO Reno9 Aはマイナーチェンジモデルなので、この点も変わらずといった感じ。音質はYouTubeやTikTokを見るくらいなら十分です。
▼シングルスピーカーでも縦持ちならあまり気になりませんが、横持ち状態での利用が多くなる映画やゲームは音の偏りが気になるのでイヤホンを使うのが良さそうです。↓
日常使いで十分な画質のカメラ
OPPO Reno9 Aは4,800万画素のメインカメラ、広い範囲を撮影できる800万画素の超広角カメラ、接写用のマクロカメラの3カメラ構成となっています。
▼写真は明るい場所ならとっても綺麗です。日常的なスナップ撮影もそこそこ楽しめます。「スマホで撮影した写真はスマホで見る」という使い方なら十分な画質。↓
よりランクの高いスマホと比較した場合、様々な面で劣るのは当然かと思いますが、ミドル帯としては価格相応といった感じの画質です。全体的に明るく鮮やかに撮れるのでSNSへの投稿も捗ります。
サムネと異なる写真が記録される場合がある
撮影した写真を確認する場合は必ずサムネイルをタップして写真を表示して確認して下さい。理由はサムネイルと実際に撮影した写真で異なる場合があるからです。何を言っているか意味が分からないと思うので説明しますね。
OPPO Reno9 Aはなぜか2倍ズーム時にシャッターを切ってから実際に撮影されるまでラグがあり、キチンと撮影したと思っても見返すとガッツリとブレている場合があります。パッと出してサクッと撮影してスマホをすぐに下げると地面がよく撮れてますね。
この時、撮影に失敗していてもカメラアプリ左下のサムネイルはキチンと映っているようなものが表示されます。これが問題。
▼これはスコップを撮影したときのもの。サムネではちゃんと撮れてる風なサムネが表示されていますが、サムネをタップして写真を表示すると、撮影タイミングがズレて記録された地面の写真に。その後、カメラ画面に戻るとサムネは失敗写真に差し替わっています。↓
つまり、撮影後はサムネだけで判断してはいけません。
サムネをタップして写真を表示して確認しないと撮影に失敗しているか分かりません。スマホのカメラは大切なシーンを撮影する場合もありますから、この点はなんとかしてほしいものですね。
動画は最大1080P/30FPSまで。手ぶれ補正も弱い
動画撮影が好きな人もOPPO Reno9 Aは向いていません。SoCの制約で動画は1080P/30FPSまでしか対応しておらず、60FPSの滑らかな映像も撮影できません。
▼手ぶれ補正の効きも甘いですし画質も悪いです。動画撮影を沢山する人には向いていないスマホだなと感じました。↓
OPPO Reno9 Aをオススメできる人
OPPO Reno9 Aはこんな人にオススメです。
- 3〜4年前のミドルスマホから機種変更を検討している人
- 子供用のスマホを探している人
- ゲームをあまり遊ばない人
OPPO Reno9 Aは筐体の質感が高く見た目も良いです。動作もサクサクと軽快に動きますし長く愛用できるモデルだなと感じました。
僕のように最新スマホを日々追いかけているスマホオタクからするとマイナーチェンジモデルは物足りなさを感じますが、一般的にスマホは3〜4年ほど使う人が大多数。2019年〜2020年頃にスマホを買ってそろそろ買い替え時期かな?と考えている人からするとOPPO Reno9 Aは大きな進化を感じられるはずです。
OPPO Reno9 Aの登場でOPPO Reno7 Aも安くなっていますが、OSのアップデート期間は新しいOPPO Reno9 Aが当然長くなるので、3〜4年使う予定で購入するならOPPO Reno9 Aが断然オススメ。メモリも多いに越したことはないですしね。
スマホを生活の必需品として利用している普通の人なら「長く使える」という点は魅力的かと思います。とても扱いやすいモデルなので、是非、スマホの買い替え時はOPPO Reno9 Aも候補に入れて検討してみて下さい。