Bluetoothイヤホン「PINO」のレビュー!実機を使って良かったところ、イマイチなところ
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”ユーザーの望む機能すべてを1のつイヤホンに統合する”をコンセプトに誕生した「PINO」。メーカーからサンプルを頂いたので、しばらく使って良かったところ、イマイチに感じたところをレビューでお届けします!
※サンプル機なので製品版とは異なる部分があるかも知れません。その点はご留意下さい。また、届いたサンプル機は本体のみでしたので外箱や付属品については記載していません。
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PINOはクラファンで目標額を一瞬で達成したBluetoothイヤホン
PINOは、クラウドファンディングのMakuakeにて日本発売を目標としたプロジェクトをスタート。目標額30万円に対し1,000万円を超える支援が集まったことから非常に注目されているモデルであることが分かります。
PINOは完全独立型のイヤホンで、周囲の雑音をカットするANC、周囲の音を聞ける外音取り込み、通話時に周囲の雑音をカットして自身の声を明確に捉える通話用ANC、防水仕様と謳い文句どおり「全部入り」。どんな仕上がりなのかレビューでじっくりチェックしてみて下さい。
ちなみにスペックはこんな感じです。
- チップ:Bes2300
- ANC:最大35dB軽減
- 外音取り込み:対応
- 対応コーデック:SBC、AAC
- Bluetooth:5.0
- バッテリー容量:ケース/750mAh
- 再生時間:イヤホンのみ/4時間、ケース込み24時間
- サイズ:62.77 × 52.99 × 27.12mm
追記:Twitterで充電方法について「Qi充電に対応しているか」とご質問を頂きました。PINOはQi充電に非対応なのでワイヤレス充電はできません。充電はケース下部のUSB-Cからケーブルを接続して充電するタイプです。ご質問頂きありがとうございました!
■良かった■
・ケースからイヤホンが凄く取り出しやすい
・ANCの効きが抜群
・簡単にANCと外音取り込みを切り替えられる
・少し低音が効いている音質が心地よい
■イマイチ■
・BluetoothコーデックがSBC以外にAACのみ
・Bluetooth 5.0製品の中ではやや途切れやすい
・タッチセンサーの操作が複雑で意図しない入力になることがあった
・外音取り込みでやや耳栓感が残る
PINOのデザインをチェック!
ケースは大きめ。質感はややチープな感じだった
▼提供頂いたのはブラック。油脂の目立ちにくいマッドなカラーリングは気に入ってます。カラーはブラック以外にホワイトも選べます。↓
▼PINOを初めて手にとった時に感じたのは「ケースが結構大きいな」ってこと。厚みもあるのでタイトなジーンズのポケットに突っ込むとかさばりますね。↓
▼蓋をパカッと開いてみます。開け心地はAirPods Proと変わらない印象で、スッと開きパシュっと閉まる感じ。イヤホンはピースが外側に向いた状態で収納するタイプ。↓
▼ケースの質感はややチープな印象。ヒンジの金属パーツはマッドな質感ですが、下部のポート周囲は銀メッキのような質感だったので統一性が欲しかったところです。↓
5,000円くらいの製品ならケースの質感がチープでも「まぁ、こんなもんだよね」と思えるのですが、PINOの価格は約1.8万円。この価格であることを考えると質感はもう少し頑張ってほしかったところ。
革張り…とは言いませんが、金属素材を使うなど高級感も欲しかったかな。
イヤホンは長め。重量は5gなので軽量
▼PINOのイヤホンは”うどん”部分が長めです。結構大きめなのですが、重量は5gでサイズから考えると軽量な部類でしょう。↓
▼ハウジング部分(うどんの上部の円形部分)にタッチセンサーが備わっていて、ここをタップすることで操作するみたいです。物理ボタンが無いので見た目はとってもシンプル。↓
PINOを実際に使い込んで分かったメリットやデメリット
イヤホンが取り出しやすい!
▼イヤホンの頭は摘むところが平面で、しっかり摘んで引き抜くことが出来ます。AirPods Proは頭が丸いので滑るわ上手く摘めんわでしょっちゅう落としてましたが、PINOはまだ落としてません。↓
▼イヤホンはピースが外側の状態で収納されてるので、クルッと内側に回して装着するのですが、うどん部分の形状が長めの角型なので凄くクルッとしやすいんです。↓
イヤホンの取り出しやすさは毎日愛用するなら気になるポイントですが、個人的には100点をあげたいくらい取り出しやすいです。
汎用のイヤーピースを取り付けられたのが嬉しい!
▼イヤーピースを取り外してみました。ピースの固定台座は楕円形で返しも付いてます。↓
僕はイヤホンに付属するピースサイズが合わない事が大半。なので、奇跡的に見つけたお気に入りのピースを取り付けることが多いんです。
台座の形状が楕円形なので汎用イヤーピースが取り付けられるか心配だったのですが、今のところ外れることもなく問題なし。
AirPods Proもしばらく使ってたんですが、あれ、ピースの台座が独自規格で理解に苦しむ仕様でして、案の定、僕の耳に合うピースがなく検証以外で使うことはなくなりました。
イヤホンは耳に突っ込むものなので、自身に合うお気に入りのイヤーピースを使えるのはとっても良かったところです。
BluetoothコーデックはAAC。ハイエンドコーデックに対応してほしかった
Bluetoothイヤホンは接続する方法で音質や音の遅延度合いが変わります。詳しいことは以下の記事で書いてるのでチェックしてみて下さい。
PINOは、ミドルレンジにあたるAACコーデックに対応しているのですが、apt-Xも対応してほしかったところ。もっと言えば、この価格帯ならハイエンドコーデックのapt-X HDやLDACに対応しても良いんじゃないかと。
僕はAACでも満足できていて困ることはありませんが、コーデックのランクで見ると2,000円〜5,000円の製品で採用されていることの多い対応状況です。
タッチセンサーは操作が複雑で意図しない入力になることも
Makuakeの紹介ページでは「指紋センサー」とか「感圧センサー」と記載されているところがありますが、単なるタッチセンサーなので触れるだけで反応するタイプです。
PINOは左右のイヤホンそれぞれにタッチセンサーを搭載していますが、2つのタッチセンサーで様々な操作の役割を担うので、タップ、ダブルタップ、短く押す、長く押すといった感じで操作方法が複雑化してます。
この中で気になった挙動は以下。
右耳イヤホンのセンサーを1回タップすると音量を上げる操作となります。2回タップすると一時停止・再生の操作となります。一時停止しようと2回タップしても2回タップとは認識されず、1回タップ×2と認識されることがあり、ボリュームが2段階アップする挙動になることが多かったんです。
これは操作の慣れの問題でしょうか。でも、しばらく使っても結構頻発してます。
もちろん、上手く一時停止できることもありますが、音楽を聴いている→誰かに話しかけられる→ダブルタップで一時停止・・・せずにボリュームアップ!ということが頻繁に起こり、イマイチだなーっと感じたのは正直なところです。
サンプル品での挙動なので、製品版で改善していることに期待したいポイントでもあります。
混雑する場所では途切れやすかった
Bluetoothイヤホンはスマホと電波で繋がってます。なので、有線イヤホンと違って音が途切れることがあるんですね。これは高価なAirPods Proも同じで、ある程度は仕方の無いことなんですが、PINOは「あれ?結構途切れるな。」という印象でした。
秋葉原駅周辺を電車で移動してたんですが、10分ほどの乗車で確か2、3回途切れてます。検証期間中は、AirPods ProとPINOを付け替えながら途切れ具合をチェックしてたんですが、概ね結果は変わらず。
もちろん混雑している満員電車でのテストなので、途切れやすいシーンであることは承知してますが、AirPods Proではここまで途切れないんですよね。
利用場所によって途切れやすいと感じたので、「人が多いところだとブツブツ途切れるから新しいイヤホン探している」って方は、PINOも途切れるかも知れません。
音質は中域から低音が厚く重厚感が増す傾向だった
PINOとAirPods Proを使って同等音量で音楽や動画での音質を比較すると、PINOは中域から低音が厚く音の重厚感が増してました。
個人的にAirPods Proの音質はフラット過ぎると感じ、イコライザーで低域をブーストして使ってたんですが、PINOの音質は僕にとってちょうどよい音質で、デフォルトチューニングなら僕はPINOの音質が好きです。
この音質チューニングで気になったのは、弦楽器の単演奏の楽曲は低音の厚みがやや邪魔をしてしまうこと。音域によっては「急に低音が効いた」と感じることもあり、スルリと流れる滑らかさはイマイチです。
なので、ボーカル込みの楽曲や動画などに向いた音質です。「イヤホンはちょっと低音が効いてるくらいの音質が好き。」って方は凄く気に入ってくれるはず。
ANCの効きが良い。いつでも静かな環境を作れる
ANCとは、周囲の音を打ち消すことで静かな環境を作れる機能。ANCの効き具合は、定評あるAirPods Proと大きく変わらない印象で驚きました。
周囲の雑音を消して静かな環境を作れるので、騒がしい場所でも雑音の少ない状態で楽曲を楽しめるのはもちろん、「仕事で集中したい時に静かな環境を作る」って使い方も得意。
カフェとか騒がしいところで作業することの多い人にもオススメしたいなと思ったほどANCの効きは良かったです。
外音取り込みは便利だが、すこし耳栓感が残る
PINOは、周囲の音を取り込んで聞くことができる外音取り込み機能が使えるので、イヤホンを装着した状態でも電車のアナウンスを聞いたり、会話したりできます。
AirPods Proの外音取り込みは、自身の耳で聞いた感覚に近いのですが、PINOは、耳を手で塞いだ時に自身の声が頭に響くような耳栓感が残りちょっとだけ違和感がありました。また、徒歩でも風切り音がそこそこ聞こえたのも気になった部分です。
まぁ、冒頭でイマイチなポイントに挙げたんですが、このちょっとした違和感は使っていたら慣れてしまったので個人的には良しとしてます。
それにしても外音取り込み機能はホント便利ですね。
自宅でYouTubeとか見る時にスマホから音を出すと妻に「うるさい!」って言われるんで、配慮してイヤホンつけると、今度は妻に話しかけられたことに気がつかずご機嫌斜めに。
PINOならイヤホン装着してYouTubeの音を聞きながらも妻からの話しかけにも対応できるのです。もう、最高です。
通話も特に問題なし。相手はイヤホンだと気がつかなかった
PINOは通話時に周囲の雑音をカットする通話用ANCを搭載してます。風切り音とか騒がしい街の音とかをカットして、自身の声をクリアに相手に伝えてくれます。
結構騒がしい街中で会話していたんですが、通話相手はイヤホンで会話していることに気がついてなかったし、通話最後に変な雑音とか入ってるか確認したところ、「普通に電話しているのと変わらなかったよ。」とのことだったので、実用では全く問題ない通話品質でした。通話多い方もOKです。
バッテリー持ちが良い。ヘビーユーザーは充電インターバルに注意
PINOは仕様上、常にANCまたは外音取り込みがオンになっている状態。特にANCをオンにする場合は消費電力が高くなるのですが、公表されているバッテリー持ちは約3時間。ANCを利用していない状態だと4時間とのことです。
実用では、ANCと外音取り込みを切り替えながら使っているので4時間とまではいかないものの、それに近い時間は駆動だったので、「バッテリー持ちが良いな。」と感じました。
PINOに限った話では無いのですが、完全独立型イヤホンはケースバッテリーからイヤホンを充電するので、1度の連続再生時間はイヤホンに搭載されているバッテリー容量に左右されます。
ケースバッテリーは、イヤホンを6回充電できる容量なので、約4時間×6回で「最長24時間再生」となりますが、一度の充電で利用できる時間は最長4時間。
僕は2時間を超えて使うことがほぼ無いので問題ないですが、ヘビーユーザーの方はイヤホンの充電が切れると充電時間のインターバルが発生するので注意。
PINOまとめ
PINOをしばらく使ってきましたが、僕は概ね満足してます。
その理由は
- ケースから取り出しやすくて普段使いでストレスがない
- 1日2時間ほどの利用なのでバッテリー持ちに不満がない
- AACでも僕は問題ない
- 音質がやや低音よりで個人的に好みだった
- 自身の耳に合う汎用のイヤーピースが使える
- 混雑するところでの利用が少なく途切れに対する不満が少ない
- ANCの効きが抜群で静かな環境で集中したい時に凄く役立っている
- 外音取り込み機能が僕には必須で実用では問題なく使えている
- 通話することが多いので、クリアな通話品質に満足している
といったところからですね。レビューでAirPods Pro(約3万円)との比較も行ってきましたが、PINOは約1.8万円であることを考えると十分満足出来る仕上がりだと思います。
実際に使ってみたらこんな感じだったので、「ANCの効きが良いイヤホンを探している」「外で利用することが多いから外音取り込み機能も欲しい」って方は、満足度の高い買い物になりそうです。
多くの方がPINOに魅力を感じクラウドファンディングで多額の支援が集まった理由は、十分に感じ取れることが出来た製品でした。是非、ご検討下さい。
PINOの割引・購入先まとめ
執筆時点の2020年8月7日時点で支援可能期間は残り23日。
記事公開時点では通常価格18,150円のところ、早期支援で25%オフの13,580円で1台のPINOが手に入ります。この価格は限定数が定められており、残数が無くなると次点の20%割引に切り替わり14,520円となります。
早期支援するほど割引額が大きくお得度も増すので、欲しいと感じた方は早めの支援をオススメします。