2022年5月に登場したミドルハイのSoC「Snapdragon 7 Gen 1」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみた。
なお、本記事で紹介する内容は「目安」となる。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってくる。
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Snapdragon 7 Gen 1のCPUとGPUのスペック
SoC | Snapdragon 7 Gen 1 |
CPU | Cortex-A710 ×4 Cortex-A510 ×4 |
CPU周波数 | 2.5GHz |
GPU | Adreno 644 |
GPU周波数 | – |
Snapdragon 7 Gen 1の処理性能
▼Snapdragonは大きく4つの性能帯に分かれている。Snapdragon 7 Gen 1はハイエンドに次ぐ性能を誇るミドルハイのSoCとなる。↓
本記事で使用する製品は以下。
Snapdragon 7 Gen 1の実機AnTuTuスコア
端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみた。
▼Snapdragon 7 Gen 1の実機AnTuTuスコアは総合スコアが672,529点、GPUスコアは158,313点、UXは138,638点となった。↓
本記事を公開した2024年3月時点だと発表されてから約2年ほど経つSoCだがギリギリでミドルハイの性能帯に留まっている。
2024年3月時点の最新ミドルハイはAnTuTuスコアが130万点を超えるSoC(Dimensity 8300-Ultra)もあることから現時点でミドルハイとしては性能の低い部類と考えておこう。
▼以下は2024年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約150万点以上 GPUスコア:約60万点以上 | ヌルヌル、動作に不満なし |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約35万点〜60万点 | 重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約15万点〜35万点 | 軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜15万点 | 必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
Snapdragon 7 Gen 1のゲーム以外の動き
Snapdragon 7 Gen 1を搭載するスマートフォンでゲーム以外の動きをチェックする。動作は許容範囲だろうか。
▼WEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)、SNS(Twitter)の動作はこんな感じである。↓
AnTuTuのUXスコアが10万点を超えると動作は快適レベルと言われているが、本機は14万点に迫る勢いで快適レベルのスコアを示していた。
実際の動作も動画のようにサクサクと軽快に動くので一般用途であれば長期的な利用でも動作の不満を感じることが少ない性能と言える。
Snapdragon 7 Gen 1のゲーム性能
ライトな使い方は先程検証したが次はゲームを試してみる。検証では重量級ゲームの代表格である原神を使う。検証機での原神デフォルト画質設定は「低」となっていた。
検証では画質を「中」、フレームレートを60に設定してマップの3箇所をワープ後に4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定する。
原神動作検証の結果(下限30FPS未満/下限30FPS以上/下限50FPS以上)を基に「ゲーム全体の動作目安」を以下としている。
- 下限30FPS未満:画質とフレームレートのどちらも妥協しなければならない場合がある。またそれらを妥協してもプレイに支障をきたす場合がある。
- 下限30FPS以上:大多数のゲームは遊べるレベルで動作する。画質を妥協することで快適性を底上げできる場合がある。
- 下限50FPS以上:大多数のゲームは快適レベルで動作する。高画質と高フレームレートを両立できる場合がある
▼原神での高負荷時下限フレームレートは25FPSとなった。↓
原神は映像美も魅力のゲームなのでプレイするなら画質「中」に設定したいところだが、高負荷時に最低限確保したい30FPSには一歩及ばないので、動作の滑らかさを求めるなら画質を低や最低にして映像美を犠牲にする必要がある。
ゲームはタイトルによって要求スペックがバラバラだが、Snapdragon 7 Gen 1のゲーム性能だと原神のように画質や滑らかさを妥協が必要になる場合があることを覚えておこう。
Snapdragon 7 Gen 1の動作目安まとめ
ゲーム性能についてはミドルハイ帯では低めとなっているので、原神のような重量級ゲームを中心にプレイしているユーザーは注意。重量級ゲームをプレイする人は現行のミドルハイSoC以上を搭載するモデルを選ぶほうが良い。
一方でSnapdragon 7 Gen 1は発表こそ2022年と古いものの基本性能は2024年時点でもギリミドルハイと言える立ち位置に留まっている。ミドルレンジの価格帯でSnapdragon 7 Gen 1が搭載されていればコスパは良い。
Snapdragon 7 Gen 1はゲーム性能を重視しないユーザーなら長期的に安定した動作を見込めるSoCである。
Snapdragon 7 Gen 1搭載製品の一覧
Snapdragon 7 Gen 1を搭載する製品は以下。