SIMロック原則禁止は10月から。MVNOへのeSIM機能開放も促進、ワンストップ式MNPにも期待

2021年10月からキャリア販売のスマートフォンなどでSIMロックが原則禁止になります。他にもMVNOへのeSIM機能開放の促進やワンストップ式のMNP手続き導入、MNP後のキャリアメール継続利用についても話が進んでいるみたいなので期待。

SIMロック原則禁止は10月から

キャリアが販売するスマートフォンなどは基本的にSIMロック(他社で使えないようにロックされている状態)で販売していましたが10月からSIMロック原則禁止になるみたいです。

総務省は28日、携帯会社が自社の回線契約でしか端末を使えないようにするSIMロックを巡り、10月1日から原則禁止する方針を示した。

SIMロック、10月から原則禁止 総務省 – 日本経済新聞

前から一括払いや分割でもクレジットカードを利用していて「端末代金の不払いによる回収リスクが低い場合」はSIMロックの必要はないと総務省は言ってたんですが、それが10月から始まるってことですね。

今後は個別信用購入あっせん契約で回収リスクある口座振替での分割払いはかなり審査が厳しくなりそうな予感。

その他、スイッチング円滑化タスクフォース報告書(PDF)にはこんなことが書かれていました。

  • eSIMの促進:MNOは2021年夏を目途として導入、MVNOもeSIM導入を迅速に行えるよう機能開放するのが妥当
  • SIMロック原則禁止:不払いによる回収リスクが低い場合はSIMロックのない製品を渡すこと。10月から開始
  • MNPしても旧キャリアメールの継続利用:技術的に難しい部分はあるが、仕組みを作っていく方向で調整
  • MNP手続きのシンプル化:MNP転出側・転入側でのツーストップ式から転入側だけでMNPを完結できるワンストップ式にしよう。今後2年以内の実施が目標

個人的にはMVNOでeSIMが簡単に利用できる機能開放に期待。ちなみに記事執筆時点だとMVNOではIIJmioしかeSIMに対応してませんが、NanoSIM+eSIMが利用できるiPhoneで2回線同時待ち受けできるのでめっちゃ人気です。あと面倒くさいMNP手続きのワンストップ式の実現に期待してます。

SIMロック原則禁止で渡される端末=SIMフリー版が貰える訳ではない点に注意してほしい

SIMロック原則禁止はユーザにとって喜ばしいことなのですが、注意すべきポイントもあります。

現在、スマートフォンは大きく分けて以下のタイプがあります。

  • SIMフリー版:どのキャリアでも快適に利用できる仕様のモデル
  • キャリア版:そのキャリアで快適に利用できる仕様のモデル
  • キャリア版(SIMフリー版ベース):ベースはSIMフリー版なので、SIMロックがなければSIMフリー版と同じようにどのキャリアでも快適に利用できる仕様のモデル

今回SIMロック原則禁止になったのは「キャリア版」ですが、上記の通り、その製品自体は「販売するキャリアで快適に利用できる仕様」であることが注意すべき点なのです。

これは、以前から僕も注意喚起していたんですが、キャリア版のSIMロックのない製品(SIMロック解除された製品)は、SIMフリー版ではありません。SIMロックがなくなろうが、「キャリア版」です。

▼これはドコモが公開しているドコモで販売するスマートフォンの対応バンド表の一部です。↓

SIMロック解除対応機種および対応周波数帯 – NTTドコモ

上記の表で僕が伝えたいことは、ドコモで販売しているモデルはドコモ回線で通信するために周波数が構成されていることです。

例えば、ドコモ回線で繋がりやすさを左右する重要なバンド19は○で対応しています。このバンド19はとても重要であることから「プラチナバンド」と呼ばれてます。

同じように、au回線ではバンド18/26が、ソフトバンクではバンド8がドコモのバンド19に該当する「プラチナバンド」として非常に重要なのですが、ご覧の通りドコモ端末ではバンド18/26、バンド8に対応している製品が非常に少ないことが分かります。

今回はドコモの資料を引っ張ってきましたが、この傾向は他キャリアでも同じです。つまり、SIMロック原則禁止になろうが、端末購入したキャリア系列の回線以外で利用する場合、重要なバンドに非対応なことが多く電波の掴みが悪くなったり、圏外率が高くなるユーザリスクが残っているんです。

本当に利用者の利便性・快適性を損なうことなく乗り換えやすくするには、SIMロック原則禁止だけでなく、キャリアが販売する端末も「他キャリアでも利用できるモデル」にするようなテコ入れが必要なのでは?と思ってしまいます。MVNOのようにね。

SIMロック原則禁止になりますが、異なるキャリアに乗り換えて端末を使い回す際は、お持ちの端末が乗り換え先キャリアで快適に利用できる周波数に対応しているかチェックが必要になるので注意して下さいね。

とりあえず、SIMロックやら対応バンドやらよく分からんって方は、iPhone買っとけばOK。どのキャリアで買っても他キャリアのバンドにも対応してるし、最近のモデルはeSIMにも対応してますからね。

iPhone 12のレビュー!

iPhone 12 Proのレビュー!

iPhone 12 Pro Maxのレビュー。評判・評価・口コミ

iPhone 12 miniのレビュー。これぞ待ち望んだフラッグシップコンパクト

▼動画も公開してます。↓

ページトップへ