2023年後半に登場したミドルのSoC「Dimensity 7200-Ultra」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。
なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。
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Dimensity 7200-UltraのCPUとGPUのスペック
SoC | Dimensity 7200-Ultra |
CPU | ARM Cortex-A715 ×2 ARM Cortex-510 ×6 |
CPU周波数 | 2.8GHz |
GPU | Mali-G610 MC4 |
GPU周波数 | – |
Dimensity 7200-Ultraの処理性能
▼Snapdragonは大きく4つの性能帯に分かれています。Dimensity 7200-Ultraは標準的なミドル帯のSoCです。↓
本記事で使用する製品は以下。
Redmi Note 13 Pro+ 5G(グロ版)の実機レビュー!2億画素カメラを備える同シリーズ最上位モデルを試す!
Dimensity 7200-Ultraの実機AnTuTuスコア
端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみました。
▼それではDimensity 7200-Ultraを搭載する端末の実機AnTuTuのスコアを確認してみましょう。総合スコアは799,033点、GPUスコアは185,764点、UXは184,823点となっていました。↓
Dimensity 7200-UltraはDimensity 7200をベースにカスタマイズされたモデルで、2024年1月にリリースとなったRedmi Note 13 Pro+ 5Gなどに採用されているSoCです。同SoCを搭載するモデルではパフォーマンスモードに切り替えることが可能で、上記のスコアもパフォーマンスモード時のスコアです。
型番的には7,000番台なのでミドル枠となりますが、同時期にリリースされたミドル帯のSnapdragon 6 Gen 1よりも高いスコアとなっており、ミドルハイ枠では低めの性能、ミドル帯だと最高峰の性能と言えます。
▼以下は2024年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約150万点以上 GPUスコア:約60万点以上 | ヌルヌル、動作に不満なし |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約35万点〜60万点 | 重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約15万点〜35万点 | 軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜15万点 | 必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
Dimensity 7200-Ultraのゲーム以外の動き
Dimensity 7200-Ultraを搭載するスマートフォンでゲーム以外の動きをチェックしました。許容範囲か確認してみて下さい。
▼Dimensity 7200-Ultraを搭載するスマートフォンでWEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)、SNS(Twitter)を使ってみました。↓
一般用途での快適性はAnTuTuベンチマークのUXスコアが10万点を超えると言われていますが、Dimensity 7200-Ultraは18万点を超えており、実機でもハイエンド帯と同等の非常に軽快な操作感です。一般用途であれば長期的に安定した動作を見込めるSoCと言えます。
Dimensity 7200-Ultraのゲーム性能
ライトな使い方は先程検証しましたが、次はヘビーな使い方を試してみます。ヘビーな使い方の代表といえばゲーム。ここでは「重量級3Dゲーム」「軽めの3Dゲーム」の2つで試してみます。
- 原神:重量級3Dゲーム
- PUBGモバイル:軽めの3Dゲーム
▼まず重量級となる原神から。グラフィックのデフォルト設定は「低」となっています。↓
デフォルトではフレームレートの上限30FPSの制限があるので、設定にてフレームレートのみ60に変更した後、マップの3箇所をワープで移動して4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定します。
▼下限フレームレートは36FPSとなりました。↓
どうやら一部のゲームではGPU性能を活かしきれていないようで、執筆時点での検証ではSnapdragon 6 Gen 1と同等程度の動作となりました。Snapdragon 6 Gen 1はGPUスコアが11万点台、一方Dimensity 7200-Ultraは18万点台と大きく差があることから、最適化が進むとフレームレートが向上する可能性があります。本記事のデータは2024年1月時点ですので、原神をプレイされている方は追加の情報収集をおすすめします。
続いてはPUBGモバイル。2017年にリリースされたゲームで当時は重量級でしたが、SoCの高性能化も進んだので現在は軽めの3Dゲームとして検証に使っています。PUBGモバイルでは画質設定を下げた時に選べるフレーム設定の設定幅で上限フレームレートが決まってきます。
▼PUBGモバイルはフレーム設定「極限」まで開放されていました。上限60FPSでプレイ可能です。また、極限設定を維持しつつ、画質はHDRまで上げることが出来ます。↓
PUBGモバイルの検証は、スモークを4つ撒いて高負荷状態を作り、スモークが切れるまで突入を繰り返して下限フレームレートをチェックします。
▼PUBGモバイルの下限フレームレートは53FPSでした。↓
PUBGモバイルなどFPSやTPSはフレームレートが高いほど有利なので60FPSでのプレイが推奨されていますが、Dimensity 7200-Ultraは上限60FPSでのプレイが可能でした。但し、極限設定は同じSoCを搭載していても開放される場合とされない場合があるので、レビューなどで開放上限を確認することをおすすめします。
実際のプレイでは高負荷状態でも50FPSを上回る水準となっており、非常に快適にプレイが可能となっています。
Dimensity 7200-Ultraは一部のゲームで最適化されていないような状況が見受けられましたが、一方で最適化が済んでいるゲームでは概ねAnTuTuのGPUスコアが示す通りの快適なプレイが可能でした。パフォーマンス的には高いGPU性能を持っているので、今後、大半のゲームは快適に遊べる水準でプレイが可能です。
Dimensity 7200-Ultraの動作目安まとめ
Dimensity 7200-Ultraは型番的にミドル帯のSoCではありますが、ミドル帯ではトップクラスの性能を持つSoCです。参考に同時期にリリースされたSnapdragon 7s Gen 2は型番的にミドルハイ帯ですが、それよりもDimensity 7200-Ultraは性能が高いです。
執筆時点ではゲームの最適化が進んでいない部分も見受けられましたが、複数の検証では概ねAnTuTuスコアが示す通りの性能を発揮できています。
同社のミドルハイ帯SoCであるDimensity 8300-Ultraが飛び抜けて性能が高いのでやや影が薄いSoCに見えますが、3~5万円のミドル帯モデルでDimensity 7200-Ultraが採用されていればコスパに優れているモデルと言えそうです。
Dimensity 7200-Ultra搭載製品の一覧
Dimensity 7200-Ultraを搭載する製品は以下です。