2023年後半に登場したミドルハイのSoC「Snapdragon 7s Gen 2」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。
なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。
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Snapdragon 7s Gen 2のCPUとGPUのスペック
SoC | Snapdragon 7s Gen 2 |
CPU | Cortex-A78 ×4 Cortex-A55 ×4 |
CPU周波数 | 2.4GHz |
GPU | Adreno 710 |
GPU周波数 | – |
Snapdragon 7s Gen 2の処理性能
▼Snapdragonは大きく4つの性能帯に分かれています。Snapdragon 7s Gen 2はハイエンドに次ぐ性能を誇るミドルハイのSoCです。↓
本記事で使用する製品は以下。
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Snapdragon 7s Gen 2の実機AnTuTuスコア
端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみました。
▼それではSnapdragon 7s Gen 2を搭載する端末の実機AnTuTuのスコアを確認してみましょう。総合スコアは592,991点、GPUスコアは118,603点、UXは147,960点となっていました。↓
Snapdragon 7s Gen 2は2024年1月発売のRedmi Note 13 Pro 5Gなどに採用されているSoCです。
記事執筆時点でSnapdragon 7s Gen 2よりも性能帯が低い最新ミドルSoCであるSnapdragon 6 Gen 1は総合スコアが50万点を超える状態であり、ミドルハイという枠でSnapdragon 7s Gen 2は性能が低い部類です。
最新ミドルハイでは総合スコアが130万点を超えるDimensity 8300-Ultraもリリースされていることから、Snapdragon 7s Gen 2は型番的にはミドルハイですが、性能的にはミドルに近い性能と言えます。
▼以下は2024年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約150万点以上 GPUスコア:約60万点以上 | ヌルヌル、動作に不満なし |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約35万点〜60万点 | 重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約15万点〜35万点 | 軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜15万点 | 必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
Snapdragon 7s Gen 2のゲーム以外の動き
Snapdragon 7s Gen 2を搭載するスマートフォンでゲーム以外の動きをチェックして許容範囲か確認してみて下さい。
▼Snapdragon 7s Gen 2を搭載するスマートフォンでWEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)、SNS(Twitter)を使ってみました。↓
AnTuTuベンチマークのUXスコアが10万点を超えると上記のような一般用途は快適と言われており、Snapdragon 7s Gen 2は14万点を超えています。
実機での動作もゲーム以外であれば非常に軽快に動いているので、一般用途での利用であれば長期的に安定した動作を見込めます。
Snapdragon 7s Gen 2のゲーム性能
ライトな使い方は先程検証しましたが、次はヘビーな使い方を試してみます。ヘビーな使い方の代表といえばゲーム。ここでは「重量級3Dゲーム」「軽めの3Dゲーム」の2つで試してみます。
- 原神:重量級3Dゲーム
- PUBGモバイル:軽めの3Dゲーム
▼まず重量級となる原神から。グラフィックのデフォルト設定は「低」となっています。↓
デフォルトではフレームレートの上限30FPSの制限があるので、設定にてフレームレートのみ60に変更した後、マップの3箇所をワープで移動して4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定します。
▼下限フレームレートは38FPSとなりました。↓
原神での動作もミドル帯と大きく変わらない印象です。デフォルトの低画質であれば高負荷時に30FPSを超えるのでプレイは可能ですが、画質を中にすると30FPSを下回ることがあります。原神はグラフィックの美しさも魅力の一つなので、最低でも画質は中設定で遊びたいところですが、Snapdragon 7s Gen 2ではパワー不足です。
続いてはPUBGモバイル。2017年にリリースされたゲームで当時は重量級でしたが、SoCの高性能化も進んだので現在は軽めの3Dゲームとして検証に使っています。PUBGモバイルでは画質設定を下げた時に選べるフレーム設定の設定幅で上限フレームレートが決まってきます。
▼PUBGモバイルはフレーム設定「極限」まで開放されていました。上限60FPSでプレイ可能です。↓
PUBGモバイルの検証は、スモークを4つ撒いて高負荷状態を作り、スモークが切れるまで突入を繰り返して下限フレームレートをチェックします。
▼PUBGモバイルの下限フレームレートは53FPSでした。↓
PUBGモバイルなどFPSやTPSはフレームレートが高いほど有利なので60FPSでプレイしたいタイトルです。Snapdragon 7s Gen 2では一部でしか開放されない上限60FPSでプレイが可能な極限設定が可能であることに加え、非常に高負荷な状況でも50FPS以上は維持できていたことから、PUBGモバイルは快適にプレイできます。
Snapdragon 7s Gen 2のゲーム性能は最新のミドルレンジと同等クラスで、画質やフレームレートを妥協すると遊べるタイトルは多いです。
Snapdragon 7s Gen 2の動作目安まとめ
Snapdragon 7s Gen 2は型番こそミドルハイですが、性能的には同時期にリリースされている最新世代のミドルレンジSoCと同等クラスとなっています。
一般用途では非常に快適な動作が見込める一方、ゲームでは画質やフレームレートの妥協が必要になる場合もあるので、ゲーム性能を重視する方には向いていないSoCです。
Snapdragon 7s Gen 2搭載製品の一覧
Snapdragon 7s Gen 2を搭載する製品は以下です。