HUAWEIが最新SoC「Kirin 990」を発表。注目ポイントをチェック
5G対応SoCが進化を続けています。
ドイツのベルリンで開催されている世界最大級の家電見本市「IFA 2019」にて、HUAWEIは次世代ハイエンドスマホ向け5G対応SoC「Kirin 990」と5G非対応の「kirin 990(4G版)」を発表しました。9月19日に海外で発売予定のMate 30シリーズに搭載予定です。
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HUAWEIの最新SoC「Kirin 990」は何がすごいの?
「なんとなくすごそうだけど、具体的にいままでと何が違うのか分からない」という人向けに、Kirin 990の魅力をまとめてみました!
【Kirin 990の注目ポイント(赤文字は5Gモデルでの利点)】
- AI処理性能(NPU)を強化
- クラウドAIリソースをよりリアルタイムで活用
- 他社の同スペックSoCより占有面積が小さく、処理性能が向上
- 5G通信速度が早い:ダウンロードは最高2.3Gbps、アップロードは最高1.25Gbps
- 5G電波が弱い環境下でもアップロードを高速化
- ユーザーが高速移動時の通信速度を高速化
- Snapdragon 855+5Gモデムよりも消費電力を44%削減
AIの利用がより便利になる
Appleの「Siri」やGoogleの「Googleアシスタント」など、スマホやパソコンでAIを活用する人も増えてきたのではないでしょうか。従来のAIはスマホやパソコン本体内部で処理を行い、情報を得る必要があるときのみクラウドにアクセスする仕組みでした。
5G対応によってクラウドにアクセスするスピードがほぼリアルタイムになり「よりAIが便利になる」とHUAWEIはアピール。AI処理スペックを左右するNPUも大幅に強化されており、低消費電力と軽快なAIアシスタントの利用が可能になっています。
通信速度が他のSoCより安定して早い
「リアルタイムにクラウドにアクセスできるって、他の5G対応SoCでも同じじゃない?」と感じたあなた、そのとおりです。ただしKirin 990は5G回線が弱い環境下では4G回線も同時並行で利用して、他社5Gモデム搭載SoCより安定・高速な通信環境を実現しました。
5G対応基地局の整備にはまだまだ時間がかかるので、こういった仕組みは嬉しいですね。
スマホのバッテリー持ちが良くなるかも?
通信環境に応じて4Gと5G通信を併用してくれるのは通信速度の安定化のみならずバッテリー持ちにも良いです。他にもKirin 990にはBWP機能と呼ばれるモノを搭載しており「軽いデータを受信するときは5Gよりも通信帯域を狭める(4Gなどに切り替える)」ことで省電力化が可能とアピールしています。
またKirin 990から重い処理と軽い処理を別のNPUで対応することが可能となり、低消費電力の実現と軽い処理性能の確保に一役買っています。