IBMが世界初の2nmチップ技術を発表。7nm比でスマホの電池持ちが4倍
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IBMが世界初となる2nmチップ技術を発表しました。まだ実用化は数年先みたいですが、ウェハー上で2nmが作れるようになるなんて信じられないくらい凄い。
IBMが世界初の2nmプロセスチップ技術を発表
プロセスチップは微細化することで高性能化してきましたが、物理的な制限もあり設計が非常に難しく、「もうこれ以上の微細化は無理だ」と毎年のように言われ続けてます。が、IBMが2nmというぶっ飛んだ技術を発表したんです。
IBM(NYSE:IBM)は本日、2ナノメートル(nm, ナノは10億分の1)のナノシート・テクノロジーによる世界初のチップの開発をもたらした半導体の設計とプロセスにおける飛躍的な進歩を発表しました。
僕も昔は半導体装置の業界に居まして、あの頃は32nm→24nmで四苦八苦してたのを思い出します。あの頃でさえ、無理だろ。こんなの無理だろ。。とブツブツと技術者が嘆いていたので、2nmというのは僕からしたらひっくり返るほどのインパクト。
広がる可能性。スマホ分野でも劇的な変化をもたらす技術
プロセスチップの微細化は処理性能や省電力性能がグッと向上します。従来のチップと同じ処理をする場合はより少ない電力で処理できます。また、同じチップ面積でも微細化されると多くの処理を行うことができるので、同じ電力を使うと処理性能が向上します。
僕たちが使っているスマートフォンも数年前のモデルと比較したら飛躍的に性能が向上してますが、これもプロセスチップの技術が進んでいるからですね。
例えば、Snapdragon 865シリーズでは7nmプロセスチップでしたが、Snapdragon 888では5nmと世代が進みました。これにより、同じ電力を使った場合はより処理性能が高く、待機状態では消費電力が下がってます。
IBMは2nmと7nmを比較した場合の説明をしているんですが、スマホ好きユーザに分かりやすく書くとこんな感じ。
- Snapdragon 865と同じ処理性能ならバッテリー持ちが4倍になる
- Snapdragon 865と同じバッテリー持ちなら処理性能が45%アップする
スマホだけでなく微細化したプロセスチップは半導体を利用するあらゆる分野で大きな変化をもたらしてくれるかも知れません。
高性能化することで、これまでは実現が難しかった技術が実用化できたり、今までよりも短時間で処理が行えるようになり時短に繋がったり。まぁ、良いこといっぱいです。
IBMの2nmチップがデビューするのはまだ数年先のようだ。同社は米PC Magazineに対し、向こう3年間で2nmプロセスを改良する計画だと語った。また、製造は韓国Samsungを含むパートナーに委託する計画という。
上記によると製造自体は行わない方針みたい。もしかしたらサムスンから真っ先に2nmプロセスチップのExynosがリリースされる。なーんてこともあるかも知れませんね。
とりあえず、執筆時点ではtsmcが3nmの実用化に向けて開発を進めていて、予定通りに進めば2023年にも3nm搭載チップ搭載スマホが出るかもという段階ですが、今回の発表で2nmまではとりあえずプロセスチップの進化が進みそうなので、どのようなユーザ体験ができるのか今から楽しみです。