2021年第3四半期の半導体関連の売上高による占有率公開。スマホ向けSoCはMediaTekが首位
- ニュース
- ※ 当メディアのリンクにはアフィリエイト広告が含まれています
リサーチ会社が発表した2021年第3四半期のスマートフォン向けSoCシェアでMediaTekが首位の座についているようです。詳細は以下より。
半導体関連の売上高による市場占有率がリサーチ会社により公開
現地時間12月10日、香港に本社を置くリサーチ会社であるCounterpointは2021年第3四半期の半導体関連の売上高による市場占有率を公開しています。
このランキングはAppleやHUAWEIなど設計を行なっているがチップそのものの製造はしていない企業やTSMCなどのファウンドリは計算に入れていない点は留意ください。
▼半導体のシェアは1位がサムスンの16%で、2位が13%のIntel。3位が7%のSK Hynixとなっています。↓
【引用】Counterpoint
上位7社のうち、IntelとBroadcomは前四半期(恐らく2021年第2四半期)から比較して減収し、逆にSK HynixとMicronは前年同期(2020年第3四半期)から比較して30%以上の増収につながったようです。(比率はSK Hynixが48%、Micronが36%)
1位2位のサムスンとIntelがいい感じに接戦しているのに対し、3位のSK Hynixから10%台を割っているのが興味深いですね。
▼ファウンドリのシェアは以下の通り。予想通りTSMCがぶっちぎりの1位に輝いています。↓
【引用】Counterpoint
TSMCに関しては、AMDやQualcomm、Appleなど多数の企業が設計したチップの製造を一手に引き受けているメーカーですので、シェア56%と半数を超えるのには驚きは無かったですね。
サムスンも主要顧客からの注文が好調、3位のUMCは半導体の材料となるウェハー価格の上昇による恩恵を受けているとのこと。おこぼれにあずかったような感じですかね。
▼最後にスマートフォン向けSoCのシェアは以下の通り。MediaTekが40%で首位と2位のQualcommから大差をつけています。↓
【引用】Counterpoint
一方でQualcommは部品の供給が改善されたことで、出荷台数が若干伸びたとのこと。
その他2021年第3四半期の主な変化として、Unisocが4G対応SoC市場に強く浸透した点やサムスンが自社ブランドの材料不足と4G対応SoCの外注が増加したことのダブルパンチによる更なるシェア低下をあげています。
確かにUnisocはT610やT618がミドルレンジタブレットのみならずミドルレンジスマートフォンでも採用されるようになってきている現状を鑑みると納得できるところですね。
サムスンは分野ごとに明暗分かれる結果に。Qualcommは追い上げなるか
サムスンは半導体関連が1社でほぼ完結してしまうのが強みですが、半導体、ファウンドリでは好調なのに対し、スマートフォン向けはシェアの低下とかなり極端な結果になっています。
やはり半導体やファウンダリで手一杯で、スマートフォン向けSoC用の材料確保や4G対応SoCは利益幅が小さいと見られることから外部へ丸投げする確率が高くなり、シェアの低下を招いたかもしれないですね。
MediaTekは2020年ごろからシェアトップに躍り出て、今回発表された2021年第3四半期でもシェアトップを取った要因として、筆者はミドルレンジやエントリー帯の層が厚いことがあるのではないかと思っています。
例えば、ミドルレンジSoCでもゲーミング機能を盛り込んだHelio Gシリーズや5Gに対応したDimensity 700やDimensity 800など、エントリー〜ミドルレンジSoCが結構充実しているんですよね。
もちろんQualcommにもSnapdragon 6シリーズやSnapdragon 7シリーズなどが用意されてはいるんですが、相対的に価格が高いものと見られ、どうしても価格を抑えることが求められるエントリー帯やミドルレンジ帯のスマホではMediaTekのプロセッサが選ばれやすい傾向があります。
こんな感じで下から真ん中は抑えられていたMediaTekの弱みがハイエンド帯でしたが、Snapdragon 8 Gen1に匹敵する性能と見られるDimensity 9000が発表されたことにより、また流れが変わってくるのではないでしょうか。
MediaTekが更にシェアを広げるのか、Qualcommが負けじと追い上げてくるのか。どう転ぶかは分かりませんが、両社ともにいい競争を期待しています!